幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

ドリス・モンテイロ  『サマー・サンバ』 

ドリス・モンテイロ 
『サマー・サンバ』 

doris monteiro 


CD: Universal 
制作:インターナショナル/USM 
発売・販売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 
シリーズ:初CD化&入手困難盤復活!! ブラジルが生んだ秘蔵の名盤 〈’50s~’60s〉 
UICY 79608 (2021年) 
定価¥1,100(本体¥1,000 税率10%) 
Made in Japan   

 


帯文: 

「そのクールかつコケティッシュなヴォーカルで人気の高い
ドリス・モンテイロの60年代を代表する一枚。マルコス・ヴァーリ
「サマー・サンバ」他収録。オルガン奏者、ワルター・ワンダレイが参加。」

「おことわり:この小品は既発商品のアートワークを流用しているため、表記がその発売当時のままとなっております。また、曲により一部お聴き苦しい箇所がございますが、オリジナル・マスターに起因するものです。予めご了承ください。」


1. SAMBA DE VERÃO (Marcos Valle - Paulo Sérgio Valle) 
サンバ・デ・ヴェラゥン(サマー・サンバ) 
2.DOIS PEIXINHOS (Duval Ferreira - Luiz Fernando Freire) 
ドイス・ペイシーニョス(二匹の魚) 
3.BAIÃOZINHO (Eumir Deodado) 
バイアウンジーニョ 
4.VOU DE SAMBA COM VOCÊ (João Mello) 
ヴォウ・デ・サンバ・コン・ヴォセ(あなたとサンバを) 
5.DEUS BRASILEIRO (Marcos Valle - Paulo Sérgio Valle) 
デウス・ブラジレイロ(ブラジル人の神様) 
6.DIZ QUE FUI POR AÍ (Zé Keti - H. Rocha) 
デス・キ・フイ・ポル・アイ 
7.VIVENDO DE ILUSÃO (Duval Ferreira - Orlando Henriques) 
ヴィヴェンド・デ・イルザゥン(幻想に生きる) 
8.FALARAM TANTO DE VOCÊ (Duval Ferreira - Orlann Divo) 
ファラーラン・タント・デ・ヴォセ 
9.SAMBOU SAMBOU (João Donato - João Mello) 
サンボウ・サンボウ 
10.E VEM O SOL (Marcos Valle - Paulo Sérgio Valle) 
イ・ヴェン・オ・ソル(そして日が昇る) 
11.RAZÃO DO AMOR (Marcos Valle - Paulo Sérgio Valle) 
ハザゥン・ド・アモール(愛の理由) 
12.VERDADE EM PAZ (Duval Ferreira - Pedro Camargo) 
ヴェルダーヂ・エン・パス(平和な真実) 


発表:1964年 
マスター:1998年 


中村善郎による解説より◆ 

ボサ・ノヴァのムーヴメントは1950年代の終わり頃から始まった。それはそれまでの古い体質の音楽に対する反発とアメリカのジャズへの憧れから若者達の中に生まれた、というのが定説になっている。」
「ドリス・モンテイロは1950年代の初め頃から活躍してきた女性シンガーだ。ほぼ同時代に活躍したシルヴィア・テリスやマイーザといった人達と同様、彼女もサンバ・カンサゥンや小粋でジャジーなサンバを得意とし、派手ではないが、確実なファンと地位を持っている。彼女達はボサ・ノヴァの時代の以前から既にジャズ的なアプローチの曲を歌っていた。そういう意味ではボサ・ノヴァの先駆的な存在の一人とも言える。多くのブラジルのヴォーカリストがそうであるように、彼女もハスキーな低音域の声に独特の魅力がある。アメリカなどのポップス系で聞かれる、高音域を中心にした歌い上げる声とは対照的だ。」
「そして彼女のバックを務めているのが、ハモンド・オルガンの巨匠、ワルター・ワンダレイのトリオ(サン・パウロで録音)と、数多くのアルバムでアレンジを担当してきたリンドルフ・ガヤの楽団(リオでの録音)だ。」
「このアルバムではマルコス・ヴァーリのものを中心に大御所ジョアン・ドナート、ドゥルヴァル・フェレイラ、エウミール・デオダート、ゼー・ケチなどのナンバーが取り上げられている。いずれもボサ・ノヴァの時代に様々なジャジーな試みを重ねて来た人達の作品である。」


◆本CDについて◆ 

ジュエルケース(白トレイ)。ブックレット(全8頁)にトラックリスト、中村善郎(シンガー/ギタリスト)による解説(1998年初CD化の際の解説を転載)、表紙・裏表紙はオリジナルLPのデザインを再現しています。歌詞は掲載されていません。

ドリス・モンテイロは1934年生まれ。

9月も半ばを過ぎたのに空には夏雲。夏が一向に終わりそうにないのであきらめて本CDをきいてみました。ドリス・モンテイロは気怠いながらも丁寧に歌っていてよいです。ヌーヴェル・ヴァーグっぽいジャケット・デザインもよいです。

★★★★★ 


サンバ・デ・ヴェラゥン(サマー・サンバ) 


ヴィヴェンド・デ・イルザゥン(幻想に生きる)