『ペルシャの伝統~イランの古典音楽』 ファラマルズ・パイヴァールとアンサンブル

ペルシャの伝統~イランの古典音楽』
A Persian Heritage / Classical Music of Iran
ファラマルズ・パイヴァールとアンサンブル 
Faramarz Payvar & Ensemble
Khatereh Parvaneh, singer
シルクロードに沿って〉その12 


LP: Nonesuch Records/Warner Communications Inc.
Nonesuch Explorer Series (1974)
H-72060
Printed in U.S.A.

発売元: ワーナー・パイオニア株式会社 
G-5112H
U.S.A プレス/日本語解説つき 

 

f:id:nekonomorinekotaro:20210807052645p:plain

 

帯文: 

「☆民族遺産の素晴らしい洗練。伝統と近代の交点に育まれたペルシャ芸術音楽のエッセンス。」


A Persian Heritage
Classical Music of Iran

Side One (22:54)
1. Dastgah Shur 10:21
2. Dastgah Homayoun 7:38 
3. Dastgah Segah 4:45

Side Two (23:02)
1. Zarb solo 4:56
2. Dastgah Chahargah 4:55
3. Dastgah Mahour 13:03

Faramarz Payvar & Ensemble

Faramarz Payvar, santor
Houshang Zarif, tār
Rahmatollah Badi'i, kamāncheh
Mohammad Esmai'li, zarb
Khatereh Parvaneh, singer

Produced by David Lewiston
Engineering: Ben Taylor
Mastering: Robert C. Ludwig (Sterling Sound, Inc.)
Recorded in Ann Arbor, Michigan

Cover art: Iskandar (Alexander the Great) receiving the Khagan of Chin. Miniature from a Persian manuscript (1524-25) of the Khamseh of Nizami, Metropolitan Museum of Art, New York.


◆日本語解説(桂博章)「(4)楽曲解説」より◆ 

「シュール旋法によるサントゥールの独奏 
 サントゥールにより、シュール旋法のダラーマド(最初に演奏される主要なグシェ)が、低い音域で長い時間にわたって静かに即興演奏される。これに続いてザルブが加わることによって曲の雰囲気は一転し、チャハルメズラーブ(拍節的でテンポの速い名人芸的な部分)にはいる。この演奏では、チャハルメズラーブの部分は即興による。サントゥールとザルブによる快活な演奏が長く続いた後に、コーダを3回繰返して終わる。」

「ホユマン旋法によるカマンチェの独奏 
 ダラーマドと他の2つのグシェ、チャカーヴァク(chakāvak)とビダッド(bidad)の3つのグシェがカマンチェによって演奏される。演奏全体を通じて、短いモティーフを繰返すことによってフレーズを長くしたり、音域を変えたり、トリルを使って即興演奏をしており、また、拍子を持たない。」

セガー旋法による声楽曲 
 2つの古いタスニーフ(tasnīf 明確な拍子を持った作曲による声楽曲)が中心となって演奏されている曲である。まず器楽による短かい導入部の後、2つのタスニーフが器楽による間奏をはさんで演奏される。タスニーフの部分では、声楽のフレーズを追いかけるように、あるいは短く変形させて伴奏部が演奏される。最後は6拍子のレング(reng、曲の最後にしばしば演奏される舞踏曲)で終わる。歌詞は密教主義的な性格を持つイスラム教の一宗派であるスーフィ派の詩が用いられている。」

「ザルブの独奏 
 ザルブは普通、声楽、器楽の伴奏楽器として用いられるが、ここではソロで演奏されている。ところどころ、タンバリンも打たれて変化が加えられている。重い感じの音は手のひら全体で、軽い感じの音は指先を使って打たれるもので、様々な伝統的なリズムが名人芸的に示され、この楽器の多芸さに改めて圧倒される思いである。」

「チャハールガー旋法によるタールの独奏
 チャハールガー旋法による2つのグシェ、ダラーマドとザボル(zabol)がタールによって演奏される。ダラーマドの部分は短かく、次のグシェ、ザボルに移る前にチャハルメズラーブが挿入されている。」

「マフール旋法による声楽曲 
 全体に抒情性のあふれた曲である。演奏はまずピシュダラーマド(ダラーマドの前に演奏されるという意味で、20世紀にはいってから新しくつくりだされた形式)で始まる。次にサントゥールが、西洋音楽長音階に非常によく似ているマフール旋法のダラーマドを美しく、流れるように演奏する。そのあと歌い手はグシェ・チャルパレ(charparé)を静かで抒情的に、サントゥールの伴奏で即興的に演奏する。引き続き、歌い手はグシェ・デルカシュ(delkash)にはいるが、これはマフール旋法の音階の第6音を4分の1音、第7音を半音低くしたものであり、デルカシュの最初の部分ではカマンチェが伴奏として用いられ、声楽と交互に演奏される。次に歌い手は、長いパッセージをメリスマの技巧を用いて華麗に歌いあげる。これは裏声と表声を微妙に激しく交代させるイラン特有の声楽技法で、いわゆる「うぐいすの声」といわれるものである。これに続いて器楽により短かくグシェ・シェカステ(shekaste)を演奏して即興演奏を終え、作曲による声楽曲であるタスニーフの部分にはいる。タスニーフの歌詞の大意は、神を求めてのメッカへの巡礼と、恋する者がその相手を求めることとは、同じ行為であるという内容で、スーフィ派の詩からとられたものである。」
「なお、Ⅰ面の3の曲と同様に、この曲は声楽の部分が曲の主要部分をなしてはいるが、声楽曲と定義されるべきものではなく、声楽の部分、器楽のアンサンブルの部分、あるいはソロの部分が組み合わされてできた形式のひとつで、便宜的に声楽曲とした。」


◆本LPについて◆ 

輸入盤LP(シュリンクラップ包装)に帯・日本語インサート(1枚に両面印刷)付。日本語解説は桂博章「ペルシャの古典 (1)概説/(2)音楽理論/(3)楽器について/(4)楽曲解説」。原盤解説(ジャケット裏・英文のみ)は Bruno Nettl (イリノイ大学)。

★★★★☆ 


Dastgah Shur

youtu.be

 

Dastgah Homayoun

youtu.be

 

Dastgah Segah

youtu.be

 

Zarab Solo

youtu.be

 

Dastgah Chahargah

youtu.be

 

Dastgah Mahour

youtu.be

 

nekonomorinekotaro.hatenablog.com

nekonomorinekotaro.hatenablog.com

leonocusto.blog66.fc2.com