『カスピ海の旋律~アゼルバイジャンの音楽』
Music of Azerbaijan
ワールド・ミュージック・ライブラリー 7
CD: キングレコード株式会社
KICC 5107 (1991年)
税込定価¥2,500(税抜価格¥2,427)
1.バヤティ・シラズ Bayaty-shiraz 7:05
2.ディルケシュ Dilkesh 6:59
3.ドゥギャフ Dugyakh 6:05
4.チャルギャフ Chargyakh 5:21
5.シュル Shur 6:57
6.オルタ・マフル Orta makhur 7:59
7.アゼルバイジャン Azerbaijan 4:45
8.ヘイラティ Kheiraty 4:59
9.妻を見つけて Evlandir 6:13
10.私はあなたの思うまま Sana qurban 5:35
11.結婚式 Toy olsun 6:36
ケマンチャ: アリーエフ・ガビリ・ムストファ・オグリ
kemancha: Aliev Gabil Mustafa Oglyi
タール: クリーエフ・ラミーズ・エユーブ・オグル
tar: Kuliev Ramiz Eiyub Oglyi
歌: ルザーエフ・イスラム・タルティグ・オグリ
voice: Rzaev Islam Taptyig Oglyi
歌: マメードヴァ・ズルムード・モブルード・キジ
voice: Mamedova Zumrud Movlud Kyizi
ガルモーニ: カスーモフ・エチバール・イスマイール・オグリ
garmoni': Kasumov Ekhtibar Ismail Oglyi
パーカッション: アバサレェフ・ミルザリ・アガサレフ・オグリ
percussion: Abasaliev Mirzali Agasalekh Oglyi
Recorded April 14, 1989 at the Aoi Studio, Tokyo
Director: Kyoji Hoshikawa
Engineer: Hatsuro Takanami
Cover Design: 美登英利
Cover Photo: アゼルバイジャン・小バケツ(富浦隆則 撮影・国立民族学博物館蔵)
◆本CD解説(浦本裕子)より◆
「ソ連邦アゼルバイジャン共和国はカフカス(コーカサス)地方南東部に位置し、東側には世界最大の湖カスピ海が広がっている。」
「カフカス地方は、地理的にちょうど橋のようにロシアと西アジアをつないでいる。ここは古くからヨーロッパと西アジアを結ぶ南北の道と、いわゆるシルク・ロードの東西の道という重要な通商路でもあった。アゼルバイジャンは昔からイラン、アラブ、トルコ、モンゴルなどの支配下に置かれるが、その間に土着政権も存続し、商業都市が繁栄し、文化も発達した。ペルシャ文学史上に有名なニザーミーの出身地でもある。」
「アゼルバイジャンの音楽は、西アジアの音楽文化圏に入る。楽器についても同様で、独自のものは持たずに、西アジアに共通するものを用いている。かつてアゼルバイジャンの宮廷ではペルシャ語が話され、ペルシャの音楽が演奏されていた。
このCDでは伝統的な芸術音楽ムガーム mugam を中心に収められている。ムガームはかつてのイスラム宮廷音楽の伝統を引くものである。タール tar やケマンチャ kemancha (カマンチャ kamancha とも呼ばれる)のソロ、あるいはそれらの楽器のアンサンブルで演奏される。歌が入る時には、ハネンデ khanende (歌手)がダャフ dyaf、def (タンバリンのような片面太鼓)奏者を兼ねることが多い。」
「ムガームとはアラブやトルコのマカームと同じもので、旋法の概念のほかにその旋法に基づき、次々と即興によって展開されていく音楽のジャンルをも指している。そしてその使われている旋法の名前が曲名になっている。(中略)器楽のみによるものと、声楽の入るものがある。声楽の入るものはデストギャフ destgyakh と呼ばれ、主にニザーミーらによる古典詩が歌われる。その他に現代詩が歌詞として用いられることもある。」
「1~3はケマンチャの独奏によるムガームである。(中略)4~6はタールのみによるムガームで、他の楽器は加わらない。」
「マメードヴァによって歌われている〈アゼルバイジャン〉はタギーエフ A. Tagiev 作曲による新しい曲であるが、伝統的な語法を生かしている。」
◆本CDについて◆
ブックレットに「解説」(浦本裕子)、歌詞(翻訳:羽田亨一/モハンマドゥ・レザー、ナフィーリー)、英文解説、写真図版(モノクロ)5点、「ワールド・ミュージック・ライブラリー」CDリスト、地図2点。「歌詞」は日本語訳のみで原文は掲載されていません。
★★★★☆
Bayaty-Shiraz
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