『オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン歌曲集
― 中世ドイツの騎士歌人の歌』
Oswald von Wolkenstein (1376-1445)
Lieder - Songs
セクエンツィア
Sequentia
CD: BMGビクター株式会社
BVCD-611 (1994年)
¥3,000(税込)(税抜価格¥2,913円)
帯文:
「蘇る中世ドイツの騎士歌人の調べ。」
「来日記念盤」
帯裏文:
「12世紀中頃から15世紀にかけて活躍した中世ドイツのミンネゼンガー(フランスの吟遊詩人[トルヴェール、トゥルバドゥール]とは異なる)の中で最後の注目すべき騎士歌人ヴォルケンシュタインは、ヨーロッパ全土からアフリカ、アジアの一部にまで及ぶ冒険的活動をし(10ヵ国語を話した)、自作の詩に旋律をつけた本当の歌を創った。中世音楽のトップ・アンサンブル、セクエンツィアが音楽学者の研究協力を得て録音した会心のアルバム。今年(1994)の来日公演曲目にも含まれる。」
オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン歌曲集
中世ドイツの騎士歌人の歌
Oswald von Wolkenstein (1376-1445) - Lieder
1.かつては愛しい人が 3:09
Wes mich mein bül
(声楽、伴奏: 2つのフィーデル、ハープ)
2.風のざわめきが 12:13
Es seusst dort her
(女声、ハープ、フィーデル)
3.まことの恋人 2:14
Do raig amors
(男声、伴奏: ハープ、1つのフィーデル)
4.十歳のころに 12:20
Es fuegt sich
(男声)
5.太陽のまばゆい光よりも 7:08
Wer ist, die da durchleuchtet
(声楽、伴奏: 1つのフィーデル)
6.器楽曲 5:58
[Instrumentalstück/Instrumental piece]
(2つのフィーデル、ハープ)
7.おぞましいこの世の中 14:36
O snöde werlt
(女声、ハープ)
8.ベルベル地方とアラビアを通り 5:31
Durch Barbarei, Arabia
(男声、1つのフィーデル)
9.愛らしく優しい挨拶が 6:42
Vil lieber grüsse
(女声、ハープ、1つのフィーデル)
Total Time. 70:50
セクエンツィア(中世音楽アンサンブル)
SEQUENTIA, Ensemble für Musik des Mittelalters
指揮: バーバラ・ソーントン&ベンジャミン・バグビー
Leitung/direction: Barbara Thornton & Benjamin Bagby
バーバラ・ソーントン(独唱)
Barbara Thornton: Gesang/voice
ベンジャミン・バグビー(独唱&ハープ)
Benjamin Bagby: Gesang/voice, Harfe/harp
エリザベス・ゲーバー(フィーデル1)
Elizabeth Gaver: Fidel/fiddle (1)
ライナー・ウルライヒ(フィーデル2)
Rainer Ullreich: Fidel/fiddle (2)
校訂、発音指導、学術顧問: ホルスト・ブルンナー博士(ヴュルツブルク大学教授)
Edition, Aussprachetraining, wissenschaftliche Beratung/Edition, pronunciation training, philological consultation: Prof. Dr. Horst Brunner (Würzburg)
Executive Producer: Jan Höfermann
Produzent/Producer: Klaus L. Neumann
Tonmeisterin/Recording engineer: Barbara Valentin/WDR Köln
Technik/Technical equipment: Westdeutscher Rundfunk Köln
Editing/Schnitt: Georges Kisselhoff
Aufgenommen/Recorded: 18. -22. Januar 1993 Empore des Westwerks St. Pantaleon, Köln
Eine Coproduktion mit Westdeutscher Rundfunk Köln
Titlebild/Front cover picture: Detail des Portraits von Oswald von Wolkenstein, vielleicht von Pisanello, aus der B-Handschrift (Innsbruck), 1432./Detail of portrait of Oswald von Wolkenstein, possibly by Pisanello, from the B-Handschrift (Innsbruck), 1432.
◆本CD解説(ホルスト・ブルンナー)より◆
「オスヴァルトの芸術作品は数世紀にわたって全く忘れ去られていたが、19世紀になってようやく再発見された。そして、彼が中世ドイツのきわめて重要な詩人のひとりであると評価されるようになったのは、ようやく最近30年間のことである。オスヴァルトが自分自身で2つの羊皮紙の手写本に収集させた膨大な作品には、当時一般的に行われていたありとあらゆる歌詞のタイプが含まれており、しばしばきわめて独自の、個性的な色合いを帯びている。その中には、フランスやイタリアの作者による既存の曲を使い、つまり歌詞だけを新たに付した多声の曲もしばしば見られる。また、それと共に、16世紀に至るまでのドイツの歌曲の伝統を特徴づけている単声の歌曲も数多く含まれている。このCDは、オスヴァルトの単声歌曲の一面を示している。」
「第4曲(中略)は、オスヴァルトの自伝を歌った最も有名な歌であり、一種の人生の告白である。これを彼が書いたのは38歳か40歳で、いずれにせよ結婚前であろう(中略)。この歌は、その長大な詩節形式によっても、またその表現の仕方においても、ドイツの〈格言詩〉の伝統を引き継いでいる。そして、オスヴァルトの伝記に関する最も重要な資料のひとつとして、記録では裏付けることのできない様々な情報を与えている。そして、彼の人生の絶頂とどん底とを対置し、(中略)この詩人を彼の人生にとって決定的な状況に置く。すなわち、世間と調和した生き方か、世間との関係を断った生き方かの選択である。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全36頁)に「解説」(ホルスト・ブルンナー/寺本まり子 訳)、歌詞対訳(石井道子)、図版(モノクロ)1点。ブックレット裏表紙に写真図版(カラー)1点。
★★★★☆
Es fuegt sich