UA
『泥棒』
CD: Speedstar / Victor Entertainment, Inc.
VICL-60974 (2002年)
定価¥3,045(税抜価格¥2,900)
1.記憶喪失
lyrics: UA music: 朝本浩文
2.閃光(Album Ver.)
lyrics+music: UA
3.泥棒
lyrics: UA music: ASA-CHANG & 鈴木正人
4.瞬間
lyrics: UA music: エミ・エレオノーラ
5.世界
lyrics: UA music: 高木二郎
6.ブエノスアイレス
lyrics: UA music: KIKI
7.ドア
lyrics+music: UA
8.彼方
lyrics: UA music: 鈴木正人
Guitar: 名越由貴夫
Bass: 鈴木正人(Little Creatures)
Drums: ASA-CHANG
Keyboards: 朝本浩文(Ram Jam World)
記憶喪失
produced by 朝本浩文
recorded & mixed by 松本靖雄 at Victor / JVC Studios & Baybridge Studios
閃光(Album Ver.)
produced by UA & ASA-CHANG
recorded & mixed by 日下貴世志 at Victor / JVC Studios & Freedom Studios
programming: 安宅秀紀
additional musician: 二胡: Jiang Jianhua
泥棒
produced by UA & ASA-CHANG
recorded & mixed by 日下貴世志 at Victor / JVC Studios & Freedom Studios
瞬間
produced by UA & エミ・エレオノーラ(デミセミクエーバー)
recorded & mixed by 日下貴世志 at Avaco Creative Studios & Freedom Studios
additional musician: piano, sampling, etc.: エミ・エレオノーラ
世界
produced by UA
recorded & mixed by Kazuyuki Matsumura a.k.a. Zak at St-robo
ブエノスアイレス
produced by UA
recorded & mixed by Kazuyuki Matsumura a.k.a. Zak at St-robo
ドア
produced by UA
recorded & mixed by 太田桜子 at Avaco Creative Studios & Hitokuchi-zaka Studios
strings arrange: Pirami
additional musicians: violin: HONZI violin: 鈴木順子 viola: 志賀恵子 cello: 四家卬大
彼方
produced by 鈴木正人
recorded by 野島英明 at Avaco Creative Studios & Victor / JVC Studios
mixed by 藪原正史 at Victor / JVC Studios
additional musicians: violin: 金原千恵子 violin: 栄田嘉彦 viola: 古川原裕仁 cello: 笠原あやの
◆本CD収録曲歌詞より◆
「記憶喪失」より:
「謎の宇宙船が不時着して生贄を探すなら
どうか迷わずこの私を選んで
そしてどこかに消えて
そうね一度は土星を見たかった
フラフープあの輪っかでしてみたい」
「明日同じ時間に目が覚めても朝が来ないなら
サナギみたいに冬のまんまでずっと眠りつづけていたい
このまま皆などうか変わらずに
庭の桜も枝から離れないで」
「閃光」より:
「何度も塵になった世界はまた
美しく照らされて
影をも産んで
名もない色をまとう」
「優しい人達が
殺されているよ
もうあと一滴で世界は溢れそうだね」
「これ以上
何を見ればいいの」
「泥棒」より:
「舞台の中央に捨てられた裸の心臓
ジャバラなあたしがめくられてく」
「そしてあたしの夢は
一時停止のまま
割った玉子もフライパンに届かずじまい」
「瞬間」より:
「広い空と泡の肌
破裂しそうな喜びと同じくらいに悲しい理由は
もう二度と戻らない瞬間に
全てがあって
全て終わったから」
「ブエノスアイレス」より:
「ブエノスアイレスを
思った日の夜
隣の庭の大きな
梨の実がひとつ落ちた」
「あの大きな滝へ
名前はわからないけど
地球が転がるくらいに
めちゃくちゃに水が落ちてる」
「水しぶきの中
ぐるぐる回る」
「雲1つない夕闇に
真っ白い龍が腰をくねらせた」
「闇夜にはメルヘンを
忘れないでよ
狼のお腹を切った後は
ちゃんと縫い合わせてね
きっと」
「意地悪なママハハにもちゃんと
キャンディわけてあげるよ」
「闇夜にはメルヘンを
忘れないでね」
「嘘つきはどこへ」
「ドア」より:
「こんな心があったと
世界は気づかないで」
「お気に入りのこの地球に四角い穴があいていくよ
そこにぶらさがる値札には理性の文字が書かれてた」
「彼方」より:
「言葉にできなくて外を見てた
言葉にならなくて飛行機を見てる」
「全てを間違えた気がしたの
神様怒らせてみてもいいんじゃない」
「空からニワトリが降ればいいのに」
◆本CDについて◆
紙ジャケット(見開き)仕様。ポスター(35×46.5cm)に歌詞&クレジット。
ジャケ写はUA作品中でも最もイカレている本作ですが、音の方はミニマルなベース(ウッドベース)とドラム(エスニック・パーカッション)を中心に、必要最小限の音しか入っていない、たいへん渋いものです。とはいうものの、ジャケの大自然(「真っ白い龍」ならぬ巨大カメレオンがだまし絵のように隠れています)の中で裸で踊る姿も、必要最小限のものしか持たない世界観の表明かもしれないです。そして必要なものとは何かといえば、抑圧的な秩序としての(非生産的な)コスモスを解体する原初的な混沌としての(万物を生み出す)カオスであり、それゆえに必要最小限こそが最もアヴァンギャルドでありエクスペリメンタルである、そういうことだと思います。歌詞もたいへんすばらしいです。
★★★★★
泥棒
彼方