幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

藤井郷子  『どんひゃら』 

藤井郷子 
『どんひゃら』 

Toward, "TO WEST" 
SATOKO FUJII
MARK DRESSER 
JIM BLACK 


CD: enja 
発売元:(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ 
TKCB-71944 (2000年) 
定価¥2,520(税抜価格¥2,400) 
Printed in Japan/Made in Japan

 


帯文:

「ニューヨークを拠点に活動を続ける藤井郷子が、沈滞したジャズ・シーンに一石を投じた衝撃作。」


帯裏文:

藤井郷子
バークリー音楽院ニューイングランド音楽院卒業。96年ポール・ブレイとのピアノ2台によるCD「サムシング・アバウト・ウォーター」をリリース。その後4年間にソロ、デュオ、トリオ、セクステット、ビッグバンド等様々な編成で9枚のリーダーCDを発表。日本のみならず、Texacoニューヨーク・フェスティバルやトロント・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル、スミソニアンのピアノ生誕300年記念イベント、またニューヨークのトニックやニッティング・ファクトリー等で演奏活動。」


SATOKO FUJII 
Toward, "TO WEST" 

藤井郷子
どんひゃら

1.トワード・トゥ・ウエスト Toward, "TO WEST" 32:09 * 
2.シェイク・アップ・アンド・ダウン Shake up and down 7:24 
3.オシレイション Oscillation 3:59 
4.ゼン・アイ・メット・ユー Then I met you 7:20 
5.ザ・ウェイ・トゥ・ゲット・ゼア The way to get there 7:07 


ミュージシャン:
藤井郷子(ピアノ) 
SATOKO FUJII: piano 
マーク・ドレッサー(ベース)
MARK DRESSER: bass 
ジム・ブラック(ドラムス) 
JIM BLACK: drums 


録音:1998年11月/ニューヨーク

All compositions by Satoko Fujii. 
Recorded at Systems Two Studios, Brooklyn, NY 
by Mike Marciano on May 7th, 1998. 
* Recorded at Systems Two Studios, Brooklyn, NY 
by Ed Reed and mixed on November 3rd, 1998. 
Mixed by Mike Marciano. 
Digitally mastered at saidera mastering, Tokyo 
by Seigen Ono on October 19th, 1999. 

Photography by Natsuki Tamura (Mark Dresser and Jim Black), 
Valerie Truccia (Satoko Fujii, b/w), Ryo Natsuki (Satoko Fujii, color). 
Cover art by Ichiji Tamura. 
Cover design and layout by Jürgen Hübner. 
Produced by Satoko Fujii. 
Executive producer: Matthias Winckelmann 


◆本CDについて◆

ジュエルケース(透明トレイ)。三つ折りブックレットにトラックリスト&クレジット、英文解説、児山紀芳による邦文解説、カラー写真図版3点、モノクロ写真図版1点。インレイにトラックリスト&クレジット。

『Looking Out of the Window』(1997年リリース)、『Kitsune-Bi』(1999年リリース/3曲に早川紗知がサックスで参加)に続く藤井郷子トリオ第3作。

英語タイトル「Toward, "TO WEST"」は「西遊記」っぽいです。ジャズの西天取経です。「どんひゃら」は日本の祭です。ジャケ絵ではカッパとキツネと人間が輪になって仲良くお祭り騒ぎしています。遠心的な力と求心的な力、求道心と遊び心が共存しています。

邦文解説には藤井のホームページ掲載文章からの引用があって、それは「作曲するにしても、即興するにしても、いつも面白いと感じるのは私にとっての答えはひとつしかないという事だ。最初の音を鳴らす。次にくる音は正解としてひとつだけ存在する。もちろん、これは万人にとっての正解ではなく、私にとっての正解だ。ただその正解は曖昧な物ではなく、常に明白だ。私は私の中にあるその答えを鳴らす事によって音楽を作る。それがたとえ私だけの正解だとしても、あまりに正解として明白に存在するので私はこれを自然の摂理、科学の様に感じる。それが他の人に間違いといわれてもなすすべがない。そういうときは「ごめんなさい。」というしかない。」というもので、これはまさに人生の指針です。自分にとっての「正解」が「万人にとっての正解」と一致する人は幸いなるかなですが、しかしそれが教育やしつけによって与えられた正解であるとしたら、その人は精進すればするほどオリジナルの「私」から遠ざかってしまうのではなかろうか。

★★★★★


Toward, "TO WEST"