『メシアン:世の終わりのための四重奏曲』
タッシ
Tashi plays Messiaen
Quartet for the End of Time
CD: RCA Red Seal
Sony Music Labels Inc.
シリーズ:Great Recordings 1000/名盤コレクション1000
SICC 1830 (2015年)
定価¥1,000+税
Made in Japan
24ビット・マスタリング
期間生産限定盤
帯文:
「メシアンの傑作を世界に知らしめた1枚。」
帯裏文:
「「世の終わりのための四重奏曲」は20世紀フランスの大家メシアンが第2次世界大戦中に収容所内で作曲、初演も同じ収容所で行われた。そうした経緯から、楽器編成はピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネットという風変わりなものである。73年に結成された現代音楽アンサンブル「タッシ」は、ピーター・ゼルキンをはじめとする当時の気鋭の演奏家がこの現代音楽の名作を演奏する目的で結成された。本作が彼らの初録音であり、作品を世界に知らしめた1枚でもある。」
メシアン
Ollivier Messiaen (1908-1992)
世の終わりのための四重奏曲
Quartet for the End of the Time
1.第1楽章:水晶の礼拝 2:23
I. Liturgie de Cristal
2.第2楽章:時の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ 5:33
II. Vocalise, pour l'ange qui annonce la fin du Temps
3.第3楽章:鳥たちの深淵 7:44
III. Abïme des oiseaux
4.第4楽章:間奏曲 1:53
IV. Intermède
5.第5楽章:イエズスの永遠性に対する頌歌 7:42
V. Louange à l'éternité de Jésus
6.第6楽章:七つのラッパのための狂乱の踊り 6:27
VI. Danse de la fureur, pour les sept trompettes
7.第7楽章:世の終わりを告げる天使のための虹の混乱 7:16
VII. Fouillis d'arcs-en-ciel, pour l'ange qui annonce la fin du Temps
8.第8楽章:イエズスの不死性に対する頌歌 8:06
VIII. Louange à l'immortalité de Jésus
Total Playing Time: 47:08
タッシ
Tashi
ピーター・ゼルキン(ピアノ)
Peter Serkin, Piano
アイダ・カヴァフィアン(ヴァイオリン)
Ida Kavafian, Violin
フレッド・シェリー(チェロ)
Fred Sherry, Cello
リチャード・ストルツマン(クラリネット)
Richard Stolzman, Clarinet
[録音]1975年9月8&9日、千葉、柏市民会館、1975年12月19日、ニューヨーク、RCAスタジオA
Recording: September 8 & 9, 1975, Kashiwa City Bunkakaikan Hall, Chiba, Japan. December 19, 1975, RCA Studio A, New York
Producers: Max Wilcox & Peter Serkin
Recording Engineers: Richard Gardner & Masaki Ohno
◆小杉圭子による解説より◆
「「世の終わりのための四重奏曲」はピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネットという変則的な楽器編成に加え、8楽章という見慣れない楽章構成を持つ。「8」とは、6日間の天地創造ののち、第7日目の安息日が永遠へと延長し、不変の平和の第8日目が訪れることを示すのだと、メシアンはのちに記している。」
「タッシ
1973年にアメリカで結成。「世の終わりのための四重奏曲」を演奏するために、特殊な編成で結成された室内楽ユニット。メンバーは20‐30代の若手4人。ピアニストは巨匠ルドルフ・ゼルキンの愛息ピーター・ゼルキン。ヴァイオリンのアイダ・カヴァフィアンとチェロのフレッド・シェリーはともにジュリアード音楽院出身だ。のちにジャズ即興とのクロスオーヴァー音楽に入っていくクラリネットのリチャード・ストルツマンは稀代の名手と名高い。いずれもアメリカで活動し始めた新進の技巧派だった。
出端からクラシックの伝統を打ち破った。結成しても「四重奏団」「室内楽団」と名乗らない。燕尾服は着ない。タッシとはチベット語で「幸福」という意味だが、ピーター・ゼルキンの飼い犬がまさにその名だった。犬の名前をユニット名につけ、Tシャツや赤いズボンで演奏するタッシ。1970年代のニューヨークのミュージック・シーンを彷彿とさせるいっぽうで、演奏の実力も高く評価されていく。
まもなく、当時をときめく作曲家がタッシのメンバーに楽曲を提供しはじめた。武満徹は1975年に「カトレーン」、1977年に「カトレーンⅡ」を作曲するが、いずれもタッシによる演奏を想定している。」
◆本CDについて◆
ジュエルケース(黒トレイ)。二つ折りブックレット(内側はブランク/デザインはLPの表裏ジャケットを再現)。投げ込み(十字折り/片面印刷)にトラックリスト&クレジット、小杉圭子による解説。
オリジナルLPは1976年に米RCAよりリリースされました。本CDは2006年版CD(紙ジャケ)の廉価盤です。他に『Tashi Plays Takemitsu』(1980年)から「カトレーンⅡ」を追加収録したCD(BMGジャパン/1997年)も出ています。ちなみにタッシと小澤/ボストン響による「カトレーン」は『武満徹:カトレーン/鳥は星形の庭に降りる 他』(1980年)に収録されています。
四重奏、三重奏、二重奏、クラリネット独奏など、楽章によって編成や演奏スタイルが変わるので飽きさせないです(第6楽章は全員によるユニゾン)。タッシによる演奏はアール・ゾイやユニヴェル・ゼロといったアヴァンギャルド・ロックに影響を与えているかもしれないです。
★★★★★