幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

須山公美子  『Les chansons qui filent du rêve...』

須山公美子 
Suyama Kumiko 
『Les chansons qui filent du rêve...』 


CD: Super Fuji Discs/Vivid Sound Corporation 
制作・販売元: (株)ディスクユニオン 
FJSP256 (2016年) 
¥2,300+税 

 

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帯文: 

永遠の少女歌手
須山公美子の
1stアルバム(1983年)
―夢紡ぐ唄うた―
23年ぶりに再発売」

少年ナイフなどを輩出した京都の名レーベルzero recordsからの1stアルバムに、変身キリン活動直後のソロ自主4曲入りシングル「虫の時」とソノシート盤「少女の憧れ」を加えた全16曲。」
「監修:須山公美子 
マスタリング:宇都宮泰」


Face du soreil 
01.サーカスがくるよ! 
02.Dance 
03.Lovers in China 
04.冬の陽差し 
05.午後の憂鬱 
06.アラビアの夜 

Face de la lune 
07.老娼婦の死 
08.ライラ・ライラ 
09.花嫁人形 
10.寡黙な時間 
11.夜に踊れば:心易く眠れ 

Bonus tracks
12.少女の憧れ 
13.虫の時 
14.パラドックス 
15.少女歌手 
16.仮面の神 

01-11: originally released on LP on zero records in 1984 
12: from the solo flexi “少女の憧れ” originally released on zero records in 1985 
13-16: from the solo 7"EP “虫の時” originally released on MOON RECORD in 1982 


[musicians] 
迎良久: mandolin (M01,06) 
西田卓: bass (M01,06) 
坪島功宣 guitar (M01,04,08) 
堀ひさのり: bass (M04,08) 
白土まこと: drums (M04,08) 
田井正人: drums (M06) 
福島くん: classic guitar (M07) 

須山公美子: voice and other instruments 

[recording credit] 
M01,04,06,08,11,12 were recorded by 川崎義弘, mixed by 谷川雅治, sound R (Kobe) 
M03,05 were recorded and mixed by 高村和明, studio zip (Kobe) 
M02,07,09,10 were recorded and mixed by 井之上達郎, studio eve (Honmachi, Osaka) 
M15 were recorded and mixed by 山岡コータロー, nipponbashi yamaha (Osaka) 
M13,14,16 were recorded and mixed by 高村和明, studio zip (Kobe) 

total produced and composed by 須山公美子 

cover photo 岩崎明久 

[2015 package staff] 
mastered by 宇都宮泰, studio HAMANO 
designed by ダダオ 
produced by 須山公美子 


◆本CD解説(須山公美子)より◆ 

「バンドを始めた18歳のころから20代までが、いちばん無鉄砲だった。(中略)ちょっと深いかもしれないが、信じられない位狭い視野、それがわたしの武器だった。
 バンドからソロになって、アルバイトをして貯めたお金で、4曲入り17センチ・シングル『虫の時』を自主制作した。それなりに話題にもなり、ぼちぼち売れた。大きな資本がなくたって、オトナのジャッジを受けてあれこれ引っかき回されなくたって、こうやって好きな音楽をレコードに出来ると、オトナ未満のわたしはオトナ社会を拒絶した。
 オトナ未満とはたぶん、今考えると、社会の一翼を担う自覚と、経済的および長期的な視野がまったく欠落していたということだ。」
「音楽三昧の大学生活も終わりに近づく頃、普通に就職させたかった両親が、知り合いの、有名な女性シンガー・ソングライターのお父さんを家に招いた。業界人であったその方に、業界で生きて行く大変さを語ってもらうつもりだったようだが、『虫の時』を聴かせたところ、その方が一変し、「お嬢さんは有名になりたいとか、そういう理由で音楽をしていませんね。経済的に可能なら、好きなようにさせてあげなさい」と、逆に両親を説得してくれた。
 今、この歳になると上記のエピソードに、とある解釈が加わる。業界人である前にオトナであるそのお父さんは、わたしとの面談と『虫の時』で、わたしの「ちょっと深いかもしれないが、信じられない位狭い視野」を鋭く見抜き、「こいつは業界で生き残れないのはもとより、普通に就職したら組織の迷惑になる」と結論づけ、あのような発言になったに違いない。思い当ることがありすぎる。
 ゼロレコードの平川さんが、最初のバンド、変身キリンからのご縁で「アルバムを作りましょう!」と声をかけて下さったのは、そんな頃だった。大学時代の音楽仲間に声をかけて作ったのが当アルバムだが、マンドリンの迎さん以外、みな初めて、かつ最後のレコーディングになったと記憶する。(中略)みんなオトナになったということか。わたしを置きざりにして…。夢を紡ぐとは、まあ、そういうことだ。」


◆本CDについて◆ 

透明ジュエルケース。ブックレット(全12頁)に歌詞、解説(須山公美子/zero records 創設者 平川晋/宇都宮泰)、トラックリスト&クレジット、写真図版2点。

絵にかいたような少女歌手、というか、丸尾末広が絵にかいたような少女歌手で、純粋で頽廃的でたいへんすばらしいです。
1984年は本作と戸川純玉姫様』で決まりです。

★★★★★ 


アラビアの夜 

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