『伊福部昭:協奏三題 伊福部昭の世界 2』
Akira Ifukube
3 Concertos
CD: 株式会社フォンテック
FOCD3143 (1991年)
税込定価¥3,100(税抜価格¥3,010)
Made in Japan
帯文:
「伊福部芸術――その内奥のドラマを知る
伊福部喜寿記念第二弾待望のCD化!」
1.ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ(1961) 19:34
RITMICA OSTINATA per Pianoforte ed Orchestra
ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲[ヴァイオリン協奏曲第1番](1948) 23:45
RAPSODIA CONCERTANTE per Violino ed Orchestra [Violin Concerto No. 1]
2.Ⅰ. Adagio - Allegro 13:34
3.Ⅱ. Vivace spirituoso 10:11
4.二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ(1982) 28:44
EGLOGUE SYMPHONIQUE pour Koto à vingt cordes et Orchestre
井上道義
Michiyoshi INOUE: conductor
藤井一興
Kazuoki FUJII: piano
小林武史
Takeshi KOBAYASHI: violin
野坂恵子
Keiko NOSAKA : Twenty-String Koto
東京交響楽団
Tokyo Symphony Orchestra
Recording Date
10 Feb. 1983 Live Rec.
Location
Kan-i Hoken Hall
Art Director
Shizumune MATSUDA
◆本CD「楽曲解説」より◆
「ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ」
「リトミカ・オスティナータとは、執拗に反復される律動という意です。
作者が嘗て中国に遊んだ時、小さな仏像が四方の壁全面に嵌め込まれている堂を見て、その異様な迫力に深い感動を覚えたことがあります。そのことが、この作品の構成のヒントになっています。
一方、吾が国の伝統音楽の律動は2と4等の偶数で出来ていますが、不思議なことに韻文では5と7が基礎となっています。この作品ではこの韻文のもつ奇数律動を主体としました。又、旋法としては伝統音階に近い六音音階(ヘクサトニック)を用いましたが、これ等三つの要素の統合によって、アジア的な生命力の喚起を試みたものです。」
「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」
「長い歴史をもつヴァイオリン音楽には、それぞれ勝れた様式や流派が確立されていますが、この作品ではそれ等から少し離れたいわばジプシィ・ヴァイオリンに近い様式がとられています。
それは、余りにも洗練され、ヨーロッパ化した様式と、又、近代の虚脱から逃れてみたいと考えたからに他なりません。――この楽器の祖先は本来アジアなのですから。
第一楽章では主として旋律的な要素に、又、第二楽章では律動的な面に主眼がおかれています。」
「二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ」
「『エグログ』とは、対話形式をとった田園詩といった意をもつ語です。
この作品では、二十絃箏と近代管弦楽との対話によって、私達の伝統感性に、より近い音響世界を創ってみたいと考えました。
歴史と機能を全く異にする楽器を組み合わせることには、多くの問題がありますが、インドに於けるシタール、スペインのギター等のコンチェルトを思う時、日本の箏に対して、何か責務のようなものさえ感じたのでした。
曲は、一楽章形式で、自由な三部構成をとっています。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全12頁)に「伊福部先生との仕事」(大森一樹)、「楽曲解説」(「1983年2月10日「伊福部昭/協奏四題」プログラムより転載」)、作曲者・演奏者紹介、写真図版(モノクロ)5点。ブックレット裏表紙に写真図版(カラー)1点。
それぞれピアノ、ヴァイオリン、二十絃箏をフィーチャーしています。これに「オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ」を加えると「協奏四題」です。
「リトミカ・オスティナータ」のピアノはパーカッシヴです。「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」には「ゴジラのテーマ」の原型が出てきます。
★★★★★