『豊漁の祭儀/東海岸別神クッ』
Korea/Shamanistic Ceremonies of the Eastern Seaboard
金石出(キム・ソクチュル)と東海岸巫俗
Kim Suk Chul Ensemble
JVC ワールド・サウンズ[韓国]
CD: ビクター音楽産業株式会社
VICG-5261 (1993年)
¥2,500(税込)(税抜価格¥2,427)
帯文:
「神と人とを仲介し、声と器楽で人々の意識と霊魂を解き放つ巫俗(シャーマン)。
豊漁のための祭儀「別神クッ」において、不世出の天才・金石出(キム・ソクチュル)が繰り広げる、世界に類を見ないポリリズミックな音楽世界を現地デジタル収録。」
1.門クッ四物(ムンクッサムル) 古曲 30:09
Mun Kut Samul
2.胡笛散調(ホジョクサンヂョウ) 古曲 14:18
Hojok Sanjo
3.世尊(セジョン)クッ 古曲 26:23
Sejong Kut
金石出(キム・ソクチュル): 胡笛(ホジョク)(#1, 2)、杖鼓(チャング)(#3)
Kim Suk Chul: Hojok, Changgo
金有善(キム・ウソン): 巫歌(#3)
Kim Yu Sun: Voice
金用澤(キム・ヨンテク): 杖鼓(#1, 2)、銅鼓(ケンガリ)(#3)
Kim Yong Taek: Changgo, Kengari
諸葛泰伍(チェーカル・デーオ): 銅〓(漢字:金+友)(ジェグム)(#1)
Che Kar Dae O: Bara
金東烈(キム・トンヨル): 銅鑼(チン)(#1, 3)
Kim Tong Yol: Ching
金正煕(キム・ジョンヒ): 銅鼓(#1, 3)
Kim Jong Hi: Kengari
金正国(キム・ジョングク): 銅鼓(#1)、銅〓(漢字:金+友)(#3)
Kim Jong Guk: Kengari, Bara
企画・プロデュース: 孫娥善、清水一郎
写真: 清水一郎
解説: 李輔亨(韓国文化財専門委員)、孫娥善、湯浅学
韓文和訳: 許龍進
制作ディレクター: 藤本草
録音エンジニア: 植月隆
編集エンジニア: 今泉徳人
ジャケット・デザイン: 田中一光
ジャケット編集: 由井幸男
1991年12月5日 韓国釜山市、太徳守にてデジタル録音
◆本CD解説(李輔亨)より◆
「韓国の東海岸クッで歌舞で儀式を行う司祭者を「ムーダン」と呼び、ムーダンの歌舞に楽器で伴奏する楽士を「ヤンジュン」という。」
「東海岸別神クッで、ムーダンはクッの手順によっていくつかの小さなクッ儀式を行う。この小さなクッは村によって数は違うが、少なくとも10、多くても30の小さなクッで構成される。重要なクッを選んでみると、守護神を迎え入れる場面である「城隍モショオギ」、城隍をクッの場所に迎える場面である「門クッ」、城隍に村の繁栄を祈願する場面である「城隍クッ」、世尊神に村の安寧と繁栄を祈る場面である「世尊クッ」、家庭神に家庭の繁栄を祈願する場面である「城主クッ」、神を送る場面である「ペンノレ、コンノレ、燈ノレ」、雑神を慰労し送る場面である「コリクッ」などを挙げることができる。
この音盤には東海岸別神クッの「門クッ」で演奏される「門クッ四物」と東海岸豊漁祭の楽士が演奏する「胡笛散調」、東海岸別神クッの「世尊クッ」を入れた。
「門クッ四物」は、別神クッの門クッで演奏する四物を意味する。(中略)四物はケンガリ、チン、チャング、プクという4つの打楽器で演奏する音楽をさすが、「門クッ四物」はムーダンとヤンジュン(楽士)らが神を迎え華麗に群舞するときに演奏する打楽器音楽を指す。非常に刺激的なリズムの音楽がだんだん高調していく。この音盤は舞踊音楽だけではなく、巫歌の伴奏音楽まで多彩に構成されている。」
「胡笛散調」は胡笛という管楽器で演奏する散調を指す。(中略)胡笛で散調を演奏することは非常に難しいため、「胡笛散調」の演奏者がきわめて珍しい。金石出は韓国で胡笛で散調を演奏できる第一人者である。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全16頁)に日本語および英語解説、写真図版(モノクロ)9点、「JVCワールド・サウンズ」CDリスト。
★★★★★
Mun Kut Samul
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