クワイエット・サン(フィル・マンザネラ)
メインストリーム
QUIET SUN
MAINSTREAM
LP: Polydor/ポリドールレコード
発売元:ポリドール株式会社
MPF 1147 (1977年)
¥2,500
Manufactured by Polydor K.K., Japan

帯文:
「★現在801集団で活躍中のフィル・マンザネラが69年に結成した〝クワイエット・サン〟時代の幻の作品がここにリリース。ゲストには今、話題のブライアン・イーノの名も。」
SIDE A
ソル・カリエンテ 9:22
トランペッツ・ウィズ・マザーフード/バーゲン・クラシィックス/R.F.D. 9:09
SIDE B
マミー・アンド・ダディ 6:01
トロット 5:14
ロングロング 9:26
Side 1
Sol Caliente (Manzanera)
Trumpets with Motherhood (Hayward)
Bargain Classics (Jarrett)
R.F.D. (Jarrett)
Side 2
Mummy was an asteroid, daddy was a small non-stick kitchen utensil (MacCormick)
Trot (Manzanera)
Rongwrong (Hayward)
All titles published by E.G. Music © 1975
Personnel
Charles Hayward
Drums, Percussion, Keyboards, Voice
Dave Jarrett
Fender Rhodes & Steinway Grand Pianos, Farfisa & Hammond Organs, VCS3
Phil Manzanera
Electric 6 & 12 string Guitars, Treated Guitars, Fender Rhodes Piano
Bill MacCormick
Electric Bass, Treated Bass, Back-up Voices
with
Eno - Synthesizer, Treatments & Oblique Strategies
Ian MacCormick - Back-up Voices
Cover - Nigel Soper
Photographs - Richard Wallis
Recorded at Island Studios, London, January 1975
Engineer - Rhett Davies
Assistant Engineer - Robert Ash
Produced by Quiet Sun for E.G. Records
◆黒田史朗による解説より◆
「アルバム「メインストリーム」のオリジナル盤(Island HELP 19)は、1975年8月15日(金)にイギリス発売された。録音はフィリップ・ターゲット・アダムス・マンザネラのソロ・アルバム「ダイアモンド・ヘッド」と全く同じ時期・場所・スタッフで行なわれ、つまり、それら2枚のアルバムは同時に録音された。(中略)この2つの仕事は中心人物フィル・マンザネラによって準備された。フィルはその事情を次のように語っている。
「私はクワイエット・サンの昔のライヴ・テープを聴いて、レコードにしないのはもったいないと考えた。(中略)かと言って、1971年当時の未熟な録音をそのままレコード化したくなかったから、私は自分のソロ・アルバム用に取った26日間のスタジオ契約の中にクワイエット・サンの録音を組み入れ、メンバーに話しかけたんだ。その判断は間違ってなかったと思う。」
こうして1974年10月に録音のためクワイエット・サンは再び集合した。しかし、その発端はその1年まえに始まった。1973年9月のこと、フィルとビル・マコーミックは、イーノの初ソロ・アルバム「ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ」の録音で顔を合わせており、2人はそのときに2年まえの曲を演奏し旧交を深めた。以来、フィルはクワイエット・サンのレコード化の考えを温め、その機会を待っていたようだ。
それら2つの録音の同時進行によって、必然的にアルバム「ダイアモンド・ヘッド」にクワイエット・サン・グループは1曲だけ参加し、また、収録曲の1つにクワイエット・サン時代の代表曲「アルマ」が含まれた。(中略)このアルバム「メインストリーム」に収録された7曲は、いずれもかつてクワイエット・サン時代の1969年から1971年にかけて作曲され演奏されたものであり、(中略)クワイエット・サンが1971年まで行なっていたことを4年後にレコードのうえで実体化したもので、(中略)全くの録音のためだけの再編成であり、(中略)それがそのままグループ再編成の活動に継がらなかった。」
「彼らの音楽が複雑で、より実験的な方向に進んだのは、4人目のメンバー/デイヴ・ジャレットが加入したあとである。その変化の過程で最も重要な影響を及ぼしたのはソフト・マシーンである。」
「クワイエット・サンとソフト・マシーンとの音楽関係は、母親同士が知り合いだったビル・マコーミックとロバート・ワイアットを通じ、最も盛んに結ばれた。」
「ラディカルな面はチャールズ・ヘイワードによるところが大きい。彼はクワイエット・サンが3人の時代に(中略)マルセル・デュシャンを題材にした「マルセル・マイ・ダダ」と言う曲を作っている。」
「チャールズはこう語る。
「レコードで感じられるより遙かに、我々は攻撃的なバンドだった。だから(中略)我々の演奏を伝えるには、作為を排除したライヴに近いものにならざるを得ない。そこに存在するエネルギーこそ、我々が訴えたいものなのだ。」」
「フィルはこう語る。
「時代そのものが全ての音楽に開放されていた。ソフト・マシーンを聴いたり、ロック環境にジャズの技術を導入したフランク・ザッパに接したり、さらに、ワイアットに教えられたジャズに目覚めたビルを通じて受けた様々な要素の混合、それらは我々の音楽的な方向を大きく変えた。時代そのものが私にとって音楽大学だった。」」
◆本LPについて◆
A式シングル・ジャケット、裏ジャケにトラックリスト&クレジット、アーティスト写真(モノクロ)7点。投げ込みライナー(両面印刷)にトラックリスト、黒田史朗による解説、「Rongwrong」歌詞、「クワイエット・サン系譜図」(制作:Rock Magazine "Rockin' Balls")、「EGレコード・ファン・クラブ住所/巻上公一」。掲載されている歌詞は聞き取りによるものなので不正確です。
本LPは中学生の頃に荻窪の中古レコード店で白レーベル(見本盤)が900円で売られていたのを購入しました(ジャケ買い)。裏ジャケにはサディスティック・ミカ・バンドのTシャツを着たイーノの姿が。ソフト・マシーン風に始まってキング・クリムゾン風のクライマックスに至りディス・ヒートを予兆しつつ終る、1970年代プログレ史の縮図のような本作は、見過ごされがちですが個人的にはオールタイム・プログレ・ベスト10に必ず入れたい名盤です。フィル・マンザネラの官能的で鬼気迫るギターもすばらしいです。
Mummy was an asteroid, daddy was a small non-stick kitchen utensil
Q is for... Quiet Sun
1971年にジョン・ピールの「Rockortunity Knocks」コンテストにテープを送って2位になりましたが、そのとき1位になったのがヘンリー・カウでした。