幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『幻影綺譚マハーバーラタ/バリ島影絵芝居〝ワヤン・クリ〟の至芸』

『幻影綺譚マハーバーラタ/バリ島影絵芝居〝ワヤン・クリ〟の至芸』
MUSIC OF THE WAYANG KULIT
A Shadow Play from the Mahabharata
JVCワールド・サウンズ


CD: ビクター音楽産業株式会社 
VICG-5028 (1990年)
定価2,500円(税抜価格2,427円)

 

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1. プロローグ Prologue 7:25
2.前奏曲 Prelude 2:05
3.マハーバーラタ シーン 1 Mahabharata Scene 1 9:03
4.マハーバーラタ シーン 2 Mahabharata Scene 2 6:51
5.マハーバーラタ シーン 3 Mahabharata Scene 3 7:11
6.マハーバーラタ シーン 4 Mahabharata Scene 4 7:01
7.マハーバーラタ シーン 5 Mahabharata Scene 5 8:37
8.マハーバーラタ シーン 6 Mahabharata Scene 6 14:14
9.マハーバーラタ シーン 7 Mahabharata Scene 7 9:32
10.後奏曲 Epilogue 0:46


演奏: トゥガララン村のワヤン一座
The Tegallalang Village Wayang Group
ダラン(大夫): イ・ワヤン・ドゥルス
Dalang; I Wayang Deres

1987年6月 インドネシア共和国バリ州ウブド村オカ・カルティニにて録音
Date of recording: June 1987
Place of recording: Ubud Village, Bali

※バリ島の自然の中で収録している為、45分30秒付近から“雨の音”が入ります。ノイズではありませんので御了承下さい。


企画・構成: 山城祥二
録音・解説・写真: 大橋力
写真: 大橋力、河合徳枝
制作ディレクター: 藤本草
録音エンジニア: 伊藤俊之
ジャケット・デザイン: 田中一光
ジャケット編集: 由井幸男


◆本CD解説(大橋力)より◆

「「ワヤン」(Wayang)は「影」、「クリ」(Kulit)は皮…「ワヤン・クリ」はその名が示すとおり、水牛の皮細工の人形を操る影絵人形芝居のことです。白い幕(クリル)に数多くの人形の影を写し、たった一人のダラン(人形使い)がガムラン音楽の演奏を背にして物語を展開するバリ島のワヤン・クリは、おそるべき魅力の凝縮物です。(中略)しかし、ワヤン・クリのマジカル・パワーの源泉は、人形よりもむしろ劇音楽「グンデル・ワヤン」の絢爛夢幻の響きに負うところがもっと大きいと言えましょう。」
「私は、この究極の響きを何とかして紹介したいと考えて、(中略)ようやく自信をもってお聴きいただける録音を採ることができました。それは、私がバリ島を訪ずれる際、常宿にしている“オカ・カルティニ”のご主人ラカ氏の協力によって達成されたものです。現地で今、全盛期にあるダランのイ・ワヤン・ドゥルス(I・Wayan・Deres)氏の一座を招き、一枚のCDに入る最適時間に合わせてあらかじめ綿密に構成された“マハーバーラタ”の物語を演じてもらい、その全編を完全に収録したのです。」

「祭りの日の夕方、人々は仕事を片づけ、水浴を終えて、小ざっぱりとした姿で三々五々、ランプの光る夜店をのぞきながら寺院の門をくぐっていきます。お供え物が山と積まれ、香のたきしめてある境内で、祈り、ガムランを聴き、トペン(仮面の踊り)を楽しむのです。そして、祭りのしめくくりには老若男女・身分の高低を問わず集ってきて、飽きることなく夜通しワヤン・クリに見入ります。(中略)このようにワヤン・クリが土地の行事と深くかかわるのは、目に見えぬ悪霊を払ってもらうという魔除けの効果があると信じられているからです。
 ワヤン・クリは、夜遅くに始まり明け方に終るという設定のため、人々は、見たい時に出かけ、疲れると家でくつろいでからまた続きを見にいったりします。」

「―今回のワヤンのあらすじ―
カチャカ王の国は今、非常に荒れていた。怪物の親だまであるタバカが毎日、市民をひとりずつ食べていくのだ。
そこでパーンドゥの5人の王子達(ユディシュティラ、ビーマ、アルジュナ、ナクラ、サハーデゥア)が市民を助けにやってきた。
このうち5番目のリマ(バリ島で5男のこと)は特に賢く、勇気があった。
カチャカ王がいけにえをおとりにして、怪物をおびきだした。
まず、リマが剣を持ってとびかかり、激しく戦った。
そこへ4人の兄弟も応戦にかけつけたが、最後には、リマと怪物タバカの一騎討ちとなり、ついに怪物はリマによって殺されたのだった。」


◆本CDについて&感想◆

ブックレットに日本語および英語解説、写真図版(モノクロ)3点、図「ワヤン・クリの空間設定」1点。
元は「CD エスニック・サウンド・シリーズ 14」(VDP-1293、1987年)としてリリースされたものが「JVCワールド・サウンド」に編入されました。

「グンデル・ワヤン」を聴くつもりが、「ダラン」の語りに聞き入ってしまいました。もちろん何をいっているのかはわからないですが、たいへん懐かしい感じがしました。そういえば子どもの頃は大人がしゃべっていることの大半は何をいっているのかわからなかったものです。もっとも私などは今でも大人の会話は半分以上何をいっているのかわからないです。

★★★☆☆

 

 Mahabharata Scene 6

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