『Il Solazzo : music for a medieval banquet』
The Newberry Consort/Mary Springfels
CD: Harmonia Mundi France
HMU 907038 (1993)
Made in Germany
Il Solazzo
music for a medieval banquet
1. La Badessa (JM; vielle, lute, citole & DM) [Anon./Simone Prudenzani] 3:58
2. Bel fiore danza (lute & citole) [Anon., Codex Faenza] 2:14
3. Nova stella (DM; citole) [Anon., Codex Cortona] 5:23
4. Cominciamento di gioia (vielles & lute) [Anon.] 6:27
5. Non al suo amante (JM; lute [KM]) [Jacopo da Bologna] 2:55
6. Trotto (lute & citole) [Anon.] 1:28
7. Dolcie signiore (JM, DM) [Francesco Landini] 3:05
8. Donna, s'i' t'ò fallito (JM, DM) [Landini] 3:26
9. Principio di virtu (rebec, vielle & lute) [Anon.] 6:10
10. O rosa bella (DM; vielles) [Johannes Ciconia] 6:19
11. Rosetta (vielles) [Antonio Zacara da Teramo] 4:11
12. La bionda trezza (JM, DM) [Landini] 2:25
13. El gran disio (DM; lutes) [Landini] 2:54
14. Un fior gentil (lute & vielles) [Zacara] 2:38
15. Alba columba (JM, DM) [Bartolino da Padova] 3:16
16. Ligiadra donna (vielles) [Ciconia] 3:58
61:37
The Newberry Consort
David Douglass: vielle and rebec
Judith Malafronte: mezzo-soprano
Kevin Mason: lute
Drew Minter: countertenor
Mary Springfels: citole, lute, and vielle
Recording: September 14-16, 1990, Skywalker Sound, a division of LucasArts Entertainment, Nicasio, CA
Executive Producer: Robina G. Young
Producer: Paul F. Witt
Engineer: Tony Faulkner
Editing: Paul F. Witt
Cover: Renaud de Montauban, Mariage de Renaud et Clarisse by Loyset Liedet (15th century) (Bibliothèque Arsenal, Paris)
◆本CD解説（Mary Springfels）より（大意）◆
14世紀の末、トスカーナの詩人シモーネ・プルデンツァーニ（Simone Prudenzani）は、「Il Solazzo（慰め）」と「Il Saporetto（美食）」という、二つの相互に関連した寓意的な作品を創作した。プルデンツァーニはボッカッチョやチョーサーのような大詩人ではないが、その時代の文化、ことに食べ物と音楽に関する愉しい話題を提供してくれている。
「Il Solazzo」は18篇からなるバッラータ（踊りのための歌）集であり、罪や悪徳を物語っている。「Il Saporetto」は186篇のソネット群で、4つの「世界」に分かれていて、それぞれが人間の霊的成長の段階の考究であり、無邪気な感覚的段階から生真面目な禁欲の段階への「人間の4つの時代」で、第1部は「Mundus Placitus」つまり「快楽の世界」で、驚くべく詳細なクリスマス・パーティの描写である。ピエルバルド（Pierbaldo）という金持ちがブォンゴヴェルノ（Buongoverno、善政）という城に住んでいて、親友のブォナーレ（Buonare、善霊）とソネットを共作する。ソネットを作ることは慰めであるが、当時はそれは気晴らしであるとともに自己実現をも意味した。「ソラッツォ（Solazzo）」はまたブォナーレの息子の名でもあり、彼は物語作者で歌手で超人的な楽器演奏の達人でもあった。ここにプルデンツァーニの奇想がうかがえるのだが、「Solazzo」は同時に本のタイトルでもあり心の状態でもあり一人の芸術家の名前でもあるのだ。ソラッツォはピエルバルドによってブォンゴヴェルノ城に招待され、7日間滞在し、他の客たちに物語や歌や踊りを提供する。山のような料理の愉しい描写があって、食後にソラッツォが娯楽を提供するのだが、ソラッツォと伴奏者たちが70曲近くの音楽を奏でる、その一曲一曲のタイトルと（場合によっては）作曲家名をプルデンツァーニは逐一リストアップしていく。そのうちの半分は1300年代のポリフォニー曲の集成に収められて現存していて、著名なところではフランチェスコ・ランディーニ、ヤコポ・ダ・ボローニャ、ザッカーラ・ダ・テーラモ、そしてヨハンネス・チコーニアによる、マドリガルとバッラーテ、である。
このレコーディングの曲目はおおむねプルデンツァーニのリストによっている。
◆本CDについて◆
ブックレット（全36頁）に Mary Springfels による解説（英語原文、仏・独訳併載）、歌詞（イタリア語原文、英・仏・独対訳）。
「イル・ソラッツォ――中世の饗宴のための音楽」。アメリカの古楽アンサンブル「ニューベリー・コンソート」による、14世紀イタリアのいわゆる「アルス・ノヴァ」音楽集です。
★★★★☆
La Badessa - Ballata
O rosa bella
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