幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『ピアソラの夜~決定盤 ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』 

ピアソラの夜~決定盤 ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』 
Astor Piazzolla 
Noche de Piazzolla
La Historia del Tango


発売: ポリドール株式会社 
販売: ポリグラム株式会社 
POCP-1678 (1998年) 
定価¥2,548(税抜価格¥2,427) 

 

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帯文: 

ピアソラの夜が更けていく・・・。
今ふたたび熱い注目を浴びている天才バンドネオン奏者、アストル・ピアソラによるタンゴの名曲集。」


1.エル・チョクロ 
El Choclo (A. Villoldo/E.S. Discéolo/C. Maramblo Catan)
2.オホス・ネグロス
Ojos Negros (A. Greco/J. Porteño)
3.ラ・クンパルシータ 
La Cumparsita (G.H. Matos Rodriguez/P. Contursi/E.P. Maroni)
4.ラ・カチーラ 
La Cachila (E. Arolas)
5.ラ・マレーバ 
La Maleva (A. Buglione/M. Pardo)
6.ミ・ノーチェ・トリステ 
Mi Noche Triste (S. Castriota/P. Contursi)
7.ガウチョの嘆き 
Sentimiento Gaucho (F. & R. Canaro/J.A. Caruso)
8.恋人なんか持ったことはない 
Nunca Tuvo Novio (A. Bardi/E. Cadicamo)
9.夢の中で 
Entre Suenos (A. Aieta/J. Polito/F. Garcia Gimenez)
10.バンドネオンの嘆き 
Quejas De Bandoneon (J. de Dios Fillberto)
11.アルマ・デ・ボエミオ 
Alma De Bohemio (J.A. Caruso/R. Firpo)
12.淡き光に 
A Medias Luz (E. Donato/C.C. Lenzi)

13.タコネアンド(靴音高く) 
Taconeando (P. Maffia/J.H. Staffolani)
14.グリセータ 
Griseta (E.P. Delfino/J. Gonzáles Castillo)
15.酔いどれたち 
Los Mareados (J.C. Cobian/E. Cadicamo)
16.ロカ・ボエミア 
Loca Bohemia (F. De Caro/D.A. Linyera)
17.レクエルド(思い出) 
Recuerdo (O. Pugliese/E. Moreno)
18.ボエド 
Boedo (J. De Caro/D.A. Linyera)
19.影の中で 
En Las Sombras (J.M. Mora/M.A. Meaños)
20.パンペーロ 
Pampero (O. Fresedo/E. Bianchi)
21.ラ・レバンチャ 
La Revancha (P.B. Laurenz)
22.愛の夜 
Noche De Amor (F. Franco/L. Rubistein)


小沼純一による解説より◆ 

ピアソラは、或る時期まで、ごくふつうに自分の書いたタンゴ作品と、スタンダードのタンゴ作品を一緒に、あまり区別をすることなく演奏してきました。殊に、パリに留学するまで、ほかのひとのオーケストラに参加して、編曲と作曲を手掛ける間では、そういう傾向が強かったようです。しかし、60年代以降、彼はほとんど自作以外を演奏しなくなってしまいます。従来のタンゴ・オーケストラとはちがった楽器編成で自分のアンサンブルを率いていたこともあり、その編成に適した作品を自ら書くべきだと考えていたのでしょう。しかしピアソラの活動はつねに順風満帆というわけにはいかなかったのです。つねに「前衛タンゴ」だの「タンゴの破壊者」だのと誹謗され、ときには、街を歩いているだけで、物を投げつけられたなどというエピソードもあるくらいですから。そうしたピアソラが、1960年代半ば、自作から多少距離をとって、ということもあったのでしょう、タンゴの古典、スタンダード・ナンバーをまとめて演奏=録音したわけです。LPにして2枚分くらいでしょうか。それをまとめたのがこのベスト・アルバムです。」


◆斎藤充正による解説より◆ 

「このCDは、アルゼンチン・ポリドールで1966年から67年にかけて制作された『タンゴの歴史』シリーズの2枚のアルバムをカップリングしたものである。ピアソラの“タンゴの歴史”というと、近年クラシック・ファンに人気の、フルートとギターのための作品を思い浮かべる向きもあると思うが、その作品とは別物であるこちらのシリーズは、“歴史”というよりは実質的にタンゴ名曲選といったニュアンスが強い。あえて“ベスト”と銘打たれたのもそのためであろう。前半の12曲が『タンゴの歴史 第1集/ラ・グアルディア・ビエハ』“LA HISTORIA DEL TANGO Vol. 1 / LA GUARDIA VIEJA”、後半の10曲が『タンゴの歴史 第2集/ロマンティック時代』“LA HISTORIA DEL TANGO Vol. 2 / LA EPOCA ROMANTICA”からの曲目である。
 第1集は古典有名曲のオンパレードで、ピアソラバンドネオン)、オスバルド・マンシ(p)、アントニオ・アグリ(vn)、オスカル・ロペス・ルイス(g)、キチョ・ディアス(b)という当時のレギュラーの五重奏団のメンバーの他に、12人のヴァイオリン・セクション(この人数はアグリも含んでのことと思われる)、ヴィオラとチェロが4人ずつ、ヴァイブ、カンパネリ、シロフォン(この三つは一人で持ち換えているのだろう)、女声ソプラノが加わっている旨が原盤ジャケット裏に書かれてある。」
「続く第2集『ロマンティック時代』は第1集とは傾向はだいぶ異なり、フランシスコとフリオのデ・カロ兄弟、フアン・カルロス・コビアンなどピアソラが特に強い影響を受けてきた作曲家たちの作品を、あまり有名無名には拘らずに採り上げて、出来はこちらの方がよい。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全12頁)に小沼純一と斎藤充正による解説、原盤ジャケット写真図版(モノクロ)2点。

タイトルはミスディレクションで、ムード的なジャケットデザインと相まってちょっとあれですが、それはそれで仕方がないです。

★★★★☆ 


La Historia del Tango: La Guardia Vieja

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