幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

アン・ブリッグス  『ブラックウォーター・サイド(コンプリート・レコーディングス・フロム・トピック)』

アン・ブリッグス 
『ブラックウォーター・サイド(コンプリート・レコーディングス・フロム・トピック)』 

Anne Briggs 
Blackwater Side 
(Complete Recordings From TOPIC) 

European Traditional Collection 17 


CD: キングレコード株式会社 
シリーズ: ユーロ・トラッド・コレクション 
KICP-2082 (1990年) 
税込定価¥2,800(税抜価格¥2,718) 

 

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ブックレット(表)。

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ブックレット(裏)。


帯文: 

「ブリティッシュ・フォークの永遠の恋人、
幻のアン・ブリッグスが今蘇る。
世界初の全TOPIC盤集大成!」


帯裏文: 

「これぞまさしく奇跡のリリース。ブリティッシュ・フォークの永遠の恋人、幻のアン・ブリッグスが今蘇る。ジプシーの血をひくと言われ、バート・ヤンシュも絶賛した自らのギターをバックに淡々とひとり風に向かって歌ったブリッグス。しかし彼女の録音はごく僅かしかない。このCDは71年の唯一のTOPIC盤LPをベースに知られざるEPアルバムやオムニバス盤収録曲など全TOPIC録音を集大成してこの特異なスタイリストを永遠に記憶する。」


1.ブラックウォーター・サイド 
Blackwater Side (Trad.) 
2.雪 
The Snow It Melts The Soonest (Trad.) 
3.ウィンズベリーのウィリー 
Willie O Winsbury (Trad.) 
4.ゴー・ユア・ウェイ 
Go Your Way (Briggs) 
5.ソニモーの森 
Thorneymoor Woods (Trad.) 
6.カッコー 
The Cuckoo (Trad.) 
7.レイナーディン 
Reynardine (Trad.) 
8.ヤング・タンブリン 
Young Tambling (Trad.) 
9.水辺の暮らし 
Living By The Water (Briggs) 
10.ボニー・ラッド 
Maa Bonny Lad (Trad.) 
11.私の少年炭坑夫 
The Recruited Collier (Trad.) 
12.新入りの女工 
The Doffing Mistress (Trad.) 
13.ロウランズ 
Lowlands Away (Trad.) 
14.マイ・ボニー 
My Bonny Boy (Trad.) 
15.ポリー・ヴォーン 
Polly Vaughan (Trad.) 
16.ローズマリー・レーン 
Rosemary Lane (Trad.) 
17.五月の歓び 
Gathering Rushes In The Month Of May (Trad.) 
18.めまい 
The Whirly Whorl (Trad.) 
19.石切り工 
The Stone Cutter Boy (Trad.) 
20.聖マーティンの頃 
Martinmass Time (Trad.) 


(1-10)
"ANNE BRIGGS" (12T207) 
Recorded '71 by SEAN DAVIES 
Produced by A.L. LLOYD 

(11,12) 
"THE IRON MUSE" (12T86) 
Published '56 
Recorded by BILL LEADER & PAUL CARTER 

(13-16) 
"THE HAZARDS OF LOVE" (TOP94) 
Published '63 
Recording supervised by PAUL CARTER 

(18-20) 
"THE BIRD IN THE BUSH" (12T135) 
Published '66 

Licensed by TOPIC RECORDS 


◆本CD解説(牛沢朗)より◆ 

「このCDの主人公アン・ブリッグスは60年代の英国フォーク・リバイバル史上たいへんポピュラーな名前なのですが、そのレコーディングの少なさと70年代初期にはフォーク・シーンから姿を消してしまったこと等、“カルト”的要素を多分にトラッド・ファンに植え付けました。彼女は1944年ノッティンガム生まれ。62年、17才の頃からシンガーとしてのキャリアをスタートさせています。本CDの中では[11]~[16]がその頃の吹込みで、[11][12]は産業革命から現在までのインダストリアル・フォーク・ソングを集めたオムニバス・アルバムに収録されていたものです。(中略)このアルバムは英国のフォーク・リバイバルの立役者故A・L・ロイドが中心となって作られたものですが、恐らくこの時、ロイドに見込まれたのでしょう。その年には彼女名義の4曲入りEPを出しています。それが[13]~[16](中略)ですが、(中略)ここに一人の悪友が登場します。
 その名をバート・ヤンシュといって、(中略)彼女を、ロンドンのフォーク界に呼び込んでしまいます。(中略)彼女もトラディショナル・ソングを披露する代わりに、ギターを習い、自作曲を書き始めたのでしょう。(中略)しかし(中略)「ザ・バード・イン・ザ・ブッシュ」の4曲[17]~[20]で60年代の録音は終ってしまいます。」
「さて、71年になり、ようやく待望のフルLPが発売されます。([1]~[10])、(中略)冒頭の[1]は、(中略)バート・ヤンシュが「ジャック・オライオン」で取り上げ、この少し後に、サンディ・デニーがソロ・アルバム「海と私のねじれたキャンドル」でもレパートリーに入れている有名なトラッド・ナンバー。(中略)[2]と[3]はペンタングルのラスト・アルバム「ソロモンの封印」にも取り上げられていました。(中略)[4]と[9]は彼女の自作曲。[4]はヤンシュによって67年の「ニコラ」で取り上げられていたもの。」


◆本CDについて◆ 

ジュエルケース(白トレイ)。ブックレット(全32頁)に牛沢朗による解説、歌詞対訳(大島豊・訳)、イラスト入りのブックレット表紙は本シリーズ独自のデザインで、オリジナルのジャケットデザインはブックレット裏表紙に掲載されています(本CDではLPとEP、2枚のオムニバス盤の計4点が並べて掲載されています)。

★★★★★ 


The Snow It Melts The Soonest 

 

Anne Briggs - Folk Song Cellar, August 1966