CD: WAX Records/(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ
TKCA-71096 (1997年)
¥2,800(税込)(税抜価格¥2,718)
1. アカシアの雨がやむとき* 9:16
(詞/水木かおる 曲/藤原秀行)
2.アルト・サキソフォーン・ソロ・インプロヴィゼーション 17:39
(曲/阿部薫)
3.バス・クラリネット・ソロ・インプロヴィゼーション 16:15
(曲/阿部薫)
4.暗い日曜日 16:15
(SOMBRE DIMANCHE w/m: Laszlo Javor+Rezső Seress)
MONO TOTAL TIME 59:32
演奏: 阿部薫 Alto Saxophone (1/2/4), Bass Clarinet (3)
録音: 1971.12.6 一関・ベイシーにてライヴ収録
*1971.12.4 秋田大学学園祭共用棟にてライヴ収録
(発売直前に事実が判明しました)
オリジナル・プロダクション: 小野好恵
アルバム・プロデューサー: 稲岡邦弥(unicom)
WAXディレクター: 石戸圭一+松本健太郎(TJC)
フォト: 長尾達夫
グラフィック・デザイン:古川麻子(unicom)
◆大場周治による解説「26年目の絶頂」より◆
「CD#1 東北大学教養部教室
これは東北大学ジャズ研究会のメンバーであった大沢が主宰者となり、小野が黒衣役の形で行なわれた。
この日、阿部と初共演した佐藤康和は、当時芸大打楽器科を目指し浪人中の身であった。
このジョイントは小野の発案であり、しかも開催が決まりかかった8月頃に仙台市の南にある亘理町の佐藤の自宅に数人で訪れ彼の練習場でパーカッションのソロ演奏を聴き、そしてゴーサインを出したと記憶している。これが後にYAS-KAZとなるのである。」
「CD#2 Live at “Basie”
阿部薫がBasieで演奏したのは、CD#3の秋田大学コンサートの前と後の2回である。1回目は秋田大学の前日だったと記憶している。秋田に向かう途中で阿部、小野達の数人でベイシーに立ち寄り、ゲリラ的セッションをやったのだ。店に入ったのが夕方で、8時過ぎくらいに客が居なくなったのを見計らって、マスターに是非聴いてみてくれと小野が迫り、実現したものである。マスターからOKが出て阿部がアルトとバスクラを組み立て、チューニングをしている時にたまたまエルヴィン・ジョーンズ“ヘヴィー・サウンズ”のリチャード・デイヴィスとのデュオ曲「サマータイム」が流れていた。阿部はそれに合わせてアルトを吹き始めた。(中略)阿部の力量を見抜いたマスターがあっと驚くことを始めたのだ。僕の記憶では「クル・セ・ママ」のB面だったと思うがコルトレーン側のチャンネルを消し、エルヴィンのドラムソロの状態にしたのである。マスターの煽動に乗った阿部はさらに燃え上がりエルヴィンとのバトルを展開し、その余韻を残しながら3曲程アルトとバスクラを演奏した。」
「2回目は秋田大学の帰り道にベイシーでもう一度、折角だから仙台で共演した佐藤康和とデュオでということになった。(中略)だが残念なことにデュオは実現しなかった。」
「佐藤康和は1曲だけ演奏し、あとは阿部のソロを客席で聴いていただけだったと思う。」
「CD#3 秋田大学共用棟コンサート
これは阿部眞郎を中心とする秋田大学ジャズ研究会のメンバーに小野がプロデュースし実現したものである。共用棟は当時いわゆる解放区となっていた場所であり、聴衆も50~60人はいたと思う。全般的にエキサイティングな雰囲気に会場全体が包まれ、演奏終了時に阿部が「皆、きょうはどうもありがとう」とあいさつをし、拍手の内に終了した。」
◆本CDについて◆
阿部薫の1971年録音未発表音源三部作シリーズの#2。ブックレットに解説「阿部薫―空前絶後の音」(ベーシー 菅原正二)、「26年目の絶頂」(大場周治)。
★★★★★
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