幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『カルミナ・ブラーナ 第2巻』 フィリップ・ピケット/ニュー・ロンドン・コンソート

カルミナ・ブラーナ 第2巻』
Carmina Burana Vol. 2 
ニュー・ロンドン・コンソート 
指揮: フィリップ・ピケット 
New London Consort
Philip Pickett 


CD: ポリドール株式会社 
F32L-20318 (1988年) 
¥3,200 

 

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帯文: 

「ピケットのセンスによって見事に蘇ったカルミナ・ブラーナ。ボット、ジョージらの美しく安定した歌いぶりがこの歌集に新たな生命をふきこみました。」


帯裏文: 

「〈カルミナ・ブラーナ〉には、250篇以上の詩が含まれており、そのすべてに楽譜が記される予定だったのではないかと思われるが、残念ながら実際に旋律が書かれている詩はごくわずかで、しかも、その単声の旋律は譜線のないネウマ譜によって記されているため、正確に解読することは不可能である。しかし同じ作品が同時代の他の写本や、後の時代に作られた写本に含まれていることが多く、それらは明確に解読できる楽譜で記されているため…中略…何篇かが復元可能である。……
――今谷和徳〈ライナー・ノーツより〉」


カルミナ・ブラーナ 第2巻 
CARMINA BURANA VOL. 2 

1.いざ たたえよう カタリナの 4:09
Katerine collaudemus 
2.牧場は緑に 7:02 
Virent prata hiemata 
3.甘い春の季節に 4:44 
Veris dulcis in tempore 
4.駆け寄る先に金の声 4:25 
Curritur ad vocem 
5.語れ、キリストの真実よ 5:21 
Dic, Christi veritas 
6.教皇の大勅書が 光を発し 5:21 
Bulla fulminante 
7.おすこやかに 高貴なる 4:34 
Ave nobilis 
8.真の中の真よ 12:13 
Veritas veritatum 
9.おお 変わりやすき運命の危なさよ 5:07 
O varium Fortune lubricum 
10.私はとてもきれいな娘でした 3:19 
Ich was ein chint so wolgetan 
11.このようにわが身の不幸を 2:32 
Sic mea fata 
12.酒場にいる時には 3:01 
In taberna quando sumus 


ニュー・ロンドン・コンソート 
New London Consort 
指揮: フィリップ・ピケット 
Philip Pickett 

キャサリン・ボット(ソプラノ)
Catherine Bott (Soprano)
マイケル・ジョージ(バリトン) 
Michael George (Bariton)
テッサ・ボナー(ソプラノ) 
Tessa Bonner (Soprano)
サリー・ダンクリー(ソプラノ)
Sally Dunkley (Soprano)
オリーヴ・シンプソン(ソプラノ) 
Olive Simpson (Soprano)
ジュリア・グッティング(ソプラノ) 
Julia Gooding (Soprano)
ベリンダ・サイクス(アルト) 
Belinda Sykes (Alto)
メラニーターナー(アルト)
Melanie Turner (Alto)  
アンドリュー・キング(テノール) 
Andrew King (Tenor)
ティーヴン・チャールズワース(バリトン) 
Stephen Charlesworth (Baritone)
ピーター・ハーヴェイ(バリトン) 
Peter Harvey (Baritone)
アラン・パークス(バリトン) 
Allan Parkes (Baritone)
サイモン・グラント(バス) 
Simon Grant (Bass)

Andrew Lawrence-King: harp, psaltery
Paula Chateauneuf: lute
Tom Finucane: gittern
Pavlo Beznosiuk: vielle
Giles Lewin: vielle, rebec
Philip Pickett: recorder, symphony
William Lyons: recorder
Stephen Henderson: bells, nakers, tabor
Clifton Prior: tabor, tambourine
Neil Rowland: tambourine
David Roblou: organ
Organ prepared and tuned by Malcolm Greenhalgh

Recording
Producer: Peter Wadland
Engineer: Stanley Goodall 
Editor: Neil Hutchinson 
Location: Temple Church, London 
Date: January 1987 
Cover: Konrad von Altstetten, returnedfrom hawking, resting in his lady's lap (c. 1310-1340) from Große Heidelberger


◆本CD解説(今谷和徳)より◆ 

「このCDは、ピケットとニュー・ロンドン・コンソートによって収録される予定の、全4巻からなる《カルミナ・ブラーナ Carmina burana》の第2集である。(中略)《カルミナ・ブラーナ》は、11世紀後半から13世紀初め頃までに作られた歌を集めたもので、1803年に、ミュンヘンの南約60キロのところにあるベネディクトボイレン修道院の図書館で発見されたところから、この修道院の名にちなんで、“ボイレンの歌集”を意味する《カルミナ・ブラーナ》というラテン語名がつけられたものである。」
「《カルミナ・ブラーナ》に含まれる詩は、その内容から大きく四つのジャンルに分類される。第1のジャンルは、道徳的な詩や諷刺的な詩に属するもの、第2のジャンルは恋の歌、第3のジャンルは酒の歌、遊びの歌、賭博の歌など、そして第4のジャンルは、クリスマス劇や復活祭劇などの宗教劇を集めたものである。これらの詩のほとんどはラテン語で、一部、中高ドイツ語やフランス語が混ざっている。
 この第2集のCDには、全部で12曲が収録されているが、それらの詩の内容は四つのジャンルすべてにわたっている。まず、道徳的な詩や諷刺的な詩によるものは5曲(第4曲、第5曲、第6曲、第8曲、第9曲)ある。」
「愛の歌に属するものは4曲(第2曲、第3曲、第10曲、第11曲)ある。」
「第3のジャンルである酒の歌、遊びの歌、賭博の歌などに属するものは、ここではわずか1曲しか収録されていないが、その1曲の第12曲〈酒場にいる時には〉は、典型的なこの種の歌で、酒を愛し、讃えている。(中略)第4のジャンルに属するものは2曲(第1曲、第7曲)あるが、第1曲〈いざたたえようカタリナの〉は、4世紀初頭にローマ皇帝マクセンティウスによって処刑されたとされる、聖女カタリナを讃えた歌であり、第7曲〈おすこやかに高貴なる〉は、聖母マリアを讃えた歌である。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全32頁)に解説(今谷和徳)と歌詞対訳(細川哲士・訳)、写真図版(モノクロ)6点。

原盤は英デッカ Decca オワゾリール Editions de L'Oiseau-Lyre レーベル Florilegium シリーズ。

★★★★★ 


Virent prata hiemata

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In taberna quando sumus

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