阿部薫
『またの日の夢物語』
SOLO. 1972. 1. 21
CD: P.S.F Records
シリーズ: J・I コレクション
PSFD-40 (1994年)
¥2,884(税込)¥2,800(税抜)
阿部薫●Solo●またの日の夢物語
1. 1972. 1. 21 Alto 1
2. 1972. 1. 21 Alto 2
3. 1972. 1. 21 Bcl 1
4. 1972. 1. 21 Alto 3
1972. 1. 21 at Pit-Inn Tea Room
Produced by 生悦住英夫
Directed by 石谷仁(Selfportrait)
Front Photo by 五海裕治
Recorded by 石谷仁(1972. 1. 21 Pit-Inn Tea Room)
Mastered by 五十嵐輝明
◆本CD解説(石谷仁)より◆
「当時毎月もらいに行っていた新宿「ニュー・ジャズ・ホール」のラインナップ、その1972年1月21日の欄に「阿部薫ソロ」という文字を見つけた。」
「1972年の1月21日、金曜日。場所は「ニュー・ジャズ・ホール」ではなく、系列の喫茶店「PIT INN TEA ROOM」。
ウナギの寝床のような細長い店の奥に小さなステージがあり、僕はそのステージの真ん前の席に坐り、ソニーのカセットデンスケとコンデンサーマイクを二本セッティングした。
客席の後ろ、入り口のカウンターあたりで、阿部薫はアルトやバスクラのリードを無言でいじっていた。客席にはやはり片手で数えられるくらいの客しかいなかった。」
「夜7時、時間が来ると阿部薫はステージに立ち、目の前のマイクを気にもせず、挨拶もなしにアルトを吹きはじめた。15分~20分ほど吹いては演奏時間よりも長い休憩をとり、また無言でステージに立って吹きはじめる。よれよれのストレートジーンズを穿いた足で時々リズムをとりながら、いつもの前屈み加減の姿勢で、目は開いたまま宙を見据え、演奏中は一度もマウスピースから口を離さないで吹き続ける。」
「そうして4ステージ、阿部薫は演奏を終えると、またひと言も喋らずにステージを降りた。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全8頁)にトラックリスト、エピグラフとして阿部薫の言葉「ぼくは誰よりも速くなりたい/寒さよりも、一人よりも、地球、/アンドロメダよりも/どこにいる、どこにいる/罪は、」、石谷仁による回想(インタビュー・構成 鎌田崇太郎)、クレジット、写真図版(モノクロ)1点。
この時期の阿部薫はたいへんよいです。
タイトルは『なしくずしの死』『北』同様、ルイ=フェルディナン・セリーヌの小説の邦題からとられていますが、この邦題で翻訳が出たのは阿部薫の没後です。
★★★★★
Kaoru Abe-Solo 1972.1.21
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