阿部薫+佐藤康和デュオ
『アカシアの雨がやむとき』
【CD三部作】 #1
CD: WAX Records/(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ
TKCA-71098 (1997年)
¥2,800(税込)(税抜価格¥2,718)
1. アカシアの雨がやむとき 19:48
(詞/水木かおる 曲/藤原秀行)
2. チム・チム・チェリー~暗い日曜日 27:50
(CHIM CHIM CHER-EE w/m: Richard M. Sherman+Robert B. Sherman~SOMBRE DIMANCHE w/m: Laszlo Javor+Rezső Seress)
3. 恋人よ我に帰れ 22.46
(LOVER COME BACK TO ME w/m: Oscar Hammerstein II+Sigmund Romberg)
MONO TOTAL TIME 70:26
演奏:
阿部薫 Bass Clarinet (1), Alto Saxophone (2/3), Harmonica (2)
佐藤康和 Percussion (1/2/3)
録音: 1971.10.31 東北大学教養部教室にてライヴ収録
オリジナル・プロダクション: 小野好恵
アルバム・プロデューサー: 稲岡邦弥(unicom)
WAXディレクター: 石戸圭一+松本健太郎(TJC)
フォト: 五海祐治
グラフィック・デザイン:古川麻子(unicom)
◆本CD解説(清水俊彦)より◆
「本アルバム(中略)は、1971年10月31日に東北大学教養部教室におけるデュオ・インプロヴィゼーションを収録したもので、この自主的なコンサートをプロデュースしたのは小野好恵であり、この音源を徳間ジャパンに紹介したのはユニコムの稲岡邦弥氏である。小野は雑誌「ユリイカ」と「カイエ」の編集長をつとめたことで知られているが、早くからジャズに深く関わり、数多くのユニークなライナーノーツやラディカルな発言で異彩を放っていたが、昨96年、なんとも惜しまれることにガンとの斗いに敗れて死去してしまった。彼がはじめて阿部の演奏を聴いたのは70年夏に渋谷にあったステーション'70においてであり、その凄まじい演奏に接して心底打ちのめされたという。このようにして阿部の天賦の才をいち早く見抜いた小野は、すぐさま71年から72年にかけて5回のコンサートをプロデュースした。そのうちのひとつの音源がほかならぬこのアルバムである。
このアルバムの特色は、(中略)なんと全3曲(実質的には4曲)のすべてが、それぞれの仕方でせつせつと胸にせまってくるポピュラー・ソングもしくはスタンダード・ナンバーであるということだ。すなわち、阿部が終生好んで演奏した「アカシアの雨がやむとき」、コルトレーンがオリジナル・カルテットのバラード集で取り上げた「チム・チム・チェリー」、ダミアの「暗い日曜日」およびオスカー・ハマースタインの有名なミュージカルのテーマのひとつ「恋人よ我に帰れ」(もうひとつのテーマは「朝日のようにさわやかに」)である。阿部が取り上げた既成曲はお決まりの数曲に限られている。そうした意味では、このアルバムの演奏は、「花嫁人形」以外のそれらのすべてを含んでおり、阿部のディスコグラフィーにおいて特別な地位を占めること間違いなしといっても言い過ぎではないだろう。
もちろん、フリー・フォームで奏でられている一連の曲は、通常の「曲の演奏」とはまったくその様相を異にしている。即興のためのきっかけとして一節を引用しただけのこともあれば、比較的テーマに沿って展開させたりもしているが、その興奮の絶頂においては、どんな構成上の手続きをも伴わないフリー・インプロヴィゼーションにまで達しているようにさえ思われるがどうだろうか。」
◆本CDについて◆
阿部薫の1971年未発表音源三部作シリーズの#1。ブックレットに清水俊彦による解説「混沌の中の叙情」。パーカッションの佐藤康和(YAS-KAZ)はのちに「プリズム」や「姫神」と活動しています。
なお、1991年にDIWから同タイトルのCD(阿部薫『アカシアの雨がやむとき』、ドラムの豊住芳三郎とのデュオで、「ソロ・ライヴ・アット・騒」全巻購入特典)が出ていますが、別内容です。
★★★★★
Akashiya no Ame ga Yamu-toki (1971)
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