幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

バール・フィリップス 吉沢元治  『UZU』

バール・フィリップス 吉沢元治 
Barre Phillips 
Yoshizawa Motoharu 
『UZU』 


CD: P.S.F./モダーン・ミュージック
PSFD-75 (1996年) 
¥2,800(税抜)

 

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帯文: 

「今ここに結晶する、四分の一世紀に渡る交感。」


UZU 

Barre Phillips (bass) 
Yoshizawa Motoharu (homemade electric vertical five strings bass)

Recording Date: Feb. 8, 1996 
Recording Engineer: Ihara Masanori 
Object Created by Chin Zuido 
Cover Photo by Kaibe Takeshi 
Back Photos by Yabe Akiko 
Designed by Arai Yasunori 


◆本CDについて◆ 

ブックレット内側にクレジット。インレイに写真図版(モノクロ)2点。全部で五つの演奏が収録されていますが、トラックリストは掲載されていません。

バール・フィリップスは気難しい人かと思いきや、P.S.F.から出た灰野敬二とのデュオ『Etchings in the Air』(1996年)では灰野氏のヴォイス・パフォーマンスに感応して自らもハナウタを歌いだす茶目っ気を披露しています(ジョエル・レアンドルとのデュオ『A l'improviste』(2008年)ではジョエルのうめき声ふうヴォイス・パフォーマンスに「朝起きたときはいつもそんな感じなの?」とツッコミを入れています)。
そこで本作ですが、西のバール・東の吉沢というわけで、二人のアナーキーなベース・インプロヴァイザーが前人未踏のベース音響空間を繰り広げています。バールのアルコ(弓)ベースと吉沢のホームメードエレクトリックヴァーティカル5弦ベースがウロボロスの蛇のように尻尾を咬み合う渦巻き宇宙。もうぜんぜんベースの音ではないです。宇宙人の会話のようです。最後の#5では実際に宇宙語で会話しています。われわれも元々は宇宙人でした。宇宙はなつかしいです。能とか、そういう幽玄の世界すら感じさせる、未知との遭遇の一時間でした。

★★★★★ 


UZU #5 

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