ヴィジョンズ・フロム・ザ・ブック [聖書幻想]
セクエンツィア
sequentia
Visions from the Book
CD: BMGビクター株式会社
Deutsche Harmonia Mundi
BVCD-624 (1996年)
¥3,000(税込)(税抜価格¥2,913)
Made in Japan
[D|D|D]

帯文:
「聖書からインスパイアされたイメージを、中世音楽のスペシャリスト、
セクエンツィアが、現代に甦らせた意欲作。」
帯裏文:
「アルバム・タイトルのBookは、もちろん聖書として知られる宗教的テキストの膨大なコレクションのことで、Visions というのは Book のイメージから与えられた音楽的な瞑想のことです。セクエンツィアの男声アンサンブル「雷の子ら」を中心にした演奏で、中世の伝統である聖書の英雄物語、哀悼歌や瞑想による歌に命を吹き込んでいます。欧米ではセクエンツィアの「エクスタシーの歌」(BVCD-617)が大ヒットし、人気と注目を集めていますが、徹底した音楽学的研究に裏付けられた彼らの演奏はいつも聴くものを魅了し続けています。」
ヴィジョンズ・フロム・ザ・ブック
[聖書幻想]
VISIONS FROM THE BOOK
1.無双のつわものサムソンよ 10:51
Samson dux fortissime
[サムソンとデリラのレ]
作者不詳(13世紀中期イングランド)
The lai of Samson and Delilah,
Anonymous, from Reading Abbey (mid 13th century)
2.荒れ野から来た大風が 3:42
A deserto veniens
[ヨブの家の破壊をうたった2声のコンドゥクトゥス]
作者不詳(13世紀初期パリ)
The destruction of Job's house (2 part conductus)
Anonymous, from Notre-Dame of Paris (early 13th century)
3.この悲しみをなぐさめるのは 12:47
Dolorum solatium
[サウルとヨナタンの死によせるダビデの哀悼歌(プランクトゥス)]
ピエール・アベラール[ペトルス・アベラルドゥス](1079-1142)
The lament (planctus) of David on the deaths of Saul and Jonathan
Peter Abaelard (1079-1142)
4.イエス・キリストの系図の書 7:38
Liber generationis
作者不詳(14世紀バイエルン)
The genealogy of Christ.
Anonymous, from an Augustinian monastic songbook (Bavaria 14th century)
5.くつろいでいる方がいらっしゃるなら 21:23
S'onques hom en liu s'asist
[宮廷ふうの〈旧約と新約のレ〉]
エルヌール・ド・ガスティノワ(13世紀中期)
The courtly "Lai of the Old and New Testaments"
Ernoul de Gastinois (mid 13th century)
6.肉なる者はみな罪を犯し 8:04
Omnis caro peccaverat
[ノアと洪水のレ]
作者不詳(14世紀アイルランド)
The lai of Noah and the flood
Anonymous, from the "Dublin Troper" (14th century)
7.シオンよ、さあ、寝屋から出てきて 8:40
Syon egredere nunc de cubilibus
[処女マリアをたたえたダンス・レ(タンツライヒ)]
作者不詳(14世紀バイエルン:13世紀のタンホイザーのライヒによる)
Dance-lai in praise of the Virgin Mary
Anonymous, from an Augustinian monastic songbook (Bavaria, 14th century) based on a leich by the 13th-century Minnesänger Tannhäuser
Total Time: 73:46
セクエンツィア [中世音楽アンサンブル]
SEQUENTIA
Ensemble for medieval music
指揮:ベンジャミン・バグビー&バーバラ・ソーントン
directors: Benjamin Bagby & Barbara Thornton
セクエンツィア男声アンサンブル〈雷の子ら〉
The Sequentia men's vocal ensemble: Sons of Thunder
指揮、声、中世ハープ:ベンジャミン・バグビー
director, voice, medieval harp: Benjamin Bagby
声:
voices:
スティーヴン・グラント
Stephen Grant
ポール・カトリ
Paul Cuttry
ウィリアム・ハイト
William Hite
フランク・ケリー
Frank Kelley
エリック・メンツェル
Eric Mentzel
サンフォード・シルヴァン
Sanford Sylvan
and
バーバラ・ソーントン(声)
Barbara Thornton, voice
エリザベス・ゲイヴァー(中世フィドル[ヴィエール])
Elizabeth Gaver, medieval fiddle
Executive producer: Jan Höfermann
Musical producer: Benjamin Bagby
Engineer: John Newton
Post production: Soundmirror, Inc. Boston, MA
Stephanie Rogers & Jeff Baust
Recorded: 13.-17, November 1994,
Campion Center (Weston, MA, USA)
Frontcover picture: Delilah shearing Samson's locks while he sleeps.
France (probably Paris), c. 1250. M. 638, f. 15
Design: Ariola
Art director: Thomas Sassenbach
◆ベンジャミン・バグビーによる解説(吉村恒 訳)より◆
「中世の修道士にとって、聖書とは、黙読するような書物ではなかった。(中略)重要なのは、修道士がおおむね幻想にふける聴覚的体験の世界のなかで生きていた点だ。つまり、聖なることばをとなえ、朗読し、それに聞きいることである。(中略)聖書とは、聞かれることを意図した聖典の広大で神秘的な源泉であり、記憶という心の書物のなかにしまわれるべきものだったのである。その内容は物語や詩や祈りであり、黙しあるいは歌いながら瞑想される。(中略)典礼聖歌という膨大な体系とともに、聖書は、(中略)連帯生活の一部をなしていた。
少年のころ修道院に入ったときから、修道士はみな聖書による音楽に囲まれていた。毎日の典礼でとなえる詩編(中略)や(中略)グレゴリアン・チャント[グレゴリウス聖歌]が、ミサや聖務日課で歌われたのである。また、(中略)そうした純粋な典礼音楽のほかに、修道士や少年たちは、あらゆる種類の「新しい音楽」をつくりだしていた。これは、おなじみの古い物語に手をくわえ幻想をめぐらせたもので、なかには大胆なまでにモダンなスタイルのものもあった。こういう歌にとっても、聖書はたいせつなよりどころとなり、インスピレイションとなった。そうした伝統をあえて手写本のかたちで残してくれた、かれら中世の聖職者たちの努力のおかげで、聖書をうたう中世人の情熱を証言するものが、こんにちにまで伝わっているのだ。」
◆本CDについて◆
ジュエルケース(透明トレイ)。ブックレット(全36頁)にトラックリスト&クレジット、「はじめに」(吉村恒)、解説「ヴィジョンズ・フロム・ザ・ブック[聖書幻想]」(ベンジャミン・バグビー/訳:吉村恒)、演奏者紹介「セクエンツィア(中世音楽アンサンブル)」「セクエンツィア男声アンサンブル〈雷の子ら〉」(無記名/訳:吉村恒)、歌詞&対訳(吉村恒)、「セクエンツィア」CDリスト、アーティスト写真(モノクロ)1点。
#1~4、6~7は男声合唱で、#3はハープ、#7はヴィエールが伴奏で加わります。#5のみバーバラ・ソーントンによる独唱(ヴィエール伴奏)です。
ジャケ絵は旧約聖書に登場する生まれながらのスーパーヒーローであるサムソンが、対立するペリシテ人の女性デリラに誘惑されてうっかり出生の秘密を教えてしまい、怪力の源である髪の毛を刈り取られているところです。