幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『サティ: ピアノ作品集 1』  高橋悠治

『サティ: ピアノ作品集 1』 
高橋悠治 

Erik Satie 
Pièces pour piano 
Yuji Takahashi 


CD: DENON日本コロムビア株式会社 
32C37-7485 (1985年) 
¥3,200 

 

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高橋悠治 
サティ・ピアノ作品集―1 [52:48] 
Erik Satie / Pièces pour piano - 1 


1-3. ジムノペディ Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (1988) 8:18 
Gymnopédies 
4-6. グノシエンヌ Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (1890) 7:14 
Gnossiennes 
7. 天国の英雄的な門の前奏曲 (1894) 4:25 
Prélude de la porte héroïque du ciel 
8. ジュ・トゥ・ヴゥ (1900) 4:37 
Je te veux 
9-11.冷たい小品(Airs à faire fuir) Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (1897) 6:08 
Pièces froides (Airs à faire fuir) 
12-14. 冷たい小品(Danses de travers) Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (1897) 5:08 
Pièces froides (Danses de travers) 
15-19. ノクテュルヌ Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ-Ⅳ-Ⅴ (1919) 15:43 
Nocturnes 
20. ラグ・タイム・パラード(編曲: H. Ourdine) (1917) 1:15 
Rag-Time Parade transcription: Hans Ourdine 

高橋悠治 
Yuji Takahashi 
ピアノ(スタインウェイ) 
piano (Steinway

録音年月日、所: 1976年1月28/29日 
日本コロムビア第1スタジオ 
Recording: 28/29 January 1976 
Nippon Columbia Studio No. 1, Tokyo 
制作担当: 川口義晴 
Recording Director: Yoshiharu Kawaguchi 
録音担当: 林正夫 
Recording Engineer: Masao Hayashi 
テープ編集: 久木崎秀樹 
Editing: Hideki Kukizaki 


◆本CD解説(美山良夫)より◆ 

「サティの作品には、3曲からなるものが多い。三位一体の3、フリーメイソンの神秘数も3――おそらくサティも数の神秘にこだわっていたであろう。その彼が、今日では知られることの少ないジュール・ボワの秘教的演劇のために作ったのが《天国の英雄的な門の前奏曲》である。この「完璧な」(タンプリエ)作品が、ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》と同年の作品であるのは興味ぶかい。そのドビュッシーが編曲した《ジムノペディ》がショーソンの指揮で演奏された(これは公開演奏会でサティの作品がプログラムを飾った最初であった)1897年の作品である《冷たい小品》は、二つの部分に分けられる。第1曲は(中略)〈逃げ出させてしまうような歌〉 Airs à faire fuir というタイトルが与えられている。2曲目は〈曲がったダンス〉 Danses de travers で、フォーレのスタイルとの近親性を指摘する人もいる。
 1898年にパリの南郊アルクイユへ転居したサティは、貧困のなかで、さまざまな所でピアノを弾かせてもらいながら口に糊する生活を続けた。彼が50曲以上のポップ調の歌をつくったのはこのころである。そのひとつ《ジュ・トゥ・ヴゥ》(中略)は、モンマルトルの歌手ヴァンサン・イスパらのために書いたポピュラー・ソングである。」
コクトーの台本、サティの「騒音」、ピカソの舞台装置がディアギレフのロシア・バレエ団の興行のなかで一体化した《パラード》は、1910年代の前衛の最も見事な成功であった。《ラグ・タイム・パラード》は、この作品中のラグ・タイムを Hans Ourdine がピアノ独奏に編曲したものである。」


◆本CDについて◆ 

全三巻のうちの第一巻。

ブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット、美山良夫による解説、演奏者紹介(無記名)、解説&演奏者紹介の独・英訳。

★★★★★ 


Gymnopedies: I. Lent


Prelude de la Porte Geroique du Ciel