『シェーンベルク: 浄められた夜/組曲』
ピエール・ブレーズ/アンサンブル・アンテルコンタンポラン
CD: CBS/Sony Inc. (Tokyo Japan)
32DC 543 (1985年)
¥3,200
《組曲》 作品29
Suite, Op.29
1.第1楽章―序曲、アレグレット 8:32
Overture. Allegretto
2.第2楽章―舞踏の歩み、モデラート 7:23
Tanzschritte. Moderato
3.第3楽章―変奏曲 6:02
Thema mit Variationen
4.第4楽章―ジーグ 7:23
Gigue
弦楽六重奏曲 《浄められた夜》 作品4* 29:17
Verklärte Nacht, Op.4
ピエール・ブレーズ(指揮/監修*)
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
Members of the Ensemble Intercontemporain:
〈Suite, Op.29〉
Michel Arrignon, Alain Damiens, Clarinets
Guy Arnaud, bass Clarinet
Maryvonne Le Dizès-Richard, Violin
Jean Sulem, Viola
Pierre Strauch, Cello
Cristian Petrescu, Piano
Pierre Boulez, Conductor
〈Verklarte Nacht, Op.4〉
Charles-André Linale, Maryvonne Le Dizès-Richard, Violins
Jean Sulem, Garth Knox, Violas
Philippe Muller, Pierre Strauch, Cellos
Musical supervision: Pierre Boulez
録音データ
(組曲) 1982. 6. 14/(浄められた夜) 1983. 11. 6
Producer: Georges Kadar
Engineer: Didier Arditi
Recorded at Institut de Recherche et de Coordination Acoustique-Musique (IRCAM), Paris.
◆本CD解説(船山隆)より◆
「このアルバムに収められている2つの作品は、(中略)アルノルト・シェーンベルク(1874―1951)の両極端の2つの美学を代表している。1899年の夏に作曲された《浄められた夜》は、R.デーメルの官能的な詩に基づいて作曲された後期ロマン派風の表現主義の音楽であり、1925年の春に作曲された《組曲》(作品29)は、厳格な12音技法によって書かれた新古典派の色彩をもつ音楽なのである。西洋の音楽は、古典主義とロマン主義に最も典型的に見られるように、形式/内容、構成/表現、合理/非合理、客観/主観、アポロ的/ディオニソス的……といった2つの対立項目の複雑な網目のうえに成りたってきたが、この2項目の図式に従っていえば、《浄められた夜》は、内容、表現、非合理、主観、ディオニソス的な側面に光をあてた作品であり、また《組曲》(作品29)は、形式、構成、合理、客観、アポロ的な側面に力点をおいた作品といってよいだろう。
いわゆる《トリスタン》のスコアをぼかしてにじませたようなロマン的音楽、そして12音技法という合理的かつ数理的な書法で書きあげられた新古典的音楽――ブレーズとアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーはシェーンベルクのこうした対立的な美学をコントラストさせている。(中略)しかしさらに注意深い聴き手は、各々の作品のなかに、前述の2項目が透し模様のような形で織りこまれていることに気づくはずである。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット、船山隆による解説「ブレーズとシェーンベルク」、写真図版(モノクロ)1点。
★★★★★
Verklärte Nacht
Suite, Op.29
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