『シェーンベルク歌曲集Ⅱ』
シェーンベルク作品集 4
グレン・グールド/ドナルド・グラム/コーネリス・オプトフ/ヘレン・ヴァニー
グレン・グールドの世界 23
Schönberg:
Lieder vol. 2
CD: CBS/Sony Records
シリーズ: グレン・グールドの世界
28DC 5273 (1989年)
税込定価¥2,627(税抜価格¥2,550)
シェーンベルク
Schönberg
1. 6つの歌 作品3 12:46
Six Songs for Voice and Piano, Op. 3
1.ゲオルク・フォン・フルンズベルクは如何に自らを歌ったか (「子供の魔法の角笛」より)
Wie Georg von Frundberg von sich selber sang
2.興奮 (ゴットフリート・ケラー)
Die Aufgeregten
3.警告 (リヒャルト・デーメル)
Warnung
4.婚礼のうた (ヤンス・ペーター・ヤコブセン)
Hochzeitslied
5.練習を積んだ心 (ゴットフリート・ケラー)
Geubtes Herz
6.自由保有 (ヘルマン・リング)
Freihold
(ドナルド・グラム: バス・バリトン〈第1曲〉)
Donald Gramm, Bass-baritone
2. 2つのバラード 作品12 11:48
Two Ballads for Voice and Piano, Op. 12
1.ジェイン・グレイ (ハインリッヒ・アマン)
Jane Grey
2.決死隊 (ヴィクトル・クレンペラー)
Der verlorene Haufen
(コーネリス・オプトフ: バリトン〈第2曲〉)
Cornelis Opthof
3.3つの歌 作品48 5:52
Three Songs for Voice and Piano, Op. 48
1.夏のけだるさ (ヤコブ・ハイリンガー)
Sommermüd
2.死して (ヤコブ・ハイリンガー)
Tot
3.乙女の歌 (ヤコブ・ハイリンガー)
Mädchenlied
4.2つの歌 作品14 5:32
Two Songs for Voice and Piano, Op. 14
1.私が感謝するのは許されていない (シュテファン・ゲオルゲ)
Ich derf nicht dankend
2.この冬の日々に (ゲオルク・ヘンケル)
In diesen Wintertagen
5.2つの歌 (遺作) 3:57
Two Songs for Voice and Piano, Op. Posth
1.思い出
Gedenken
2.海辺にて (ライナー・マリア・リルケ)
Am Strande
6.8つの歌 作品6 20:43
Eight Songs for Voice and Piano, Op. 6
1.夢の生活 (ユリウス・ハート)
Traumleben
2.すべてのもの (リヒャルト・デーメル)
Alles
3.娘の歌 (パウル・レーマー)
Mädchenlied
4.見捨てられた (ヘルマン・コンラーディ)
Verlassen
5.ガーゼル (ゴットフリート・ケラー)
Ghasel
6.路傍にて (ジョン・ヘンリー・マッケイ)
Am Wegrand
7.誘惑 (クルト・アラム)
Lockung
8.さすらい人 (フリードリッヒ・ニーチェ)
Der Wanderer
(ヘレン・ヴァニー: メゾ・ソプラノ)
Helen Vanni, Mezzo-Soprano
グレン・グールド(ピアノ)
Glenn Gould, Piano
録音:
[1] ’64年1/5、’65年1/5 NYC
[2] ’68年4/10、71年5/3 Toronto
[3] ’72年9/15
[4] ’68年4/9
[5] ’68年4/9、10
[6] ’68年2/27~29 NYC
Producers: Andrew Kazdin, Thomas Frost
「一部ノイズ等はオリジナル・マスター・テープに存在するため、ご了承ください。(又、グールド自身の歌い声も一部ございます。)」
◆本CD解説(石田一志)より◆
「中声とピアノのための〈6つの歌曲〉 作品3」
「作品1、2と共に、1904年ベルリンのドライ・リーリエン社から出版された初期の一連の歌曲集のひとつ。作曲期間は1899年から1903年11月にわたっており、デーメルの詞による第3曲〈Warnung 警告〉とヤコブセンの詞による第4曲〈Hochzeits lied 婚礼の歌〉は、それぞれ〈浄夜〉op.4(1899年)と〈グレの歌〉(1900~1911)の準備期に作曲されている。いうまでもなく前者はデーメルの詩に基づく標題楽であり、後者はヤコブセンの物語詩をテキストにしている。」
「声とピアノのための〈2つのバラード〉 作品12」
「ベルリンの雑誌〈Woche 週〉の募集した最優秀バラード賞に応募するため、1907年3月から4月にかけて作曲された作品。残念ながら入賞は果せなかった。」
「低声とピアノのための〈3つの歌曲〉 作品48」
「ベルリン時代の最後の作品でまた独唱歌曲としても最後の作品である。第1曲が1933年1月14~15日、第2曲が同2月17~18日、第3曲が同2月18~23日の作曲。同5月17日、シェーンベルクはベルリンを去り、パリを経由してアメリカへと亡命する。いずれも、12音技法で書かれているが、繊細で表情に富む旋律ときわめて透明な伴奏が特徴で、そのリリシズムは初期の歌曲を思わせる。」
「声とピアノのための〈2つの歌曲〉 作品14」
「1908年3月に着手し翌年7月グムンデンで完成した第2弦楽四重奏曲作品10で、シェーンベルクは第1期の調性語法の時代から第2期の自由な無調時代へと突入する。1908年2月にその第1曲が作曲された作品14は、第1期から第2期への過渡期に位置すると云えよう。」
「声とピアノのための〈2つの歌曲〉 遺作」
「1962年になって(中略)発見された歌曲。第2曲の〈Am Strande 海辺にて〉の自筆譜には1909年2月8日の日付けが記入されており、作曲者自身が鉛筆で「作品14と同時期に、ゲオルゲ歌曲作品15以前に書かれた」とメモしているとのことである。(中略)作詞者名も作曲年月も不明な第1曲〈Gedanken 思い出〉が、様式の上では作品14と同期、作品15以前というところと想像される。」
「声とピアノのための〈8つの歌曲〉 作品6」
「第1曲と第4曲が1903年12月18、19の両日に書かれているが、他は1904年から5年にかけて作品8の歌曲と並行して作曲されている。語法上は典型的な「拡大された調性」で、事実シェーンベルク自身、後に著した理論書の「和声の構造的機能」のなかで、浮遊性和声の実例として、この曲集の第8曲〈Lockung 誘惑〉を挙げて分析している程である。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全20頁)にトラックリスト(日本語表記)、解説(石田一志/25AC2015レコード解説より転載)、歌詞対訳(石田一志)、「クラシックCDクラブ会員募集」。
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