幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『カルミナ・ブラーナ 第3巻』 フィリップ・ピケット/ニュー・ロンドン・コンソート

カルミナ・ブラーナ 第3巻』
Carmina Burana Vol. 3 
ニュー・ロンドン・コンソート 
指揮: フィリップ・ピケット 
New London Consort
Philip Pickett 


CD: ポリドール株式会社 
FOOL-20486 (1989年) 
税込定価¥3,008(税抜価格¥2,920)

 

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帯文: 

「中世ゴリアールの息吹を今に伝える〈カルミナ・ブラーナ〉。ピケットたちによる最新研究とボット、ジョージらの美しく見事な歌唱によっていま蘇る。」


帯裏文: 

「第2集と同様、変化に富んだ演奏が行なわれている。指揮者のピケットは、曲によって、いつものように様々な楽器を配しており、それぞれの曲の特徴が実によく表わされた見事な選択だといえよう。演奏は、前の2集と同様《カルミナ・ブラーナ》の実際の演奏会で絶讃されたことでもわかるように、この中世の世俗歌曲の世界をはっきり伝えてくれるようなすばらしいものである。
――今谷和徳〈ライナー・ノーツより〉」


カルミナ・ブラーナ 第3巻 
CARMINA BURANA VOL. 3 

1.クロノスの囲いから春が 5:39 
Clauso cronos, CB73 
2.本日は聖女カタリナの 4:06 
Presens dies, CB21* 
3.病んではいるが 6:43 
Licet eger, CB8 
4.十字架にかけよ すべての者を 4:06 
Crucifigat omnes, CB47 
5.お前の心に立ち返れ 5:47 
Ad cor tuum, CB26 
6.おお不安よ 廷臣どもの 4:59 
O curas hominum, CB187 
7.正義と不正が 2:27 
Fas et nefas, CB19 
8.〔母マリアの嘆き〕泣け 真実の魂よ 11:14 
Flete fideles, CB4* 
9.凍てつく時は去って 5:20 
Tempus transit, CB153 
10.太古のカオスから 6:24 
A globo veteri, CB67 
11.バッカスよ ようこそ 5:21 
Bacche bene venies, CB200 


ニュー・ロンドン・コンソート 
New London Consort 
指揮: フィリップ・ピケット 
Philip Pickett 

キャサリン・ボット(ソプラノ)
Catherine Bott (Soprano)
マイケル・ジョージ(バリトン) 
Michael George (Bariton)
テッサ・ボナー(ソプラノ) 
Tessa Bonner (Soprano)
サリー・ダンクリー(ソプラノ)
Sally Dunkley (Soprano)
オリーヴ・シンプソン(ソプラノ) 
Olive Simpson (Soprano)
ジュリア・グッティング(ソプラノ) 
Julia Gooding (Soprano)
ベリンダ・サイクス(アルト) 
Belinda Sykes (Alto)
アンドリュー・キング(テノール) 
Andrew King (Tenor)
ティーヴン・チャールズワース(バリトン) 
Stephen Charlesworth (Baritone)
ピーター・ハーヴェイ(バリトン) 
Peter Harvey (Baritone)
アラン・パークス(バリトン) 
Allan Parkes (Baritone)
サイモン・グラント(バス) 
Simon Grant (Bass)

Andrew Lawrence-King: harp
Tom Finucane: lute, gittern
Paula Chateauneuf: lute, gittern
Pavlo Beznosiuk: vielle, rebec
Giles Lewin: vielle, rebec
William Lyons: recorder
Catherine Latham: recorder
Anneke Boeke: recorder
Stephen Henderson: bells, nakers, tabor
Clifton Prior: nakers, tabor, tambourine
Neil Rowland: tabor, tambourine
David Roblou: organ
Organ prepared and tuned by Malcolm Greenhalgh

Recording
Producer: Peter Wadland
Engineer: Stanley Goodall 
Editor: Jonathan Stokes
Location: Temple Church, London 
Date: January 1987 


◆本CD解説(今谷和徳)より◆ 

「《カルミナ・ブラーナ》の作者たちは、中世ヨーロッパ文化の主たる担い手であった聖職者や領主、騎士といった特権階級には属さない、ゴリアール(ゴリアルドゥス、ゴリアルト)と呼ばれる人たちが中心となっており、彼らは既存の社会に対する批判を含んだ歌を、ラテン語によって歌って行った。彼らが歌ったテーマは様々だが、その内容から大きく四つのジャンルに分類することができる。第1のジャンルは、道徳的な内容や諷刺的な内容を持つもの、第2のジャンルは恋の歌、第3のジャンルは酒の歌、遊びの歌、賭博の歌など、そして第4のジャンルはクリスマス劇や復活祭劇などの宗教劇や、宗教的な内容の歌である。ここで歌われる詩には、ラテン語以外にも、一部中世ドイツ語やフランス語が含まれているものもある。
 この第3集のCDには、全部で11曲が収録されているが、それらの詩の内容は四つのジャンルすべてにわたっている。まず、道徳的な詩は諷刺的な詩によるものは5曲(第3曲、第4曲、第5曲、第6曲、第7曲)ある。」
「愛の歌に属するものは3曲(第1曲、第9曲、第10曲)ある。」
「第3のジャンル、酒の歌、遊びの歌、賭博の歌などに属するものは、ここではわずか1曲〈バッカスよ ようこそ〉(CB200)は典型的なこの種の歌で、第2集に含まれている〈酒場にいる時には〉(CB196)と同様、酒を愛し、讃えたものである。《カルミナ・ブラーナ》の作者たちは、こうして酒場に入りびたり、人生を謳歌する歌を歌ったのだった。」
「第4のジャンルに属するものは2曲(第2曲、第8曲)ある。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全32頁)に解説(今谷和徳)と歌詞対訳(細川哲士・訳)、写真図版(モノクロ)3点。

原盤は英デッカ Decca オワゾリール Editions de L'Oiseau-Lyre レーベル Florilegium シリーズの『Carmina Burana Vols. III & IV』(2枚組)ですが、日本盤では「3」と「4」が別々にリリースされています。

★★★★★ 


Bacche bene venies

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