幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『イラン・ケルマンシャーの音楽 ― セイエド・アリ・ハーン』

『イラン・ケルマンシャーの音楽 ― セイエド・アリ・ハーン』
The Art of Seyed Ali Khan
ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 101   
西アジア/イラン 


CD: キングレコード株式会社 
KICW 85137 (2008年)  
定価¥1,800(税抜価格¥1,714)

 

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帯文: 

ペルシャクルド居住地に位置しスーフィズムの拠点でもある
ケルマンシャーの豊かな音楽文化。タンブールの超絶技巧と忘我の熱唱。」


帯裏文: 

「イラン最大のクルド人地区ケルマンシャーを拠点に活動するのがセイエド・アリ・ハーン・ファミリー。主唱者がいてそれに応えるというスタイルは、桂冠詩人の詩を歌うということを除けばカッワーリー。なによりタンブール・ソロが白眉。イランのジミヘンです。」
「1999年発売の
KICW-1093と
同内容です。」


1.合奏(シェイダイー) Goruh-Nawazi, Sheydaii 1:59 
2.タンブール曲「サンガル・サマ」 Tak-Nawazi "Sangel Sama" (tambur solo) 3:37 
3.セルセレ・ムーイェ・ドゥスト Selselehye Muye Dust 4:09 
4.ゼクレ・サハール(日の出前の祈り) Zekre Sahar 0:58 
5.ファラッグ・デル Farage Del 3:32 
6.ジャザベイエ・エシュク Jazbehye Eshq 10:12 
7.チャハルガのモードによるタンブール曲 Tak-Nawazi dar Dastgah Chaharagah 7:26 
8.「サンガル・サマ」(シェイダイー) Sheydaii "Sangel Sama" 5:33 
9.ダフ・ドュオ Do-Nawazi Daff 2:16 
10.イスファンのモードによる合奏~「アワゼ・フー」 Guruh-Nawazi Esfahan~Awaze Hu 6:54 


セイエド・アリ・ハーン・アンサンブル 
Seyed Ali Khan Ensemble

Seyed Ali Jaberi Khan (tambur)
Seyed Mahial-din Jaberi (daff, vocal)
Mohammad Mahdi Jaberi (ambor, daff)
Parviz Azizy (tambur, chorus)
Naser Bojari (chorus)

録音: 1994年9月21日、キングレコード第2スタジオにて 
Recorded Sept. 21, 1994 at #2 Studio King Record, Japan.

Producer: Hoshikawa Kyoji
Engineer: Takanami Hatsuro

Licensed by MIN-ON

Cover Design: mitografico
Cover Photo: 祈祷書(国立民族学博物館所蔵/富浦隆則撮影) 


◆本CD解説より◆ 

「数人の実の兄弟、及びかれらの近親者で構成されるセイエド・アリ・ハーン・アンサンブルは、長男の名前をグループ名に冠した非常に才能ある音楽集団。出身は、イラン西部、アゼルバイジャンのすぐ南にあるケルマンシャーである。ケルマンシャーは、イラン最大のクルド人の街だ。しかしこの街は、密接に結びつけられた二つの民族集団、クルド人ペルシャ人が混じり合っているため、両方の集団の音楽遺産が交配し合う豊かな土壌ともなってきた。現在のケルマンシャーは、イラン固有の音楽を復興する運動における主要拠点のひとつとして、揺るぎない地位を得ている。ケルマンシャー周辺の地域は、長きに渡って、忘我状態になることで知られたスーフィー教の音楽の中心だった。スーフィー教においては、神秘体験を得るためにダンスと音楽が中心的役割を果たす。セイエド・アリ・ハーン・アンサンブルは、スーフィーが有するこの恍惚音楽の伝統に属し、だからこそ、民俗音楽の体系の中に含まれ得るのだ。先に述べたように、イランの神秘主義では民間伝承と上流文化が手に手を携えており、それはイランがイスラム教に改宗して以降のほぼ全歴史を通じて続いてきている。こうした事実がなければ、このアンサンブルによって奏でられる音楽と歌われる詩は、当然のように古典的な上流文化の中に分類されてしまう。かれらが演唱する詩は、ペルシャ語詩歌界でよく知られた名匠の公刊されている詩集から選ばれたものであり、音楽は、イラン古典音楽の旋法に基づいている。とはいうものの、演唱の中に感じられる圧倒的な激情は、間違いなくクルド音楽の特徴だ。」


◆本CDについて◆ 

ブックレットに解説(アリー・フェルドゥスィー/茂木健・訳)、「アーティスト紹介」(星川京児)、英文解説、写真図版(モノクロ)4点、「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー」CDリスト。

1999年の『ケルマンシャーの音楽―法悦の詩』の再リリースです。

★★★★☆ 


Goruh-Nawazi, Sheydaii

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