『シェーンベルク歌曲集Ⅰ』  グレン・グールド/ドナルド・グラム/エレン・フォール/ヘレン・ヴァニー

シェーンベルク歌曲集Ⅰ』 
シェーンベルク作品集 3 
グレン・グールド/ドナルド・グラム/エレン・フォール/ヘレン・ヴァニー  
グレン・グールドの世界 22 

Schönberg: 
Lieder vol. 1 

Glenn Gould 
Donald Gramm
Ellen Faull 
Helen Vanni 


CD: CBS/Sony Records 
シリーズ: グレン・グールドの世界 
28DC 5272 (1989年) 
税込定価¥2,627(税抜価格¥2,550) 

 

f:id:nekonomorinekotaro:20211014183135p:plain

 

帯文: 

「グールドが伴奏したシェーンベルクの貴重な歌曲集。」


シェーンベルク 
Schönberg 


2つの歌 作品1 
Zwei Gesänge, Op. 1 
1.1 5:55 
2.2 8:45 
(ドナルド・グラム: バス・バリトン) 
Donald Gramm, Bass-baritone 

歌曲集 作品2 
Vier Lieder, Op. 2 
3.Ⅰ 4:13 
4.Ⅱ 3:44 
5.Ⅲ 1:09 
6.Ⅳ 2:49 
(エレン・フォール: ソプラノ) 
Ellen Faull, Soprano 

歌曲集「架空庭園の書」 作品15 
Das Buch der hängenden Gärten, Op. 15 
7.第1曲 2:37 
8.第2曲 1:20 
9.第3曲 1:43 
10.第4曲 1:28 
11.第5曲 1:13 
12.第6曲 0:59 
13.第7曲 1:09 
14.第8曲 0:58 
15.第9曲 1:24 
16.第10曲 2:17 
17.第11曲 3:24 
18.第12曲 2:00 
19.第13曲 1:34 
20.第14曲 0:40  
21.第15曲 6:04 
(ヘレン・ヴァニー: メゾ・ソプラノ)
Helen Vanni, Mezzo-Soprano 

グレン・グールド(ピアノ) 
Glenn Gould, Piano 

録音: 
[1][2] ’65年1/5 
[3]~[6] ’64年6/11 
[7]~[21] ’65年6/10、11 
NYC 

「一部ノイズ等はオリジナル・マスター・テープに存在するため、ご了承ください。」


◆本CD解説(船山隆)より◆ 

バリトンとピアノのための2つの歌曲 作品1」
シェーンベルクの作品番号1の《2つの歌曲》は、1897年にウィーンで作曲され、1903年にベルリンのドライリリーエン社から作品2の《4曲の歌曲》とともに出版された。」
「第1曲《感謝》、第2曲《別離》のテキストは、当時はなやかな活動を開始したばかりの詩人カルル・フォン・レーヴェツォ(1871~1945)によっている。レーヴェツォは、1901年からシェーンベルクが働くことになるベルリンの文芸キャバレー〈ユーバーブレットル〉の指導者の1人で、ヴォルツォーゲン、デーメル、ヴェーデキント、ビアバウムらとともに、フランスの象徴主義の影響を受けながら新しい文芸運動を展開していた。」

「声とピアノのための歌曲集 作品2」 
「作品2の《4曲の歌曲》は、作品1の2年後の1899年に作曲され、作品1とともにアレキサンダー・フォン・ツェムリンスキーに献呈された。第1曲《期待》(リヒャルト・デーメル)、第2曲《おまえの金のくしを私にもおくれ―イエスの物乞い―》(デーメル)、第3曲《高揚》(デーメル)、第4曲《森の太陽》(ヨハネス・シュラーフ)の4曲からなり、第1曲と第4曲の自筆譜には、1899年8月9日、1899年11月16日という日付が記入されている。シェーンベルクはこの《4曲の歌曲》を作曲した直後から、同じくデーメルの詩を題材にした弦楽六重奏曲の作曲にとりくみ、1899年12月1日、出世作の《浄められた夜》を完成するのである。」
「《4曲の歌曲》の各曲は、後期ロマン派の音楽語法の伝統に根ざしながらも、豊かな半音階法、生き生きとした内声の対位法、つぎつぎに変化していく発展的変奏の技法など、シェーンベルク独自の音楽様式を明確にうちだしている。」

「歌曲集《架空庭園の書》 作品15」
「作品15の《架空庭園の書》は、(中略)1908年から1909年にかけて作曲され(中略)、1910年1月14日、ウィーンで開かれた〈シェーンベルクの夕べ〉で(中略)初演された。」
シェーンベルクの〈無調〉と〈表現主義〉という新しい音楽様式は、4度和音、発展的変奏の技法を効果的に用いて、従来のロマン主義とはまったく異なる音楽の世界を出現させることになった。こうした新しいスタイルの確立にあたって、シェーンベルクが、シュテファン・ゲオルゲの詩を用いたことは注目に価する。シェーンベルクは、この《架空庭園の書》以外にもこの時期にゲオルゲの詩をとりあげ、作品10の《弦楽四重奏曲第2番》(1908年)の第3楽章・第4楽章と作品14の《2つの歌曲》(1908年)でテキストとして用い、さらに1曲の作曲年代不明の未完の歌曲を残している。ゲオルゲの詩の厳格な構成による硬質な言葉の世界が、〈無調〉と〈表現主義〉のスタイルの確立のために不可欠の要素であったと考えることができるだろう。」
ゲオルゲの第1詩集《牧歌と讃歌・伝説と歌謡・架空庭園の書》は、1890年から1892年にかけて書かれた作品で、ニーチェの権力意志、ロマン的貴族主義、ボードレールの人工楽園の影響のもとに書きあげられた。この詩集で歌われる〈架空庭園〉とは、バビロニアの女王セミラミスが築いたといわれる伝説的な階段式の庭園で、この作品では、中近東風ないしアラビア風の雰囲気が全体を支配し、その官能的な雰囲気を基盤として、出口のない閉ざされた架空の庭園のなかで、満たされない甘美な愛と生滅への憧憬が歌われる。」
「《架空庭園の書》は、次のような15曲からなっている。(なおタイトルの翻訳は、(中略)川村二郎訳によった。)」
「第1曲 こんもりと茂った木の葉の守りのもと」
「第2曲 この楽園の木立をへめぐれば」
「第3曲 わたしはあなたの園の新参者」
「第4曲 唇がひたと動かずに燃えている」 
「第5曲 いっておくれ どの道の上を」 
「第6曲 これから後は どんな仕事もわたしにはかなわない」 
「第7曲 不安と希望がこもごもにわたしを押しひしぎ」 
「第8曲 今日もしあなたのからだに触れなければ」 
「第9曲 幸福はきびしく脆(もろ)い わたしたちにとって」
「第10曲 待ちこがれながらわたしは 美しい花壇をながめる」 
「第11曲 花に飾られた門のかなたに」 
「第12曲 深い褥(しとね)にうもれたきよらかな憩い」 
「第13曲 岸辺の銀楊(やなぎ)に あなたは身をもたせかけ」 
「第14曲 口にするのはおよし」 
「第15曲 夕べの小暗い亭(ちん)を 明るい御堂(みどう)を」」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全20頁)にトラックリスト(日本語表記)、曲目解説(船山隆/25AC2014レコード解説より転載)、歌詞対訳(深田甫)、「クラシックCDクラブ会員募集」。

★★★★★ 


Das Buch der hangenden Garten, Op. 15