幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

 『シカラムータ 大熊亘ユニット』

 『シカラムータ 大熊亘ユニット』 
Cicala-Mvta 
Ohkuma Wataru Unit


CD: リスペクトレコード 
RES-22 (1998年) 
¥2,900(税抜) 

 

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帯文: 

「チンドン囃子やバルカン・トラッド、変拍子オリジナルが鮮やかにスパーク!! 
篠田昌已大工哲弘らの各ユニット、ソウル・フラワーなどで活躍のクラリネット吹き大熊亘率いる超異才集団!!」


1.往復ヂンタ Ohfuku Jinta 1:09 
作曲/大熊亘 編曲/Cicala-Mvta 
2.プンク・マンチャの踊り Punku Mancha No Odori 4:45 
作曲・編曲/大熊亘 
3.ラジャマティ・クマティ Rajamati Kumati 3:42 
ネパール・トラッド 編曲/大熊亘 
4.道草のために(武蔵野7/8) Michikusa No Tameni (Musasino 7/8) 6:27 
作曲・編曲/大熊亘 
5.吾妻八景 Azuma Hakkei 5:26 
お囃子 編曲/大熊亘 
6.フラタニゼーション・ソング Fratanisation Song 3:06 
作曲/Paul Dessau 編曲/Cicala-Mvta 
7.奥に通じる扉 Okuni Tsūjiru Tobira 4:08 
作曲・編曲/大熊亘 
8.ターキッシュ・ダンス Turkish Dance 7:17 
トルコ・トラッド 編曲/大熊亘 
9.猫虫が入るから Nekomushi Ga Hairu Kara 5:52 
作曲/大熊亘 編曲/Cicala-Mvta 
10.青髭の憂鬱 Aohige No Yū-utsu 5:26 
作曲/大熊亘 
11.四丁目 Shi Chôme 3:52 
お囃子 編曲/Cicala-Mvta 
12.プンク・マンチャ リプライズ Punku Mancha Reprise 1:10 
作曲/大熊亘 編曲/Cicala-Mvta 

Total Time (52:21) 


大熊亘 Ohkuma Wataru: clarinet, bass clarinet, soprano sax, xylophone (M2), vibraphone (M7), mouth organ (M12) 
桜井芳樹 Sakurai Yoshiki: electric guitar, accoustic guitar, resophonic guitar (M6), snare drum (M1), soprano sax (M1) 
坂本弘道 Sakamoto Hiromichi: cello, bass drum (M1)  
関島岳郎 Sekijima Takero: tuba, trombone, trumpet (M1), recorder (M4) 
植村昌弘 Uemura Masahiro: drums, percussion 
Guest
太田惠資 Ohta Keisuke: fiddle (M3,8,9,11) 
こぐれみわ: snare drum (M1), trumpet (M1) 

Produced by CICALA-MVTA 
Recorded & Mixed by 近藤祥昭 at GOK SOUND 1997 Nov. 17~21 
Live Recorded by 天野音響技術研究所 at planB (M5,8,9,10) 1997 Nov. 7 
Live Engineering 杉浦裕樹 
Mastered by 滝瀬真代 at SAIDERA MASTERING 1997 Dec. 25 
Production Assistant こぐれみわ 
Art Direction 笹尾俊一 
Photos 大久保義高 
Inner member's photos 佐竹潔 
Cover photo painting 大熊亘 
Executive Producer and A&R 高橋研一(RESPECT RECORD)


◆「声なき蝉の歌について」(十時由紀子)より◆ 

「蝉というと、ワタル少年時代の記憶。半分さなぎから出たまま、濡れた羽のままたぶん成熟できないだろう1匹の蝉をみた。それは何かとても根源的な、秘密のようなものだった――そのせいかCICALA-MVTAという名は彼の中にストンと落ちてピタリとはまった。明治・大正・昭和をまたいで「ストライキ節」「ラッパ節」「ああわからない」などの当たり唄をがなった反骨の大道演歌師、添田唖蝉坊(あぜんぼう)。その墓碑銘にあるイタリア語「声のない蝉(唖蝉)が唄った」の、ミュートしたセミという意味の名前だ。
〈新しさ〉がまだ正体不明そのものであった時代に、強烈なあこがれの力から自力で生まれ出てきた、オリジナルなゆえに愛すべき俗悪さを匂わせたモダンなもの、新しい何か。たとえば唖蝉坊の歌や、ちんどん屋の和洋折衷の音色。不穏な時代のヨーロッパでブレヒト・ソングが生まれたように、未完成な都市と人々の混沌の中で、それは確かにここ(たとえば日本)で生まれた。歴史の遠近法の中では忘れられ、ノスタルジーとしてはかり出されつつ、まだどこかでその力は蓄えられている。その確信が導く音楽を鳴らす者がいる。」


◆本CDについて◆ 

透明ジュエルケース。ブックレット(全8頁)にトラックリスト&クレジット、「声なき蝉の歌について」(十時由紀子)、楽曲解説(大熊亘)。

アルバート・アイラー添田唖蝉坊ブレヒト・ソングとジンタ/チンドン屋がパラレルなワールド・ミュージック=チェンバー・ロック。
「猫虫が入るから」というタイトルは謎めいていてすばらしいですが、「開けたら閉めること 猫虫が入るから」という貼紙に由来するようです。猫虫が仮に「猫・虫」であったとしても、ここはひとつ「猫虫」の実在をかたく信じて生きるほうを選びたく思います。

★★★★★ 

 

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