『Les Mariés de la Tour Eiffel: Spectacle de Jean Cocteau』
Orchestre National de l'O.R.T.F. / direction: Darius Milhaud
CD: Ades
14.146-2
Fabriqué en France par MPO
1. Les Mariés de la Tour Eiffel 46'52
Spectacle de Jean Cocteau
Musique de Groupe des Six
Georges Auric: Ouverture "Le 14 Juillet"
Darius Milhaud: Marche nuptiale
Francis Poulenc: Discours du Général
Francis Poulenc: La baigneuse de Trouville
Germaine Tailleferre: Valse des dépêches
Arthur Honegger: Marche funèbre
Germaine Tailleferre: Quadrille
Georges Auric: Ritournelles
Darius Milhaud: Sortie de la Noce
Phono 1: Pierre Bertin
Phono 2: Jacques Duby
Indications scéniques lues pour les besoins du disque par Caroline Cler
Orchestre National de l'O.R.T.F.
Direction: Darius Milhaud
1er enregistrement intégral conforme à la création scénique du 18 Juin 1921
Direction artistique: Jacques Pradere
(P) 1966
2-6. Louis Durey: Les Soirées de Valfère op. 96
Suite pour quintette à vent.
2. Preambule 4'43
3. Dialogue-poursuite 2'17
4. Digression 2'29
5. Trilogue de Noël 3:39
6. Rondeau-tarentelle 2'12
Quintette a vent de Paris:
Jacques Castagner, flûte
Robert Casier, hautbois
André Boutard, clarinette
Michel Bergès, cor
Paul Hongne, basson
(P) 1980
◆本CDについて◆
ブックレット(全8頁)に「L'enregistrement des "Mariés"」(Darius Milhaud, 1966)、「Une oeuvre commune peu commune」(Lucien Adès, 1966)、「Les Mariés... du Groupe des Six」(Jacques Pradère)、「Louis Durey (1888-1979) "Les Soirées de Valfère", suite pour quintette op. 96 (1963).」(Frédéric Robert)。
ジャン・コクトー台本、フランス六人組のうちジョルジュ・オーリック、ダリウス・ミヨー、フランシス・プーランク、ジェルメーヌ・タイユフェール、アルチュール・オネゲルの五人が楽曲を提供(ルイ・デュレは不参加)した「スペクタクル」『エッフェル塔の花嫁花婿』(1921年初演)を、ミヨーが指揮、コクトーによる台詞(&ト書き)も全て収録した完全版で、録音は1966年。CD版ではルイ・デュレによる管楽五重奏曲「ヴァルフェール通りの夜会」(1963年作曲、録音は1980年)が追加されていて、六人そろって何よりです。
『エッフェル塔の花嫁花婿』の序曲はオーリック作曲。舞台はエッフェル塔の第一展望台、状況説明と登場人物の台詞の代弁をするのは蓄音機に扮した二人の男(本録音ではト書き担当で女の人が加わっています)。ダチョウを追って狩人が登場、狩人は誤って電報を打ち落とす。電報はエッフェル塔の支配人宛で、結婚披露に行くから食事の用意をたのむとある。「だがこの電報は先刻死んでしまったはず」「死んだればこそ、このように皆に意味が分るのです」。結婚式の行列(ミヨー作曲「結婚行進曲(登場)」)、食事会での「陸軍大将の演説」(プーランク作曲)、「陸軍大将の演説はオーケストラがやる。大将は身振りだけする」(ト書き)。その後、陸軍大将がアフリカで体験した不思議な出来事の話をする。「サンドイッチに蜂がたかっていたが、よく見たらそれは虎だった。数マイル先にいる虎が幻影現象によってサンドイッチに映ったのを蜂と見誤ったのだった」。そこにショートパンツ姿の自転車乗りの女性が登場するが、それも本当は別の場所にいる女性の幻影現象である。写真師が集合写真を撮ろうとして、「みなさんレンズをごらんください。鳥が飛び出しますよ」というと、レンズから水着姿の女性が飛び出して踊る(プーランク作曲「トルーヴィル海水浴場の水着女」)。写真師はやっとのことで水着女性をカメラの中へ戻す。写真師がまた「レンズをごらんください。小鳥が飛び出しますよ」というと、少年が飛び出す。「少年は結婚式の一座をみな殺しにするつもりです」(ミヨー作曲「殺戮(フーガ)」)。そこに電報が飛んで来る。皆で電報をつかまえる(タイユフェール作曲「電報のワルツ」)。少年は陸軍大将と写真を撮ってもらいたがって、写真師が「鳥が出ますよ」というとライオンが飛び出し、ライオンは大将を追いかけて食べ、カメラの中に戻る。大将の葬式(オネゲル作曲「葬送曲」、『ファウスト』のワルツのパロディ)、そして近衛軍楽隊による「カドリール」(タイユフェール作曲)。再びダチョウが登場、写真師はダチョウをカメラの中に隠す。そこへ画商とモダンアートの収集家が登場。画商に言いくるめられた収集家は「結婚式」を購入し、画商は結婚式一同の上に「売約済み」の札を立てる。写真師が一同の写真を撮ろうとするとカメラが「陸軍大将を吐き出したい」といい、長靴を片方失くした大将が出て来て、一同に加わって並ぶ。写真師が「レンズをごらんください。鳥が出ますよ」というとレンズから鳩が出る。「平和が調印されました」。一同はカメラの中へ入り込む。そこへ支配人が登場して閉場を告げる。狩人が登場して「終列車に乗せろ」というが断られる。カメラは汽車になって出て行く(ミヨー作曲「結婚行進曲(退場)」)。カメラの蛇腹にあいた窓から結婚式一同がハンカチを振っているのが見える。蛇腹の下には歩いて行く足が見える。
なぜ最後に汽車が出てくるのかというと、舞台がエッフェル塔の展望台(plate-forme)=プラットホームだからです。
★★★★★
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