幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『インドネシア/ソロ国営放送局のガムラン』

インドネシア/ソロ国営放送局のガムラン』 
Klênêngan Session of Solonese Gamêlan 
ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 122


CD: キングレコード株式会社 
KICW 85159/60 (2008年) 2枚組 
定価¥2,800(税抜価格¥2,667)

 

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帯文: 

「中部ジャワの名手達の選抜チームで構成されたソロの国営放送のガムラン奏者たち。
そんな彼らの名人芸をたっぷり堪能できる中部ジャワ・ガムラン決定盤。」


帯裏文: 

「スロカルト、マンクヌガラン両王家の精鋭たちを母体としたソロ国営放送局R.R.I.に、楽団OB演奏家も加わった総勢23人によるクルヌガン(演奏会曲)。ラジオの定期演奏会をはじめ、幅広く活躍する腕達者の集まりで、作品も厳選された名作揃いです。BPOやVPOのガムラン版というところでしょうか。」
「★1994年発売のKICC-5185と同内容です。
(Disc 1 のみ)」 


Disc 1
1.グンデン クンバン・モロ 
Gêndhing KÊMBANG MARA, pelog lima
2.グンデン クラウィタン~ラドラン クラウィタン 
Gêndhing KRAWITAN~Landrang KRAWITAN, slendro nêm

Disc 2
1.グンデン ゲンジョン~ラドラン スルン・ダユン 
Gêndhing GENJONG~Ladrang SURUNG DAYANG, pelog nêm
2.グンデン マドゥワラス 
Gêndhing MADUWARAS, slendro sanga
3.グンデン ボヨン~ラドラン ボヨン 
Gêndhing BOYONG~Ladrang BOYONG, pelog barang

演奏: ソロ・インドネシア国営放送局のガムラン奏者たち 
the Gamêlan Musicians of the R.R.I. Solo (Surakarta), Indonesia national broadcasting station at Solo

〈使用楽器〉 
キャイ・カドマニス、キャイ・マニスルンゴ(クラトン・スロカルト所蔵) 
Kyai KADUKMANIS (pelog), Kyai MANISRÊNGGA (slendro) of KRATON SURAKARTA

録音: 1992年6月9日、クラトン・スロカルト(ススフナン・スロカルト王宮)にて 
Recorded June 9, 1992 at KRATON SURAKARTA (Kasunanan Palace, Solo)
Producer: Fukuda Minoru
Director: Hoshikawa Kyoji
Engineer: Takanami Hatsuro
Assistant Engineer: Muto Masatoshi (SCI)
監修: 田村史子
Supervisor: Tamura Fumiko

Cover Design: mitografico
Cover Photo: チュルンプン(国立民族学博物館所蔵/富浦隆則撮影) 


◆本CD解説(田村史子)より◆ 

「ジャワのガムランを聞く楽しみの一つは、同じ曲でも一度一度の演奏で全く違うふうに立ち現れてくることである。ベートーヴェンのシンフォニーなども、オーケストラや指揮者によっていろいろに解釈されるということはある。しかし、ベートーヴェンの場合は少なくとも演奏されるべき音はすべて作曲家によって書き込まれている。一方、伝統的なガムランの場合は、それが合奏音楽であるにもかかわらず、“曲の枠組みと骨格旋律”、というごく基本的な部分を除いて、書かれたり固定されたりしてはいないのだ。この部分は確かに曲のアイデンティティーを決める重要なものではあるし、もし作曲家といえる人がいるとすれば、この部分を作った人のことを指すことになるのだろうが、実際には、ひとびとの興味は、それをもとに演奏家たちが形作っていく音の集合体のその時々の位相に向かっている。言い換えるなら、この曲の枠組みと骨格旋律は、演奏家個人が、あるいは個々の演奏グループが所有している音楽の貯蔵倉を開ける鍵であり、それを符号として、蓄積されていたさまざまな音楽的表象、すなわち、旋律型・リズム型・歌詞などが奔出してくるのだ。」
「では、実際の演奏はどの様に行われるかというと、骨格旋律の四拍を単位として、その最後の拍に向かって様々な楽器が、それぞれ特有の旋律型のバリエーションを半ば即興的に投げ込んで行って成立する。楽器によっては骨格旋律をほぼなぞるようなものから、最後の音だけ一致するような自由なパターンを奏するものまである。それは骨格旋律の無限な変奏である。その余りの豊かさに、骨格旋律はハッキリと耳に聞こえながら、意識からは遠のいて、さやめき合い呼び交わす音と音の会話が沸き立って聞こえてくる。それら旋律型やリズム・パターンは非常に複雑で洗練されているが、その源をたどれば、民謡や童歌にその原型を見いだすことが出来る。(中略)ここで言う、即興的とは、音楽の貯蔵倉から即興的に取り出して来るという意味である。」


◆本CDについて◆ 

ブックレットに解説(田村史子)と英訳、写真図版(モノクロ)7点。「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー」CDリスト。

旧「ワールド・ミュージック・ライブラリー」『ささめきの交響~ソロ・国営放送局のガムラン奏者Ⅰ』(KICC-5185、1994年)に、同日録音の未発表音源を収録したディスク2を増補したものです。二枚組用ジュエルケース(10mm厚)

★★★★★ 

 

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