幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『ミュージングゾーンⅠ|武満徹作品集』 

『ミュージングゾーンⅠ|武満徹作品集』 

MUSING ZONE I 
WORKS BY TORU TAKEMITSU 


CD: 株式会社フォンテック 
FOCD3254 
税込定価¥3,008(税抜価格¥2,920) 
Made in Japan 

 

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帯文: 

「いま、〈TAKEMITSU〉美学への敬意と共感― 
弦楽器作品を中心に、特に「妖精の距離」、「揺れる鏡の夜明け」は初登場です。」


1.DISTANCE DE FÉE for violin and piano (1951) 7:38 
妖精の距離――ヴァイオリンとピアノのための 

2.HIKA for violin and piano (1966) 4:40 
悲歌――ヴァイオリンとピアノのための 

3.FROM FAR BEYOND CHRYSANTHEMUMS AND NOVEMBER FOG for violin and piano (1983) 7:59 
十一月の霧と菊の彼方から――ヴァイオリンとピアノのための 

ROCKING MIRROR DAYBREAK for violin duo (1983) 
揺れる鏡の夜明け――ヴァイオリン・デュオのための 
4.I. Autumn 〔秋〕 2:53 
5.II. Passing Bird 〔過ぎてゆく鳥〕 3:48 
6.III. In the Shadow 〔影の中で〕 2:39 
7.IV. Rocking Mirror 〔揺れる鏡〕 3:03 

8.ORION for cello and piano (1984) 12:29 
犂――チェロとピアノのための 

9.A WAY A LONE for string quartet (1981) 12:48 
ア・ウェイ・ア・ローン――弦楽四重奏のための 


Takashi SHIMIZU ([1]-[3]) 
清水高師―violin 
Kumi OGANO ([1]-[3]) 
小賀野久美―piano 
Irvine ARDITTI ([4]-[7])
アーヴィン・アルディッティ―violin 
David ALBERMAN ([4]-[7]) 
デーヴィッド・アルバーマン―violin 
Noboru KAMIMURA ([8]) 
上村昇―violonello 
Kazuoki Fujii ([8]) 
藤井一興―piano 
ARDITTI STRING QUARTET ([9]) 
アルディッティ弦楽四重奏団 
Irvine ARDITTI―violin 
David ALBERMAN―violin 
Levine ANDRADE―viola 
Rohan de SARAM―violoncello 


Producer 
Tadashi SAKUDA 
Harry VOGT ([4]-[7]) 

Director 
Akira MATSUDA 

Engineer 
Takao OHMURA 
Francois ECKERT ([4]-[7]) 

Assistant Engineer 
Franz-Peter ESSER ([4]-[7]) 
Walburga POPP ([4]-[7]) 

Art Director 
Tsunemi MORIMOTO 

Cover Photographer 
Hikaru SASAKI 

Photo of Toru TAKEMITSU 
Akira KINOSHITA 

Recording Date 
10 Mar. 1989 ([1]-[3]) 
19 Dec. 1988 ([4]-[7]) 
28 Jun. 1989 ([8]) 
22 Oct. 1988 ([9]) 

Location 
Vario Hall, Tokyo ([1]-[3]) 
Stollbergerstrasse Studio, Cologne ([4]-[7]) 
Isehara Public Hall, Kanagawa ([8]) 
Casals Hall, Tokyo ([9]) 


◆本CD「楽曲ノオト」(武満徹)より◆ 

「●「妖精の距離」――ヴァイオリンとピアノのための(1951)」
瀧口修造の同名の詩に想をえて作曲された。(中略)1952年に作曲されたピアノのための「遮られない休息」と、対をなす作品。」

「●「悲歌」――ヴァイオリンとピアノのための(1966)」
「1952年に作曲された「遮られない休息」の第三曲「愛のうた」の音素材を基に作曲されている。」

「●「十一月の霧と菊の彼方から」――ヴァイオリンとピアノのための(1983)」
「第2回日本国際コンクール、ヴァイオリン部門の課題曲として作曲された。曲のタイトルは大岡信(まこと)の詩、『影のなかで』の一節からとられている。」

「●「揺れる鏡の夜明け」――ヴァイオリン・デュオのための(1983)」
「作品は大岡信とトマス・フィッツシモンズ(Thomas Fitzsimons)による同名の連詩(linked poem)に基いて作曲されている。
 曲は次の四つの部分から成っている。
 Ⅰ. 秋 Autumn (フィッツシモンズ・詩) 
 Ⅱ. 過ぎてゆく鳥 Passing Bird (大岡信・詩) 
 Ⅲ. 影のなかで In the Shadow (大岡信・詩) 
 Ⅳ. 揺れる鏡 Rocking Mirror (フィッツシモンズ・詩)」

「●「犂〈オリオン〉」――チェロとピアノのための(1984)」
「チェロとピアノのための「犂〈オリオン〉」は、独奏チェロのメリスマ的な旋律が、オリオン三星に象徴される、明確な線に形成されていくまでのプロセスである。そしてここでは当然「3」という数が支配的である。」

「●「ア・ウェイ・ア・ローン」――弦楽四重奏のための(1981)」
「曲名の「ア・ウェイ・ア・ローン」は、ジェイムス・ジョイスの小説『フィネガンズ・ウェイク』の中の、つぎの一節から採られた造語。
“The keys to. Given! A way a lone a last a long the” (FW 628) 
 ヴァイオリンとオーケストラのための「遠い呼び声の彼方へ!」と同様、曲は“海”の音程関係(Sea: E♭, E, A)によって支配されている。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全8頁)にトラックリスト&クレジット、「武満徹の〈歌〉」(浅田彰)、「楽曲ノオト」(武満徹)およびその英訳、演奏者紹介、写真図版(モノクロ)5点。裏表紙に写真図版1点。

「ミュージングゾーン」全三巻のうちの『Ⅰ』。2005年リリースの『室内楽作品集成1』(FOCD9226)と同一内容です。

★★★★★