Soft Machine
『noisette』
ソフト・マシーン
ノイゼット
CD: Cuneiform Records
Rune 130 (2000)
Made in the USA
Arcàngelo
ARC-2130
税抜価格¥2,500
帯文:
「名作「サード」に1曲だけ収録された幻のカルテット・ヴァージョンによる1970年1月ロンドン公演の全貌がいま甦る! 初期のサイケ/プログレから、クールなジャズ/ロックへと変貌するソフト・マシーンのミッシング・リンク! ●直輸入盤/日本語解説付●解説:坂本理」
原盤シール文:
「Previously unreleased 1970 live recordings;
the first full-length release by
the quintet version of the band:
Elton Dean, Lyn Dobson,
Hugh Hopper, Mike Ratledge,
Robert Wyatt
Includes rare photos & several songs
not released on any of their
studio albums.」
1. Eamonn Andrews (Ratledge) 12:15
イーモン・アンドリュース
2. Mousetrap (Hopper) 5:24
マウストラップ
3. Noisette (Hopper) 0:37
ノイゼット
4. Backwards (Ratledge) 4:48
バックワーズ
5. Mousetrap [reprise] (Hopper) 0:26
マウストラップ
6. Hibou, Anemone and Bear (Ratledge/Wyatt) 8:50
ヒボウ、アネモネ・アンド・ベアー
7. Moon In June (Wyatt) 6:55
ムーン・イン・ジューン
8. 12/8 Theme (Hopper) 11:25
12/8・テーマ
9. Esther's Nose Job (Ratledge) 14:30
エスターズ・ノーズ・ジョブ
10. We Did It Again (Ayers) 7:15
ウィ・ディド・イット・アゲイン
Elton Dean: alto sax, saxello
エルトン・ディーン
Lyn Dobson: soprano sax, flute, vocals
リン・ドブソン
Hugh Hopper: bass
ヒュー・ホッパー
Mike Ratledge: electric piano, organ
マイク・ラトリッジ
Robert Wyatt: drums, vocals
ロバート・ワイアット
Recorded January 4th, 1970 at Fairfield Hall, Croydon, England
Engineered by Bob Woolford.
Photography by Mark Ellidge.
Artwork, Design and Layout by Bill Ellsworth.
Research, editing and release coordination by Steven Feigenbaum.
CD premastered at SAE by Matt Murman.
Note: This CD was mastered directly from Bob Woolford's original 15 ips reels. These reels all end abruptly in the middle of songs leaving a gap in the music, as each time a real became full, Bob would have to remove the used reel from the tape machine, load and thread a new reel, and resume recording. To more closely approximate the uninterrupted flow of the concert, we edited the reels as needed and used two patches from a problematically recorded concert from January 10th, 1970 at University College, London. Additionally, there is a pitch change downward between the end of the reel and the beginning of the next reel, due to the changing weight of the reels on the non servo-controlled tape machine used.
◆坂本理による解説より◆
「1970年1月4日イギリス、クロイドンのフェアフィールド・ホールでのステージはバンド側の要請でオフィシャルに録音されており、その一部がアルバム『Third』(70)の収録曲‟Facelift”にも使用されている。」
「アルバム『Volume Two』(69)でのマイク・ラトリッジ(kb)、ヒュー・ホッパー(b)、ロバート・ワイアット(d, vo)というトリオ編成に、1969年10月、エルトン・ディーン(sax)、リン・ドブソン(sax, fl)、マーク・チャリグ(cornet)、ニック・エヴァンス(tb)の4人のジャズ・ミュージシャンたちが加わり、いきなり大編成となったソフト・マシーンは、(中略)あまりにも大所帯だったためバンド運営に困難をきたし、僅か2ヶ月でマーク・チャリグとニック・エヴァンスを放出してしまう。残ったエルトン・ディーンとリン・ドブソンを加えた5人編成のソフト・マシーンは年明けからヨーロッパ・ツアーに出かけるが、2~3月のフランス・ツアーが終了するとリン・ドブソンがバンドを離れ、残った4人で(中略)『Third』(70)、『Fourth』(71)が作られて行くことになる。1970年1月~3月の2ヶ月半ほどの短期間のクインテットでの録音は、前述した『Third』に収録された‟Facelift”を構成する1月4日および1月11日のライヴ録音のみなのだ(中略)。本アルバムに収録された1月4日のステージは、このクインテットでの最初のライヴということになる。」
「‟Eamonn Andrews”という珍しい曲でアルバムは始まる。(中略)初めてここでこの曲の全貌が明らかになった。(中略)テーマが終わり、エレクトリック・ピアノの9/8のリフが始まり、ヒュー・ホッパーのファズ・ベースが唸りを上げてソロをとり始めると、何やらクワイエット・サンの曲‟Trumpets With Motherhood”にそっくりの展開になるのだ。勿論事情は逆だろう。当時、ソフト・マシーンと親交を結んでいた若いミュージシャンたちがクワイエット・サンだった。そしておそらく、そこで聴いたこの曲の演奏に感化され、彼らは自分たちの曲を作ったのに違いない。」
「一瞬のブレイクに続いて演奏される‟Mousetrap”~‟Noisette”~‟Backwards”~‟Mousetrap Reprise”のメドレーは(中略)オリジナル・アルバム未収録の曲で、(中略)正確に言うと、(中略)中間部の‟Noisette”と‟Backwards”は『Third』収録の‟Slightly All The Time”の一部であり、こうして‟Mousetrap”で挟んで演奏される録音が複数存在していることから考えると、この構成こそが原型で、演奏を重ねるうちに‟Slightly All The Time”へと変容を遂げたとみるべきだろう。」
「メドレーは(中略)更に『Volume Two』収録の‟Hibou, Anemone & Bear”へと一気に続く。」
「漸く前半の長いメドレーが終わると、後半もメドレーが続く。(中略)『Third』収録の‟Moon In June”はいきなり曲の後半からスタートする。」
「続く‟12/8 Theme”は(中略)未発表曲だ。」
「‟Esther's Nose Job”はアルバム『Volume Two』のB面に収録された‟Pig”~‟Orange Skin Food”~‟A Door Opens And Closes”~‟Pigling Bland”~‟10.30 Returns To The Bedroom”のメドレーを組曲として総称するタイトルで、(中略)但し正確に言うと、‟Pigling Bland”だけは『Volume Two』中の曲ではなく、後に『5』(72)で発表されることになる曲だ。」
「大曲を終えての喝采に続き、(中略)デビュー・アルバムの曲であるケヴィン・エアーズ作曲の‟We Did It Again”がプレイされる。」
◆本CDについて◆
輸入盤国内仕様。原盤ブックレット(全8頁)にAymeric Leroyによるライナーノーツ(英文)、クレジット&付記(「Note」)、写真図版(モノクロ)8点。インレイにトラックリスト&クレジット、写真図版(モノクロ)1点。投げ込み(十字折り)にトラックリスト&クレジット、坂本理による解説(1999. 11. 21)、Arcángelo catalogue(CDリスト)。
キュニフォームからのソフト・マシーン発掘音源集としては『Spaced』『Virtually』に続く第3弾で、リン・ドブソン(1990年代にサード・イアー・バンドで活躍)が「Backwards」(キャラヴァンによるカバーでおなじみ)で唸り声フルートを披露しています。
★★★★★