幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『伊福部昭|交響作品集』  山田一雄/新星日本交響楽団 

伊福部昭|交響作品集』 
山田一雄/新星日本交響楽団 

Akira IFUKUBE 
WORKS FOR ORCHESTRA 

Kazuo YAMADA (conductor) 
Keiko ABE (marimba) 
SHINSEI NIHON SYMPHONY ORCHESTRA 


CD: 株式会社フォンテック 
FOCD3222 
¥3,200 
Made in Japan 

 

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帯文: 

山田一雄=新星日響ならではの熱演。
初演時「ラウダ」の熱気と初登場「三連画」を含め、伊福部作品の魅力を伝える。」


日本狂詩曲(1935) 
JAPANESE RHAPSODY 
1.Ⅰ. 夜想曲 6:51 
Nocturne 
2.Ⅱ. 祭り 6:56 
Fête 

土俗的三連画(1937) 
TRIPTYQUE ABORIGÈNE 
3.Ⅰ. 同郷の女たち 3:03 
Payses "Tempo di JIMKUU" 
4.Ⅱ. ティンベ 2:08 
TIMBE nom regional 
5.Ⅲ. パッカイ 4:44 
PAKKAI "chant d'AINO" 

6.オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ(1979) 26:25 
LAUDA CONCERTATA per Orchestra e Marimba 


山田一雄 
Kazuo YAMADA: conductor 

安倍圭子 
Keiko ABE: marimba [6] 

新星日本交響楽団 
SHINSEI NIHON SYMPHONY ORCHESTRA 


Recording Director 
Fumio AKABORI 
〈Shinsei Nihon Symphony Orchestra〉 

Recording Engineer 
Ikuya YAMAGUCHI 

Art Director 
Shizumune MATSUDA 

Recording Date 
13 May '80/27 May '86/12 Sep. '79 
(Live Recording) 

Location 
TOKYO BUNKA KAIKAN 

「各曲の表示時間は、演奏のみの時間です。」


◆本CD解説(小村公次)より◆ 

「「日本狂詩曲」」
伊福部昭が21歳の時に全くの独学で完成した最初の管弦楽作品。」
「原曲は《じょんがら舞曲》《夜曲》《祭》という3楽章構成だったが、チェレプニン賞応募の際、制限時間の関係で第1楽章を割愛し、2楽章構成の作品として送付した。結果は審査員の満場一致による第一位を獲得、世界5都市で出版、演奏が行なわれた。(中略)日本での舞台初演は、山田一雄指揮による新星日響第40回定期演奏会(1980年5月13日、東京文化会館)で行われた。
 曲は3管編成に9人の打楽器奏者が加えられており、その打楽器は歌舞伎の拍子木、祭太鼓の胴打ち、桶胴、柏板などの響きがイメージされている。」

「「土俗的三連画」」
「「日本狂詩曲」に続く作曲者2番目のオーケストラ作品で、前作の反動として原曲では1管編成14人のソロという独特の編成をとっている。このCDに収録された山田一雄指揮による新星日響第91回定期演奏会(1986年5月27日)の演奏では、弦楽器を原曲よりも増やしたかたちで演奏されている。」
「作曲者は当時林務官として北海道東端の寒村で暮らしており、その地で見聞した土俗的な生活への共感から生まれた作品である。」

「「オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ」」
「新星日本交響楽団の創立10周年記念作品として委嘱されたもので、初稿は1976年7月19日に完成したが、初演に際して独奏パートに若干の改訂が加えられた。作品に関して作曲者は次のような言葉を寄せている。
 「ラウダ・コンチェルタータとは、司伴楽風な頌歌と言う程の意ですが、この作品では、マリンバとオーケストラとの協奏の形がとられています。ゆるやかな、頌歌風な楽案は、主としてオーケストラが受けもち、マリンバは、その本来の姿である打楽器的な、時に野蠻にも近い取扱いがなされています。この互いに異なる二つの要素を組み合せること、言わば、祈りと蠻性との共存を通して、始原的な人間性の喚起を試みたものです。」(初演プログラムより)」
「楽器編成は三管編成。初演は山田一雄の指揮、安倍圭子のマリンバ独奏による新星日響創立10周年記念第36回定期演奏会(1979年9月12日、東京文化会館)で行われた。」


◆本CDについて◆ 

二つ折りブックレット内側に写真図版(モノクロ)3点、ブックレット裏表紙に写真図版(カラー)1点。投げ込み(4頁)に小村公次による解説。

ライヴ録音。野蛮なマリンバがよいです。「日本狂詩曲」と「ラウダ・コンチェルタータ」は1980年代にLP(「伊福部昭 管弦楽選集(2)」FONC-5031)としてリリースされたものです。

★★★★★ 


日本狂詩曲