『Henri Duparc: Complete Melodies』
Michèle Losier
Daniel Blumenthal
CD: Fuga Libera / Outhere
FUG 552 (2008)
Made in EU
Henri Duparc (1848-1933)
Mélodies
1. L'invitation au voyage (Charles Baudelaire) 4:17
2. Au pays où se fait la guerre (Théophile Gautier) 5:17
3. Romance de Mignon (Victor Wilder, d'après Goethe) 4:29
4. Le galop (René-François Sully-Prudhomme) 3:07
5. Soupir (René-François Sully-Prudhomme) 3:10
6. Sérénade (Gabriel Marc) 2:28
7. Chanson triste (Jean Lahor) 3:14
8. La vague et la cloche (François Coppée) 6:05
9. Élégie (Ellie Duparc-MacSwiney, d'après Moore) 3:12
10. Le manoir de Rosemonde (Robert de Bonnières) 2:44
11. Extase (Jean Lahor) 3:32
12. Sérénade florentine (Jean Lahor) 2:43
13. Phidylé (Charles Leconte de Lisle) 5:28
14. Lamento (Théophile Gautier) 3:24
15. Testament (Armand Silvestre) 3:49
16. La vie antérieure (Charles Baudelaire ) 4:42
Total Time: 61:44
Michèle Losier, mezzo-soprano
Daniel Blumenthal, piano
Recorded in Bruges, Concertgebouw, September 2008
Producer: Michel Stockhem
Sound engineer, editing & mastering: Frédéric Briant
Piano Steinway D274 (maene)
Photographs Michèle Losier: Didier Mossiat; photographs Daniel Blumenthal: Álvaro Yáňez
Design: Michel De Backer & Elise Debouny for mpointproduction
Executive Production: Michel Stockhem
A European Union production manufactured in Austria (EU) by Sony DADC Austria AG
◆本CDについて◆
ミシェル・ロジエ（メゾ・ソプラノ）＆ダニエル・ブルメンタール（ピアノ）によるアンリ・デュパルク歌曲全集。2008年録音。
デジパック仕様。デジパックにブックレット貼付。ブックレット（全67頁）に「FORTIS BANK/BANQUE」（仏・蘭・英文）、Michel Stockhemによる解説（仏・蘭・英文）、演奏者紹介（仏・蘭・英文）、歌詞対訳（仏語原文／蘭・英訳）、写真図版（モノクロ）3点。デジパック裏にカラー写真図版（Daniel Blumenthal）1点。
ベルギー・オランダの「フォルティス」銀行がスポンサーになっているのでブックレット冒頭に宣伝文が掲載されています。
ブックレットは綴じ目の部分が外側にくるように貼り付けられているのでたいへん読みにくいです。
ミシェル・ロジェはカナダ出身で、オペラ歌手として活躍、本CDがレコーディング・デビューですが、たいへんよいです。しかしピアノの音がやや大きめです。
斎藤磯雄『フランスの詩と歌』には、
「作曲家アンリ・デュパルクはセザアル・フランク門下の俊英であり、フランクはこよなくその楽才を愛して、彼を「楽想の発見者」と呼んだ。その天才の開花期にあった三十七歳の時、不幸にして重い神経病に冒され、爾来、作曲を抛棄して巴里を去り、スイスやピレネエの山地に病を養うこと四十八年に及んだが、遂に再び作曲生活に復帰することが出来なかった。デュパルクが真の芸術家の苛烈な良心から、五百にのぼるその歌曲の作品を次々と破毀して、わずか十六曲の名篇を世に残したことはあまねく人の知るところである。師フランクの衣鉢を嗣ぐラテン的精神に立ち、フォオレの典雅、ドビュッシイの精緻を併せ有ちながら、その旋律、和声、展開、解決の技法に於いて極めて独創的であり、フランス歌曲に男性的な幅と、線と、力を与えた。ラテン精神の特徴たる洗練された節度を飽くまで守りながらも、そこに大いなる幻想と、濃厚な情緒と、激しい情熱を籠めたのがデュパルクのオリジナリテである。」
とありますが、本CD解説には、
「「音楽というものはすべて、演奏されないほうがよいのだ」と1907年にジャン・クラ（Jean Cras）に宛てて書いたこの神経症者の歌曲は、1868年から1884年にかけて書かれた17曲が残されている」とあります。
その17曲のうち1曲（ゴーティエの詩による「逃走（La fuite）」）は二重唱なので本CDでは割愛されています（ヴァン・ダムのデュパルク歌曲全集には収録されています）。
本CD収録曲は、
旅への誘い（ボードレール）、戦のある国へ（ゴーティエ）、ミニョンのロマンス（ゲーテ）、ギャロップ（シュリ＝プリュドム）、ため息（同）、セレナード（ガブリエル・マルク）、悲しき歌（ジャン・ラオールことアンリ・カザリス）、波と鐘（フランソワ・コッペ）、エレジー（トマス・ムーア）、ロズモーンドの館（ロベール・ド・ボニエール）、恍惚（アンリ・カザリス）、フィレンツェのセレナード（同）、フィディレ（ルコント・ド・リール）、嘆き（ゴーティエ）、遺書（アルマン・シルヴェストル）、前世（ボードレール）。
★★★★★
L'invitation au voyage
Lamento
