須山公美子
Suyama Kumiko
『ただ一度の機会』
Ta da ichi do no ki kai
CD: Super Fuji Discs
制作・販売元: (株)ディスクユニオン
シリーズ: サウンド・エンジニア藤井暁ワークスシリーズ
FJSP254 (2016年)
¥2,300+税
帯文:
「語られなかった
「夢のはじまり」の
続きの物語が語りだす」
「名盤中の名盤
「夢のはじまり」(1986年)
発売直後のライブ音源集」
「録音技術の可能性を突き詰めた2ndアルバム「夢のはじまり」、その発売直後の豪華メンバーによるライブ、エンジニア(故)藤井暁が収めた録音テープを新たに編集。アルバム制作に大いに関わった藤井氏によるその世界をさらに大きくイメージしたライブ、全て初出。」
「監修:須山公美子
編集・マスタリング:宇都宮泰
写真:桑本正士」
1.月夜の真空管
2.山羊のコンウェル
3.おつかいの歌
4.アイレ可愛いや
5.しゃべらないわ
6.何日君再来
7.どろどろとける
8.一杯のコーヒーから
9.マラソンランナー
10.アラビアの夜
11.素敵なランデブー
12.星のかけら
13.少女歌手
14.ただ一度の機会
[演奏]
清水一登
ピアノ、バスクラリネット、クラリネット、ヴィブラフォン、パーカッション
原田節
オンド・マルトノ、ピアノ、アコディオン
飯島晃
ギター、マンドリン
溝口肇
チェロ
斎藤ネコ
ヴァイオリン
寒河江勇志
ベース
須山公美子
ボーカル、アコディオン
1986年12月28日 東京渋谷ジャンジャン M01,09,13
1986年12月21日 大阪梅田バナナホール M02,03,07,08,10-12,14,15
1986年12月13日 東京吉祥寺バウスシアター M01イントロ、M04-06
録音:藤井暁
編集、ミックス、マスタリング:宇都宮泰(studio HAMANO)
写真:桑本正士
デザイン:ダダオ
プロデュース:須山公美子
監修:川上綾子
監修協力:北島利容
[ご注意]
カセットテープからマスターを制作しました。よってそれに起因するノイズ等がございます。ご了承ください。
◆本CDについて◆
ブックレット(全8頁)に解説(須山公美子/宇都宮泰)、歌詞(「おつかいの歌」「どろどろとける」「ただ一度の機会」のみ)、トラックリスト&クレジット、写真図版(モノクロ)1点。
#13はEP『虫の時』より、#10はファースト『Les chansons qui filent du rêve...』より、#1,5,9,12はセカンド『夢のはじまり』より。#4,8は藤浦洸/服部良一 作の昭和歌謡、#11は原六郎 作の昭和歌謡、#6は中国映画の挿入歌、#14はドイツ映画の挿入歌に新たに歌詞をつけたもの。#2はのちにサード『わたしがなりたかったもの』(1990年)で再録。3,7は未発表曲です。
これだけすぐれたライヴ演奏が正式にレコードとしてリリースされることもなくカセットテープの中で眠っていたという事実は、阿部薫の全盛期の演奏のほとんどがカセットテープでしか残されていなかった事実と相俟って、日本の音楽業界の不能性を立証するようなものですが、本作の演奏が収録された当時は世間ではいわゆる「レトロブーム」で、昭和初期歌謡やブレヒトソングの再評価があって、あがた森魚の元祖レトロ『乙女の儚夢(ロマン)』『噫(ああ)無情』のLP再発(1979年)とそのCD化(1987年)に挟まれるようにして、吉田日出子が「上海リル」など昭和初期のジャズソングを歌った音楽劇&LP『上海バンスキング』(1981年)がヒットし、加藤登紀子が「唯ひとたびの」(=「ただ一度の機会」)などドイツ映画の主題歌やブレヒトソングを歌った『愛はすべてを赦す』(1982年)と「アラビアの唄」など昭和初期のジャズソングを歌った『夢の人魚』(1983年)が坂本龍一プロデュースによってリリースされ、またジョン・ゾーンやルー・リードなど豪華メンバーによるクルト・ワイル(ヴァイル)トリビュートアルバム『Lost in the Stars』(1985年)の日本盤もリリースされるなど、本作が華々しく登場する必然性は充分に存在していたのですが、いかんせん、ラディカルかつパタフィジカルすぎたようです。
★★★★★
山羊のコンウェル
どろどろとける
少女歌手
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