幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

スコーピオンズ  『復讐の蠍団~イン・トランス』

スコーピオンズ 
『復讐の蠍団~イン・トランス』 

Scorpions 
In Trance 


CD: 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント  
SICP 20243 (2010年) 
定価¥2,500(税抜価格¥2,381) 

 

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帯文: 

「★今、世界を恐怖の淵へたたき込む悪魔の蠍野郎!! 
遂に独蠍の進撃は開始された。恐怖の2197秒。」


帯裏文: 

「1975年作品。サード・アルバム。ドラムがヨルゲンからルディ・レナーズに交代。前作よりもさらにウルリッヒのギターが炸裂。またウルリッヒとルドルフによるツイン・ギターもさえ渡り重厚なサウンドのアルバムとなった。アルバムから「ロボット・マン」がシングル・ヒット。「ダーク・レディ」のインパクトも大。ここからヨーロッパでの認知が広がる。また日本ではこのアルバムがデビュー作となった。このアルバムから以後長年携わることになるディーター・ダークスのプロデュースとなる。」


1.ダーク・レディ 3:27 
Dark Lady (Ulrich Roth) 
2.イン・トランス 4:46  
In Trance (Rudolf Schenker/Klaus Meine) 
3.人生は川の如し 3:48 
Life's Like A River (Ulrich Roth/Rudolf Schenker/C. Fortmann) 
4.トップ・オブ・ザ・ビル 3:24 
Top Of The Bill (Rudolf Schenker/Klaus Meine) 
5.生と死 3:20 
Living And Dying (Rudolf Schenker/Klaus Meine) 
6.ロボット・マン 2:43 
Robot Man (Rudolf Schenker/Klaus Meine) 
7.日暮れ時の風 5:02 
Evening Wind (Ulrich Roth) 
8.サン・イン・マイ・ハンド 4:24 
Sun In My Hand (Ulrich Roth) 
9.炎を求めて 2:44 
Longing For Fire (Ulrich Roth/Rudolf Schenker) 
10.ナイト・ライツ 3:15 
Night Lights (Ulrich Roth) 


Klaus Meine: Lead Vocals 
Ulrich Roth: Lead Guitars, Vocals 
Rudolf Schenker: GUitars 
Francis Buchholz: Bass 
Rudy Lenners: Drums 

Special thanks to Achim Kirschning 
for Keyboards and Langer, our Chief-Roadie 
Recorded and remixed at Dierks-Studios 
Cover-Foto by Michael von Gimbut 
Cover-Design by CoDesign Dirichs 
Produced by Dieter Dierks 


◆「Life's Like A River」歌詞より(対訳: 高橋一路)◆ 

「Don't be afraid of getting old 
Life's still full of joy 
And the beauty of the past is rejoicing your mind」

「老いることを怖がることはない 
人生は歓びに満ちている 
素晴らしい過去を存分に楽しめばいい」


◆本CD解説(伊藤政則)より◆ 

SCORPIONSのアルバムの本邦初登場は通算3枚目の「IN TRANCE」で、1976年6月に日本盤として発売されている。あのRAINBOWの初来日公演の半年前のことで、(中略)渋谷陽一氏がNHKの自身の番組で「IN TRANCE」からの曲を紹介したところ、リスナーからもの凄い反響が寄せられ、その勢いに乗って同年10月に2枚目のアルバム「FRY TO THE RAINBOW」が発売されることになった。(中略)テイチク・レコードも慌ただしく「BRAIN」時代のデビュー・アルバム「LONESOME CROW」の発表を決めていった。そして衝撃的なアート・ワークの「VIRGIN KILLER」での人気の爆発を経て、「TAKEN BY FORCE」発表後ついに初来日公演を実現させる。(中略)当時の日本のファンクラブは音楽大学に通う女性の学生達他で運営されていて、バンドと彼女達の素晴らしい連係プレイからあの「荒城の月」の名演は誕生している。」

「この「IN TRANCE」でバンドのロゴが確定する。このロゴのレタリングは1975年公開の映画『ローラーボール』のタイトル・デザインから取られたものらしい。」


◆本CDについて◆ 

紙ジャケ仕様。ブックレット(全12頁)に伊藤政則による解説(2007年)※と追記(2010年)、歌詞(英語原文/日本語訳)。投げ込み(1976年発売LPライナー復刻)に渋谷陽一による解説と歌詞(英語のみ)。
「※本ライナーは2007年12月にリリースされた「スコーピオンズRCAイヤーズ紙ジャケット・コレクション」で書かれたものを流用掲載しております。」

LPでさんざん聴き倒した本作を高音質CDで再び存分に堪能する歓び。
「蠍団」というネーミングは江戸川乱歩の小説(「妖虫」)に出てきそうでよいです。「ローラーボール」なんて映画は今の若い人は知らないでありましょう。

「ダーク・レディ」あたりはユーライア・ヒープの影響が顕著ですが、鬱ムードに浸されながらもプログレッシヴに盛りあがる「イン・トランス」「人生は川の如し」「生と死」「日暮れ時の風」などは演歌心溢れる名曲で圧巻です(やや「七月の朝」っぽいですが)。「サン・イン・マイ・ハンド」はややジミヘン風。

★★★★★ 


In Trance


Life's Like a River 


Living and Dying