『パラード ― サティ 管弦楽曲集』
プラッソン
ERIC SATIE
ORCHESTRALWORKS
PARADE
ballet réaliste sur un thème de Jean Cocteau
ORCHESTRE DU CAPITOLE DE TOULOUSE
cond. by MICHEL PLASSON
CD: 東芝EMI株式会社
フランス音楽のエスプリ・シリーズ
CE32-5785 (1989年)
税込定価3,008円(税抜価格2,920円)
Made in Japan
パラード ― サティ 管弦楽曲集
“PARADE” ― SATIE ORCHESTRAL WORKS
馬の装具で
EN HABIT DE CHEVAL
1.コラール 0:47
2.連禱ふうのフーガ 2:50
3.他のコラール 0:53
4.紙のフーガ 2:30
5.ジムノペディー第1番(ドビュッシー編曲) 3:05
GYMNOPÉDIE No 1 (Orch. Claude Debussy)
6.ジムノペディー第3番(ドビュッシー編曲) 4:09
GYMNOPÉDIE No 3 (Orch. Claude Debussy)
バレエ曲“パラード”
PARADE, ballet réaliste sur un thème de Jean Cocteau
7.コラール:赤い引き幕の前奏曲 12:38
Ⅰ. 中国人の手品師
Ⅱ. アメリカ人の小娘
Ⅲ. アクロバット
8.フィナーレ:“赤い引き幕の前奏曲”による組曲 2:34
バレエ曲“ルラーシュ”
RELÂCHE, ballet
9.I. 序曲 II. 照明 1:43
10.III. 女の登場 IV. 音楽 2:04
11.V. ボルランの登場 VI. 回転扉の踊り 1:43
12.VII. 男たちの登場 VIII. 男たちの踊り IX. 女の踊り X. フィナーレ 3:34
13.XI. 再登場の音楽 XII. 男の再登場 XIII. 女の再登場 XIV. 男たち、着物を脱ぐ XV. ボルランと女の踊り XVI. 男たち元の位置に戻る 5:52
14.XVII. 一輪手押車の踊り XVIII. 冠の踊り XIX. 踊手たち冠を置く XX. 女、安楽椅子に戻る XXI. 犬のしっぽ 5:00
15.グノシェンヌ第3番(プーランク編) 2:45
3e GNOSSIENNE (Orch. Francis Poulenc)
風変わりな美女
LA BELLE EXCENTRIQUE
16.大リトルネルロ 1:56
17.フランコ=リュネール行進曲 1:40
18.眼の中の神秘的な接吻のワルツ 2:41
19.上流社交人のカンカン踊り 1:55
“真夏の夜の夢”のための5つのしかめ面(ミヨー編)
CINQ GRIMACES POUR "LE SONGE D'UNE NUIT D'ÉTÉ" (Instrumentation: Dalius Milhaud)
20.I. モデレ(モデラート) 0:47
21.II. プー・ヴィット(少し速く) 0:30
22.III. モデレ 0:28
23.IV. タン・ドゥ・マルシェ(行進曲のテンポで) 0:20
24.V. モデレ(モデラート) 1:03
25.ル・ピカディリー(行進曲) 1:21
LE PICCADILLY, marche
トゥールーズ市立管弦楽団
ORCHESTRE DU CAPITOLE DE TOULOUSE
指揮:ミシェル・プラッソン COND. BY MICHEL PLASSON
Recorded 8-10, 15 June 1988
Producer: Alain Lanceron
Balance Engineer: Daniel Michel
HALLE AUX GRAINS, TOULOUSE
DIGITAL RECORDING
◆三浦淳史による解説より◆
「《わたしはひじょうに古い時代に
ひじょうに若くこの世に出てきた。》 …サティ
エリック・(アルフレード・レスリー・)サティは、1866年5月17日の朝9時、セーヌ河口の町オンフルールに生まれた。幼い頃(スコットランド系の)母を失ったが、幼時はそれほど不幸ではなかったらしい。父の意志によってサティは13歳のときパリ音楽院に入学する。音楽院は少年にとって感化院のように思われた。ノートルダムのカテドラルはしばしば彼の愛する避難所となった。20歳のころ音楽院から逃亡して兵役についたが、病気のため除隊となり、パリにまい戻った彼はモンマルトルのキャバレーのピアニストとして生計を立てると同時に神秘主義者サティの内面生活も活発になってゆく。(中略)いつもビロードの一張羅を着ていたサティは〈貧乏氏Monsieur le Pauvre〉とか〈ビロードの紳士〉などと呼ばれていたが、サティは超然と暮らしていた。
ローズ・クロワ(バラ十字団)へ入会。1891年、サティとドビュッシーの歴史的な出会い。1898年、サティはパリの場末アルクイユに隠遁し死ぬまで住みつくことになる。現在でも町工場などの多いわびしい地区である。ストラヴィンスキーの回想録によると、貧しいアパルトマンの一室にはベッドもなくハンモックだけだったというが真偽のほどはわからない。サティはパリのカフェとか街路で人に逢い、決して自室に人を入れなかったから。
1905年、39歳のサティは突如作曲の勉強をやり直そうと志し、スコラ・カントルムに入学、三歳年下のアルベール・ルーセルに師事する。」
「《わたしは若い頃〈50になればわかるよ〉と言われた。わたしは今50だが、何もわからない》とサティは言ったが、サティの晩年は〈アルクイユの大家〉の奇想天外な才能を発揮するりっぱな晩年だった。(中略)だが、《ルラーシュ》の初演が終った晩からサティはからだの異常を訴えた。肝硬変だったのである。サティを敬愛する使徒達のはからいで天涯孤独の老師匠はサン・ジョセフ病院に入院させられ、1925年7月1日いつもの微笑をうかべながら不帰の客となった。」
「風変わりな美女」
「この風変わりな曲はカリアティスとして知られた女流舞踊家のために1920年に書かれた。(中略)カリアティスは仲間のあいだでは「エリーズ」の愛称で呼ばれていた謎多い女性である。彼女は当時の女性としては珍しくサティを高く評価し、「彼の周辺にいる総ての人とは全くちがった非凡で例外的な人」と言っていたそうである。(中略)主役を踊ったエリーズはしばらくのあいだ「風変わりな美女」と呼ばれていたそうである。」
◆本CDについて◆
ブックレット(本文12頁)にトラックリスト&クレジット、三浦淳史による解説「サティ管弦楽作品集:エリック・サティのカレイドスコープ(万華鏡)の世界」(APR. 1989)。
本CDはコクトー&ピカソとの「パラード」、ピカビアとの「ルラーシュ(本日休演)」、ドビュッシー&プーランクの編曲によるピアノ曲のオーケストラ版、サティの没後にミヨーが完成させた「5つのしかめ面」などが収録されていて、「サティとその仲間たち」入門にうってつけだと思います。
★★★★★
GYMNOPÉDIE No 1 (Orch. Claude Debussy)