幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『シェーンベルク: オラトリオ「ヤコブのはしご」/ヴェーベルン: 協奏曲作品24/6つの小品作品6b』 エリアフ・インバル指揮/フランクフルト放送管弦楽団

シェーンベルク: オラトリオ「ヤコブのはしご」/ヴェーベルン: 協奏曲作品24/6つの小品作品6b』  
エリアフ・インバル指揮/フランクフルト放送管弦楽団 

Arnold Schönberg 
Die Jakobsleiter 
Anton Webern 
Konzert Op.24 / 6 Stücke Op.6b 

Soloists, Rundfunkchor Berlin & 
Radio-Sinfonie-Orchester Frankfurt 
Eliahu Inbal 


CD: DENON日本コロムビア株式会社 
COCO-78977 (1995年) 
¥3,000(税込)(税抜価格¥2,913) 

 

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帯文: 

「ドイツ音楽の極北。魂の祈り。巨匠インバルの新境地!!」


アーノルト・シェーンベルク(1874~1951) 
Arnold Shönberg 

オラトリオ『ヤコブのはしご』〔フラグメント〕(1917-1922) 
The Jakobsleiter: Oratorio (fragment) for Solil, Choruses & Orchestra 
オーケストレーション: ヴィンフリート・ツィリヒ 
Orchestration: Winfried Zillig 
テキスト: アーノルト・シェーンベルク 
Text: Arnold Schönberg 
1.「右に居ても、左に居ても、将来に目を向けていても」(ガブリエル、合唱) 4:35 
Ob rechts, ob links, vorwärts oder rückwärts (Gabriel, Chor) 
2.「問いかけもせずに?」(合唱、ガブリエル) 4:33 
Ohne zu fragen? (Chor, Gabriel) 
3.「その調子で!先へ!」(ガブリエル、使命を与えられた男) 3:42 
Gleichwiel! Weiter! (Gabriel, ein Berufener) 
4.「お前はいつでも自分に満足している」(ガブリエル、反抗する男) 1:47 
Du bist immerhin zufrieden mit dir (Gabriel, ein Aufrührerischer) 
5.「この二者択一」(ガブリエル、苦闘する男) 3:49 
Dies Entweder und dies Oder (Gabriel, ein Ringender) 
6.「彼と汝等の意志に対して」(ガブリエル) 1:47 
Gegen seinen und euren Willen (Gabriel) 
7.「私は近寄れない、何故なら、近寄る時に私は負けるからだ」(選ばれた男、ガブリエル) 4:48 
8.「主よ、私の不遜をお許し下さい!」(修道士、ガブリエル) 4:14 
Herr, verzeih meine Überhebung! (Der Mönch, Gabriel) 
9.「主よ、私は生涯この時間を待っていました」(瀕死の男) 3:28 
Herr, mein ganzes Leben lang (Der Sterbende) 
10.「お前が再び光に近づくのは」(ガブリエル、合唱) 3:25 
Nahst du wieder dem Licht? (Gabriel, Chor) 
11.大交響間奏曲(オーケストラ、合唱、魂) 7:23 
(Großes symphonisches Zwischenspiel) 


アントン・ヴェーベルン(1883~1945) 
Anton Webern 

9楽器のための協奏曲 作品24 (1934) 
Konzert, Op.24 for Flute, Oboe, Clarinet, Horn, Trumpet, Trombone, Violin, Viola & Piano 
12.I - Etwas lebhat (ややいきいきと) 2:46 
13. II - Sehr langsam (ひじょうに遅く) 2:57 
14. III - Sehr rasch (ひじょうに速く) 1:25 

オーケストラのための6つの小品 作品6b (1909、28改訂) 
15. I - Langsam (ゆっくりと) 1:11 
16. II - Bewegt (動揺して) 1:31 
17. III - Mäßig (中庸の速さで) 1:08 
18. IV - Sehr Mäßig (ごく普通の速さで) 4:15 
19. V - Sehr langsam (ひじょうにゆっくりと) 2:25 
10. VI - Langsam (ゆっくりと) 1:42 


ガブリエル: コルネリウス・ハウプトマン(バス) 
Gabriel: Cornelius Hauptmann 
苦闘する男: マッテオ・デ・モンティ(バス) 
Ringender: Matteo de Monti 
反抗する男: ヴィルフリート・ガームリヒ(テノール) 
Aufrührerischer: Wilfried Gahmlich 
修道士: クルト・アツェスベルガー(テノール) 
Mönch: Kurt Azesberger 
使命を与えられた男: キース・ルイス(テノール) 
Berfener: Keith Lewis 
瀕死の男(女声): ヤドヴィガ・ラペ(メゾ・ソプラノ) 
Sterbende: Jadwiga Rappé 
選ばれた男: ビョルン・ヴァーグ(バリトン) 
Auserwählter: Bjørn Waag 
魂1: バルバラ・キルドゥフ(ソプラノ) 
Seele 1: Barbara Kilduff 
魂2: バルバラ・フックス(ソプラノ) 
Seele 2: Barbara Fuchs 
ベルリン放送合唱団(合唱指揮: ロビン・グリットン) 
Rundfunkchor Berlin (Chorus master: Robin Gritton) 

エリアフ・インバル指揮 
Eliahu Inbal conducting 
フランクフルト放送管弦楽団 
Radio-Sinfonie-Orchester Frankfurt 

Co-production with Hessischer Rundfunk 

録音: 
1994年9月3-5日(ヴェーベルン作品24)、ヘッセン放送ゼンデザール 
1995年9月6-9日(ヤコブのはしご、ヴェーベルン作品6)、フランクフルト・アルテ・オパー
エンジニア: デトレフ・キトラー(ヴェーベルン作品24)、リュディガー・オート 
リミックス: 後藤博 
技術: ホルガー・ウアバッハ&井之口啓三 
制作担当: 川口義晴&ハンス=ベルンハルト・ベツィング 

Art Direction: Satoshi Saitoh
Design: Miharu Kawashima 


◆本CD解説(長木誠司)より◆ 

「オラトリオ《ヤコブのはしご》は、このユダヤ人の作曲家が書いた宗教的な系列の作品のひとつである。」
「『旧約聖書』の「創世記」第28章10節以降で、ヤコブの夢のなかに出てくる天と地を結ぶはしごとそこを昇降する神の使い、そして自らの傍らに降り立つ主のことばを耳にしたヤコブが、この土地を神の家、天の門として畏敬するくだりは印象的なものであるが、このヤコブが夢に見た、霊の昇降するはしごは、ユダヤ神秘主義のなかで祈祷の持つ独特の位置づけと関連し、数の神秘学において捉えられている。」
「当初、シェーンベルクバルザックの小説『セラフィタ』のなかに出てくるスウェーデンボリの教説に惹かれており、この小説をオラトリオ化、あるいは舞台作品化する意志があったようで、同年の終わりまでには、それをストリンドベリの自伝的断片である『ヤコブの苦闘』と結びつけようという考えを抱くようになった。」
「1912年12月に、シェーンベルクはデーメルに「オラトリオ」のテクストを書いてくれるかどうか打診している。」
「「私は長らくオラトリオを書こうと思っています。その内容は、物質主義や社会主義無政府主義に貫かれてきた現代の人間、無神論者であった人間、それでも古い信仰の名残を(迷信という形で)保持してきた現代の人間が、どのようにして神と争い(ストリンドベリの『ヤコブの苦闘』を参照のこと)、やがて終いには神を見出し、信仰へと到達するか、というものです。(中略)当初、私は自分でテクストを書こうとしました。しかし、今では自分の力を信じていません。次に私はストリンドベリの『ヤコブの苦闘』を翻案しようとしました。最後に私は、明確な信仰心から始めて、バルザックの『セラフィタ』、殊にその終章である「昇天」の部分を翻案しようと考えるに到りました。そこでは〈今日の人間の祈り〉という考えが私を捉えて放しませんでした。そしてしばしば、もしもデーメルが書いたら、という考えも持っていたのです。」
 こうした申し出に対し、しかしながら、デーメルは他人の拘束による創作の不自由を嫌って、(中略)シェーンベルクの創作を応援しただけであった。」
「さて、1915年のテクストの草案は、さらに手が加えられて1917年5月26日に完成稿ができあがる(中略)。全2部からなるそのテクストの第1部では、熾天使ガブリエルが、行く手や背後に何があるか問いかけることなく、常に先へ先へと進まねばならないという教説を述べたあと、「行為によって近づいた者たち」をひとりひとり召喚して、彼らの話に反駁を加えてゆく。順に「使命を与えられた男」「反抗する男」「苦闘する男」が登場するが、彼らを導く唯一の者として、ガブリエルは「選ばれた男」を呼び出して対比させている。ひとに理解されずとも未知のものへと邁進し、自らを「変奏曲」と呼ぶこの「選ばれた男」は、まさしくシェーンベルク自身を思わせるが、(中略)弟子のアルバン・ベルクは、(中略)この「選ばれた男」とシェーンベルクとの同一性を指摘していた。
 テクストではさらに「修道士」と「瀕死の男」が登場するが、後者のなかには、死によって霊界に入り、天使たちに近づくと同時に霊たち(の声)に迎えられるというスウェーデンボリの教説が見据えられている。ここで第1部は終わり、続く第2部は霊たちに〈変容〉を諭すガブリエルの説教に始まって、第1部と同じ順で霊たちが悪魔、天才、星、天使たちと語り、教えを請う。「選ばれた男」は神に自分の使命を問いかけるが、地上の重荷を背負って罪を贖うこの男に対し、神は「精神の前衛」としての賛辞を贈りながら鼓舞する。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全36頁)にトラックリスト&クレジット、解説「《ヤコブのはしご》を読み解く」(三島憲一)、解説「シェーンベルク: オラトリオ《ヤコブのはしご》」(長木誠司)、演奏者紹介、対訳「ヤコブのはしご」(訳・小林一夫)。

★★★★☆ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ベルク: 「ルル」組曲/「ワイン」』  ピエール・ブレーズ指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック

『ベルク: 「ルル」組曲/「ワイン」』 
ピエール・ブレーズ指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック 

Berg - Boulez 
New York Philharmonic 

Lulu: Suite 
Judith Blegen 

Der Wein 
Jessye Norman 


LP: 株式会社CBSソニー 
25AC 690 (1979年) 
¥2,500 

 

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帯文: 

「ブレーズの“創造の眼”が読みとったベルクのドラマ展開への構図」 


アルバン・ベルク 
Alban Berg 


SIDE A 

「ルル」組曲
Lulu Suite 
1.1.ロンド――アンダンテと賛歌 
Rondo - Andante & Hymne 
2.2.オスティナート: アレグロ 
Ostinato: Allegro 
3.3.ルルの歌: コモド 
Lied der Lulu: Comodo 
4.4.変奏曲: アンダンテ 
Variationen: Andante 


SIDE B 

「ルル」組曲
Lulu Suite
1.5.アダージョ: ソステヌート―レント―グラーヴェ 
Adagio: Sostenuto - Lento - Grave 

2.「ワイン」(演奏会用アリア) 
Der Wein (1929) 


ジュディス・ブレゲン: ソプラノ (A-3、B-1)
Judith Blegen, Soprano 
ジェシー・ノーマン: ソプラノ (B-2)
Jessye Norman, Soprano 

ニューヨーク・フィルハーモニック 
New York Philharmonic 
ピエール・ブレーズ指揮 
Pierre Boulez, Conductor 

 

録音データ 
「ルル」 1976年3月3日/「ワイン」 1977年1月24日 
ニューヨーク、マンハッタン・センター 

プロデューサー: アンドリュー・カズディン 
エンジニア: バド・グラハム/アーサー・ケンディ/レイ・ムーア 


◆本LP解説(丸山桂介)より◆ 

組曲〈ルル〉がやがて終ろうとするところで、突然のように烈しい女の悲鳴が聴こえる。この組曲の母胎であるオペラ〈ルル〉のヒロイン、ルルの最後を告げる絶叫である。オーケストラが、一瞬深い、まさに死のように深い沈黙に包まれた瞬間であるだけに、このルルの悲鳴は思わずぞっとするほどに烈しく、恐怖を覚えさせる。それにピエール・ブレーズの演奏がまた、異様なほどの不気味さをたたえてルルの悲鳴を際立たせるのだ。」
「ベルクの組曲〈ルル〉の最後で発せられる悲鳴は、表面的には娼婦ルルの死の叫びでしかないであろう。だがその叫びのなかに、ほとんど測り知れないほどの多くのことが含まれているのも確かなのである。人間の生と死、社会の表層をなす市民的幸福な生活とその背後に横たわる頽落した陰の世界、そのような生の様相をもたらした歴史の歪み、そして深淵……。ブレーズの演奏は、そうした多義的なものを一挙に露わにするほどの、怖るべく不気味な響きをたてる。」

「コンサート用アリア〈ワイン〉は1929年に、つまりベルクがオペラ〈ルル〉の作曲に取り組んでいる時期に作曲されている(中略)。曲はシェーンベルクの十二音技法を使って書かれたベルクの(完成されたものとしては)最初の作品である。そのため、〈ルル〉で活用されることになる十二音技法のいわば予習的な意味と、〈ルル〉的な音響像を先取りしている面をあわせもっている。この作品に用いられている詩は、ボードレールの〈酒の歌〉 Le Vin の、シュテファン・ゲオルゲの独訳版からとられて(中略)いる。」


◆本LPについて◆ 

厚紙シングルジャケット。ジャケ裏に解説「ブレーズの〈ルル〉――世紀末の一現象――」(丸山桂介)、インサートに解説(続き)&歌詞対訳(丸山桂介)。

★★★★★ 


Berg - Lulu Suite - V 

 


 

 

 

 

 

 

『シェーンベルク歌曲集Ⅱ』  グレン・グールド/ドナルド・グラム/コーネリス・オプトフ/ヘレン・ヴァニー

シェーンベルク歌曲集Ⅱ』 
シェーンベルク作品集 4 
グレン・グールド/ドナルド・グラム/コーネリス・オプトフ/ヘレン・ヴァニー  
グレン・グールドの世界 23 

Schönberg: 
Lieder vol. 2 

Glenn Gould 


CD: CBS/Sony Records 
シリーズ: グレン・グールドの世界 
28DC 5273 (1989年) 
税込定価¥2,627(税抜価格¥2,550) 

 

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シェーンベルク 
Schönberg 


1. 6つの歌 作品3 12:46 
Six Songs for Voice and Piano, Op. 3 
 1.ゲオルク・フォン・フルンズベルクは如何に自らを歌ったか (「子供の魔法の角笛」より) 
 Wie Georg von Frundberg von sich selber sang 
 2.興奮 (ゴットフリート・ケラー) 
 Die Aufgeregten 
 3.警告 (リヒャルト・デーメル) 
 Warnung 
 4.婚礼のうた (ヤンス・ペーター・ヤコブセン) 
 Hochzeitslied 
 5.練習を積んだ心 (ゴットフリート・ケラー) 
 Geubtes Herz 
 6.自由保有 (ヘルマン・リング) 
 Freihold 
(ドナルド・グラム: バス・バリトン〈第1曲〉) 
Donald Gramm, Bass-baritone 

2. 2つのバラード 作品12 11:48 
Two Ballads for Voice and Piano, Op. 12 
 1.ジェイン・グレイ (ハインリッヒ・アマン) 
 Jane Grey 
 2.決死隊 (ヴィクトル・クレンペラー) 
 Der verlorene Haufen 
(コーネリス・オプトフ: バリトン〈第2曲〉)
Cornelis Opthof 

3.3つの歌 作品48 5:52 
Three Songs for Voice and Piano, Op. 48 
 1.夏のけだるさ (ヤコブ・ハイリンガー) 
 Sommermüd 
 2.死して (ヤコブ・ハイリンガー) 
 Tot 
 3.乙女の歌 (ヤコブ・ハイリンガー) 
 Mädchenlied 

4.2つの歌 作品14 5:32 
Two Songs for Voice and Piano, Op. 14 
 1.私が感謝するのは許されていない (シュテファン・ゲオルゲ) 
 Ich derf nicht dankend 
 2.この冬の日々に (ゲオルク・ヘンケル) 
 In diesen Wintertagen 

5.2つの歌 (遺作) 3:57 
Two Songs for Voice and Piano, Op. Posth 
 1.思い出 
 Gedenken 
 2.海辺にて (ライナー・マリア・リルケ) 
 Am Strande 

6.8つの歌 作品6 20:43 
Eight Songs for Voice and Piano, Op. 6 
 1.夢の生活 (ユリウス・ハート) 
 Traumleben 
 2.すべてのもの (リヒャルト・デーメル) 
 Alles 
 3.娘の歌 (パウル・レーマー) 
 Mädchenlied 
 4.見捨てられた (ヘルマン・コンラーディ) 
 Verlassen 
 5.ガーゼル (ゴットフリート・ケラー) 
 Ghasel 
 6.路傍にて (ジョン・ヘンリー・マッケイ) 
 Am Wegrand 
 7.誘惑 (クルト・アラム) 
 Lockung 
 8.さすらい人 (フリードリッヒ・ニーチェ) 
 Der Wanderer 

(ヘレン・ヴァニー: メゾ・ソプラノ)
Helen Vanni, Mezzo-Soprano 
グレン・グールド(ピアノ) 
Glenn Gould, Piano 

録音: 
[1] ’64年1/5、’65年1/5 NYC 
[2] ’68年4/10、71年5/3 Toronto  
[3] ’72年9/15 
[4] ’68年4/9 
[5] ’68年4/9、10 
[6] ’68年2/27~29 NYC 
Producers: Andrew Kazdin, Thomas Frost 

「一部ノイズ等はオリジナル・マスター・テープに存在するため、ご了承ください。(又、グールド自身の歌い声も一部ございます。)」


◆本CD解説(石田一志)より◆ 

「中声とピアノのための〈6つの歌曲〉 作品3」
「作品1、2と共に、1904年ベルリンのドライ・リーリエン社から出版された初期の一連の歌曲集のひとつ。作曲期間は1899年から1903年11月にわたっており、デーメルの詞による第3曲〈Warnung 警告〉とヤコブセンの詞による第4曲〈Hochzeits lied 婚礼の歌〉は、それぞれ〈浄夜〉op.4(1899年)と〈グレの歌〉(1900~1911)の準備期に作曲されている。いうまでもなく前者はデーメルの詩に基づく標題楽であり、後者はヤコブセンの物語詩をテキストにしている。」

「声とピアノのための〈2つのバラード〉 作品12」
「ベルリンの雑誌〈Woche 週〉の募集した最優秀バラード賞に応募するため、1907年3月から4月にかけて作曲された作品。残念ながら入賞は果せなかった。」

「低声とピアノのための〈3つの歌曲〉 作品48」 
「ベルリン時代の最後の作品でまた独唱歌曲としても最後の作品である。第1曲が1933年1月14~15日、第2曲が同2月17~18日、第3曲が同2月18~23日の作曲。同5月17日、シェーンベルクはベルリンを去り、パリを経由してアメリカへと亡命する。いずれも、12音技法で書かれているが、繊細で表情に富む旋律ときわめて透明な伴奏が特徴で、そのリリシズムは初期の歌曲を思わせる。」

「声とピアノのための〈2つの歌曲〉 作品14」 
「1908年3月に着手し翌年7月グムンデンで完成した第2弦楽四重奏曲作品10で、シェーンベルクは第1期の調性語法の時代から第2期の自由な無調時代へと突入する。1908年2月にその第1曲が作曲された作品14は、第1期から第2期への過渡期に位置すると云えよう。」

「声とピアノのための〈2つの歌曲〉 遺作」 
「1962年になって(中略)発見された歌曲。第2曲の〈Am Strande 海辺にて〉の自筆譜には1909年2月8日の日付けが記入されており、作曲者自身が鉛筆で「作品14と同時期に、ゲオルゲ歌曲作品15以前に書かれた」とメモしているとのことである。(中略)作詞者名も作曲年月も不明な第1曲〈Gedanken 思い出〉が、様式の上では作品14と同期、作品15以前というところと想像される。」

「声とピアノのための〈8つの歌曲〉 作品6」 
「第1曲と第4曲が1903年12月18、19の両日に書かれているが、他は1904年から5年にかけて作品8の歌曲と並行して作曲されている。語法上は典型的な「拡大された調性」で、事実シェーンベルク自身、後に著した理論書の「和声の構造的機能」のなかで、浮遊性和声の実例として、この曲集の第8曲〈Lockung 誘惑〉を挙げて分析している程である。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全20頁)にトラックリスト(日本語表記)、解説(石田一志/25AC2015レコード解説より転載)、歌詞対訳(石田一志)、「クラシックCDクラブ会員募集」。

★★★★★ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シェーンベルク歌曲集Ⅰ』  グレン・グールド/ドナルド・グラム/エレン・フォール/ヘレン・ヴァニー

シェーンベルク歌曲集Ⅰ』 
シェーンベルク作品集 3 
グレン・グールド/ドナルド・グラム/エレン・フォール/ヘレン・ヴァニー  
グレン・グールドの世界 22 

Schönberg: 
Lieder vol. 1 

Glenn Gould 
Donald Gramm
Ellen Faull 
Helen Vanni 


CD: CBS/Sony Records 
シリーズ: グレン・グールドの世界 
28DC 5272 (1989年) 
税込定価¥2,627(税抜価格¥2,550) 

 

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帯文: 

「グールドが伴奏したシェーンベルクの貴重な歌曲集。」


シェーンベルク 
Schönberg 


2つの歌 作品1 
Zwei Gesänge, Op. 1 
1.1 5:55 
2.2 8:45 
(ドナルド・グラム: バス・バリトン) 
Donald Gramm, Bass-baritone 

歌曲集 作品2 
Vier Lieder, Op. 2 
3.Ⅰ 4:13 
4.Ⅱ 3:44 
5.Ⅲ 1:09 
6.Ⅳ 2:49 
(エレン・フォール: ソプラノ) 
Ellen Faull, Soprano 

歌曲集「架空庭園の書」 作品15 
Das Buch der hängenden Gärten, Op. 15 
7.第1曲 2:37 
8.第2曲 1:20 
9.第3曲 1:43 
10.第4曲 1:28 
11.第5曲 1:13 
12.第6曲 0:59 
13.第7曲 1:09 
14.第8曲 0:58 
15.第9曲 1:24 
16.第10曲 2:17 
17.第11曲 3:24 
18.第12曲 2:00 
19.第13曲 1:34 
20.第14曲 0:40  
21.第15曲 6:04 
(ヘレン・ヴァニー: メゾ・ソプラノ)
Helen Vanni, Mezzo-Soprano 

グレン・グールド(ピアノ) 
Glenn Gould, Piano 

録音: 
[1][2] ’65年1/5 
[3]~[6] ’64年6/11 
[7]~[21] ’65年6/10、11 
NYC 

「一部ノイズ等はオリジナル・マスター・テープに存在するため、ご了承ください。」


◆本CD解説(船山隆)より◆ 

バリトンとピアノのための2つの歌曲 作品1」
シェーンベルクの作品番号1の《2つの歌曲》は、1897年にウィーンで作曲され、1903年にベルリンのドライリリーエン社から作品2の《4曲の歌曲》とともに出版された。」
「第1曲《感謝》、第2曲《別離》のテキストは、当時はなやかな活動を開始したばかりの詩人カルル・フォン・レーヴェツォ(1871~1945)によっている。レーヴェツォは、1901年からシェーンベルクが働くことになるベルリンの文芸キャバレー〈ユーバーブレットル〉の指導者の1人で、ヴォルツォーゲン、デーメル、ヴェーデキント、ビアバウムらとともに、フランスの象徴主義の影響を受けながら新しい文芸運動を展開していた。」

「声とピアノのための歌曲集 作品2」 
「作品2の《4曲の歌曲》は、作品1の2年後の1899年に作曲され、作品1とともにアレキサンダー・フォン・ツェムリンスキーに献呈された。第1曲《期待》(リヒャルト・デーメル)、第2曲《おまえの金のくしを私にもおくれ―イエスの物乞い―》(デーメル)、第3曲《高揚》(デーメル)、第4曲《森の太陽》(ヨハネス・シュラーフ)の4曲からなり、第1曲と第4曲の自筆譜には、1899年8月9日、1899年11月16日という日付が記入されている。シェーンベルクはこの《4曲の歌曲》を作曲した直後から、同じくデーメルの詩を題材にした弦楽六重奏曲の作曲にとりくみ、1899年12月1日、出世作の《浄められた夜》を完成するのである。」
「《4曲の歌曲》の各曲は、後期ロマン派の音楽語法の伝統に根ざしながらも、豊かな半音階法、生き生きとした内声の対位法、つぎつぎに変化していく発展的変奏の技法など、シェーンベルク独自の音楽様式を明確にうちだしている。」

「歌曲集《架空庭園の書》 作品15」
「作品15の《架空庭園の書》は、(中略)1908年から1909年にかけて作曲され(中略)、1910年1月14日、ウィーンで開かれた〈シェーンベルクの夕べ〉で(中略)初演された。」
シェーンベルクの〈無調〉と〈表現主義〉という新しい音楽様式は、4度和音、発展的変奏の技法を効果的に用いて、従来のロマン主義とはまったく異なる音楽の世界を出現させることになった。こうした新しいスタイルの確立にあたって、シェーンベルクが、シュテファン・ゲオルゲの詩を用いたことは注目に価する。シェーンベルクは、この《架空庭園の書》以外にもこの時期にゲオルゲの詩をとりあげ、作品10の《弦楽四重奏曲第2番》(1908年)の第3楽章・第4楽章と作品14の《2つの歌曲》(1908年)でテキストとして用い、さらに1曲の作曲年代不明の未完の歌曲を残している。ゲオルゲの詩の厳格な構成による硬質な言葉の世界が、〈無調〉と〈表現主義〉のスタイルの確立のために不可欠の要素であったと考えることができるだろう。」
ゲオルゲの第1詩集《牧歌と讃歌・伝説と歌謡・架空庭園の書》は、1890年から1892年にかけて書かれた作品で、ニーチェの権力意志、ロマン的貴族主義、ボードレールの人工楽園の影響のもとに書きあげられた。この詩集で歌われる〈架空庭園〉とは、バビロニアの女王セミラミスが築いたといわれる伝説的な階段式の庭園で、この作品では、中近東風ないしアラビア風の雰囲気が全体を支配し、その官能的な雰囲気を基盤として、出口のない閉ざされた架空の庭園のなかで、満たされない甘美な愛と生滅への憧憬が歌われる。」
「《架空庭園の書》は、次のような15曲からなっている。(なおタイトルの翻訳は、(中略)川村二郎訳によった。)」
「第1曲 こんもりと茂った木の葉の守りのもと」
「第2曲 この楽園の木立をへめぐれば」
「第3曲 わたしはあなたの園の新参者」
「第4曲 唇がひたと動かずに燃えている」 
「第5曲 いっておくれ どの道の上を」 
「第6曲 これから後は どんな仕事もわたしにはかなわない」 
「第7曲 不安と希望がこもごもにわたしを押しひしぎ」 
「第8曲 今日もしあなたのからだに触れなければ」 
「第9曲 幸福はきびしく脆(もろ)い わたしたちにとって」
「第10曲 待ちこがれながらわたしは 美しい花壇をながめる」 
「第11曲 花に飾られた門のかなたに」 
「第12曲 深い褥(しとね)にうもれたきよらかな憩い」 
「第13曲 岸辺の銀楊(やなぎ)に あなたは身をもたせかけ」 
「第14曲 口にするのはおよし」 
「第15曲 夕べの小暗い亭(ちん)を 明るい御堂(みどう)を」」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全20頁)にトラックリスト(日本語表記)、曲目解説(船山隆/25AC2014レコード解説より転載)、歌詞対訳(深田甫)、「クラシックCDクラブ会員募集」。

★★★★★ 


Das Buch der hangenden Garten, Op. 15 



 

 

 

 

 

 

 

『シェーンベルク: ピアノ協奏曲ほか』 グレン・グールド/ロバート・クラフト指揮 CBC交響楽団

シェーンベルク: ピアノ協奏曲ほか』 
シェーンベルク作品集 2 
グレン・グールドロバート・クラフト指揮 CBC交響楽団
グレン・グールドの世界 21 

Schönberg: 
Piano Concerto 
Fantasy 
Ode to Napoleon Buonaparte 

Glenn Gould
The BBC Symphony Orchstera 
Robert Craft 
Israel Baker 
The Juilliard Quartet 
John Horton 


CD: CBS/Sony Records 
シリーズ: グレン・グールドの世界 
28DC 5271 (1989年) 
税込定価¥2,627(税抜価格¥2,550) 

 

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シェーンベルク 
Schönberg 


1.ピアノ協奏曲 作品42 19:39 
Concerto for Piano and Orchestra, Op. 42 
(ロバード・クラフト指揮/CBC交響楽団) 
Glenn Gould, Piano 
The CBC Symphony Orchestra 
Robert Craft, Conductor 

2.ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 作品47 8:36 
Fantasy for Violin and Piano, OP. 47 
イスラエル・ベイカー: ヴァイオリン) 
Israel Baker, Violin 
Glenn Gould, Piano 

3.ナポレオン・ボナパルトに寄せる頌歌 作品41 15:46 
バイロンの詩による〉 
Ode to Napoleon Buonaparte, Op. 41 
(Poem by Lord Byron) 
(ジョン・ホートン: 語り/ジュリアード弦楽四重奏団
The Juilliard Quartet 
Glenn Gould, Piano 
John Horton, Speaker 


グレン・グールド(ピアノ) 
Glenn Gould, Piano 

録音
[1]’61年1/21 Toronto 
[2]’64年7/10 
[3]’65年2/3、4 NYC 

「アナログ録音のため一部、テープ・ヒス、ノイズが有りますが御了承下さい。」


◆本CD解説(船山隆)より◆ 

「ピアノ協奏曲 作品42」
「この作品は、1942年7月5日にスケッチが開始され、同年12月30日に完成された。」
「このスケッチには次のような言葉が書き記されている。
 《穏やかな人生に、
 突然憎しみがわき起り、
 (モルトアレグロ♪=72) 
 暗い状況が作りだされるが、(アダージョ)しかし人生はなにもなく過ぎていく。(ロンド)》」

「ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 作品47」
「《ヴァイオリンのためのファンタジー、ピアノ伴奏つき》という原タイトルのこの作品は、1949年の春かなり短い期間に一気に書きあげられた。ロスアンジェルスに住む友人の委嘱によって書きはじめられ、3月3日から28日の3週間にも満たない短期間に完成されている。」
シェーンベルクは、ナチに追われてアメリカに渡った翌1934年からロスアンジェルスに住んでおり、美しい風景とヨーロッパ風の気候にめぐまれたこのカリフォルニアの都市は、シェーンベルクのいわば第二の故郷であった。」
シェーンベルク晩年の書斎は、有名な写真があり広く知られているが、ピアノとハルモニウムがならんで置かれ、書架には多くの楽譜がならべられている。その作曲部屋は、一見雑然としているようだが実に合理的に配置され、シェーンベルクの音楽そのものを思わせるものがある。」

ナポレオン・ボナパルトに寄せる頌歌 作品41」
弦楽四重奏とピアノと語り手のためのこの作品は、1942年にアメリカのロスアンジェルスで作曲された。草稿には、1942年3月12日作曲開始、1942年6月12日作曲完成とあるから、3ヶ月ほどの短期間で書きあげられたことになる。」
「テキストは、イギリスのロマン派の詩人G.G.バイロン(1788-1824)。(中略)フランス革命のあと、自由・平等・博愛の思想をひっさげてさっそうと登場したナポレオンは、このロマン派の詩人の目には理想的な政治家と映る。しかし勝者ナポレオンはしだいに独裁者の姿を現わす。このバイロンの《頌歌》は、そうした独裁者ナポレオンに対する激しい告発であり非難の歌であるのだ。」
シェーンベルクは、100年以上も前に書かれたバイロンの頌歌のなかに、20世紀中葉のヨーロッパの政治的危機をみているのである。つまりナポレオンの姿は、独裁者ヒットラーに他ならず、シェーンベルクはこの作品で、独裁者ヒットラーファシズムを激しく告発しその破滅を予言している。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全20頁)にトラックリスト(日本語表記)、曲目解説(船山隆/25AC2013レコード解説より転載)、歌詞対訳(鍵谷幸信・西美子)――バイロンナポレオン・ボナパルトへの頌歌(オード)。

★★★★★ 


Ode to Napoleon Buonaparte, Op. 41



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シェーンベルク: ピアノ曲集』  グレン・グールド

シェーンベルクピアノ曲集』 
シェーンベルク作品集 1 
グレン・グールド 
グレン・グールドの世界 20 

Arnold Schönberg: Music for Solo Piano 
Glenn Gould

 

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CD: CBS/Sony Records 
シリーズ: グレン・グールドの世界 
28DC 5270 (1989年) 
税込定価¥2,627 


帯文: 

「現在考え得るシェーンベルクピアノ曲最高の演奏。」


シェーンベルク 
Schönberg 


ピアノ曲集 

1.5つのピアノ曲 作品23 14:50 
Fünf Klavierstücke, Op. 23 
2.6つのピアノ曲 作品19 5:30 
Sechs kleine Klavierstücke, Op. 19 
3.ピアノ組曲 作品25 17:40 
Suite für Klavier, Op. 25 
4.ピアノ曲 作品33a/33b 7:07 
Klavierstück, Op. 33a 
Klavierstück, Op. 33b 


グレン・グールド(ピアノ) 
Glenn Gould, Piano 

録音
[1]’65年9/28、29&11/16、18 
[2]’64年6/29、’65年9/29 
[3]’64年1/2、9 
[4]’65年11/16、18
NYC 

「一部ノイズ等はオリジナル・マスター・テープに存在するため、ご了承下さい。(又、グールド自身の歌い声も一部ございます。)」


◆本CD解説(石田一志)より◆ 

「5つのピアノ曲 作品23」
「自由な無調から12音音楽へという探求の模索の過程の作品。最後の「ワルツ」と題された作品は、12音技法がほとんど完全に適用されているが、他はもう少しルーズな音列作法をとっている。全5曲は1923年に(中略)出版されている。シェーンベルク自身の記入による作曲年月日は3曲に限られ、第1曲が1920年7月9日、第2曲が翌年7月29日、第4曲が1923年2月13日とされている。」

「6つのピアノ曲 作品19」 
「はじめの5曲は、(中略)1911年2月19日の完成とされている。最後の1曲は、グスタフ・マーラーの葬儀から帰宅してすぐスケッチされたといわれており6月17日の完成の日附をもっている。」

「ピアノ組曲 作品25」 
1921年から23年にかけての作品で、(中略)この曲集では全6楽章がただひとつの12音音列に基づいて作曲されている。全6楽章は、プレリュード、ガヴォット、ミュゼット、インテルメッツォ、メヌエットジーグ、といった古典のパルティータのような形にならんでいる。」

ピアノ曲 作品33a/33b」
「同じ作品番号でまとめられているが、aは1928年12月25日に書きはじめられ短期間で完成されたもの。bは31年10月8日に着手され、2日後の10日に書きあげられたもので、作曲年に隔りもあり、音列や構成法においてもなんらつながりはない独立した作品である。」
「この57歳の年に書いた作品32のbがシェーンベルクのピアノ独奏のための最後の作品である。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全8頁)にトラックリスト(日本語表記)、解説「グールドのシェーンベルクピアノ曲」(石田一志/25AC2012レコード解説より転載)、「クラシックCDクラブ会員募集」。

グールドのシェーンベルクはその場で即興演奏しているような自然さがあってよいです。

★★★★★ 


Five Piano Pieces, Op. 23


Glenn Gould - Schoenberg, Suite for Piano op. 25 (OFFICIAL)



 

 

 

 

 

 

 

『Shoenberg String Quartets Nos. 1-4』  The Kolisch Quartet [1936-37] 

『Shoenberg String Quartets Nos. 1-4』 
The Kolisch Quartet [1936-37] 


CD: archiphon 
ARC-103/4 (1992) [2CD]
Made in Germany 

 

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Arnold Schoenberg: The Four String Quartets 


Compact Disc 1 [72:16] 

String Quartet No. 1 in D minor op. 7 [43:48] 
(rec. December 29, 1936) 
1. Nicht zu rasch [6:41] 
2. Viel langsamer (bar 213) [4:46] 
3. Kräftig (nicht zu rasch) (bar 399) [10:48] 
4. Mäßig; langsame Viertel (bar 952) [21:33] 

String Quartet No. 2 in F sharp minor, op. 10 [28:05] 
(rec. December 31, 1936) 
5. I. Mäßig (Moderato) [6:12] 
6. II. Sehr rasch [6:03] 
7. III. Litanei. Langsam [5:17] 
8. IV. Entrückung. Sehr langsam [10:33] 
Clemence Gifford, soprano 


Compact Disc 2 [68:10] 

String Quartet No. 3, op. 30 [30:53] 
(rec. December 30, 1936) 
1. I. Moderato [8:04] 
2. II. Adagio [9:42] 
3. III. Intermezzo. Allegro moderato [6:43] 
4. IV. Rondo. Molto moderato [6:04] 

String Quartet No. 4, op. 37 [32:45] 
(rec. January 8, 1937) 
5. I. Allegro molto. Energico [8:06] 
6. II. Comodo [7:53] 
7. III. Largo [9:04] 
8. IV. Allegro [7:32] 

Spoken Commentaries: 
9. Arnold Schoenberg and the members of the Kolisch Quartet at the conclusion of String Quartet No. 1 [2:18] 
10. Arnold Schoenberg at the conclusion of the first movement of String Quartet No. 2 [0:53] 
11. Arnold Schoenberg at the conclusion of String Quartet No. 3 [0:54] 


Kolisch Quartet 
Rudolf Kolisch, 1st violin 
Felix Khuner, 2nd violin 
Eugene Lehner, viola 
Benar Heifetz, violoncello 

Recorded at the United Artists Music Recording Studio - Stage 7 -, Hollywood 
Producer: Alfred Newman 
Sound Engineer: Frank Maher 

Producer: Werner Unger 
Layout: Adrian Cornford 
Sonic Restoration: Richard C. Burns 


◆本CDについて◆

コーリッシュ弦楽四重奏団によるシェーンベルク弦楽四重奏曲全4曲の歴史的録音。シェーンベルク自身の監修による「私的」なレコーディングで、プロデューサーのアルフレッド・ニューマンによると25セットがプレスされてジョージ・ガーシュインを含む友人知己に原価(当時の値段で70ドル)で頒布されたようです。シェーンベルクの日記によると録音日は第1番が1936年12月29日、第3番が12月30日、第2番が12月31日、第4番が1937年1月8日。ディスク2にはシェーンベルクの肉声コメントも収録されています。

ブックレット(全28頁)にトラックリスト&クレジット、「Schoenberg's notes for the original 78 records」(シェーンベルク自身による楽曲解説/英文)、弦楽四重奏曲第二番で歌われているシュテファン・ゲオルゲの詩「Litanei」「Entrückung」の原文と英訳、「Über Arnold Schönbergs Streichquartette/On Arnold Schoenberg's String Quartets」(Rudolf Stephan/独文・英訳)、「A history of the first complete recording of the Schoenberg String Quartets(including transcript of spoken commentaries from the original discs by Schoenberg and the members of the Kolisch Quartet)」(Fred Steiner/英文)、「Persönliche Stellungnahme Eugene Lehners zu den vorliegenden Aufnahmen/Personal statement by Eugene Lehner on the 1936/37 recordings(1991)」(独文・英訳)、「Rudolf Kolisch(1896-1978)」(Rudolf Stephan/独文・英訳)、写真図版(モノクロ)4点。

★★★★★ 

 

String quartet no. 2 (Gifford/Kolisch Quartet/1936 + Schoenberg’s commentary)