シカモア
『ホワッツ・イン・ア・ソング』
Sycamore
What's In A Song
European Traditional Collection 3
CD: Seven Seas
発売元:キングレコード株式会社
シリーズ:ユーロ・トラッド・コレクション
280E 52053 (1989年)
税込定価¥2,800(税抜価格¥2,718)
Made in Japan
帯文:
「美しいフルートにティン・ホイッスル、リコーダー、フィドルが
おりなすクラシカル・トラッドの美的空間。
ヨーロッパ・トラッドの奥行きを感じさせる1枚!」
帯裏文:
「オランダ出身の6人組シカモアが目指すケルト・ミュージックは、ヨーロッパ的な陰影に彩られたクラシカル・トラッド。美しいフルートにティン・ホイッスル、リコーダー、フィドルがヨーロッパのトラッドの奥行きを感じさせてくれる。」
1. THE RAKES OF KILDARE / THE TENPENNY BIT / SWALLOW'S NEST 6:10
キルデールのくまで/ザ・テンペニー・ビット/燕の巣
2. ONCE I HAD A TRUE LOVE 4:17
過ぎ去りし愛
3. THE BUNCH OF ROSES / GET UP OLD WOMAN AND SHAKE YOURSELF 5:24
薔薇の花束/起きてよおさん元気をだして
4. THE DELUDED LOVER 4:47
裏切りの愛
5. TO THE VIRGINS, TO MAKE MUCH OF TIME 1:14
乙女達へ、時を大切に
6. THE MOUNTAIN LARK / THE TEMPLEHOUSE 2:40
山のひばり/礼拝堂
7. INSTRUMENTAAL 1 5:04
インストゥルメンタール 1
8. MY DARLING PLOUGHMAN BOY 3:59
私の愛しい人
9. THE WATCHMAKER / THE YOUNGEST DAUGHTER / JOE CANT'S REEL 4:28
時計屋/末娘/ジョー・カントのリール
-alle arrangementen door Sycamore-
Hans Hassing: dwarsfluit, thinwhistle, zang
Suzanne van Nassau: viool, altblokfluit, zang
Gaudia Geijsen: zang, diverse ritme-instrumenten
Math Bruls: gitaar, mandoline, mandola, ierse harp, zang
Jan Vernhout: basgitaar, zang
Erik Nijsten: gitaar, zang (kant 1 nr. 1,2 - kant 2 nr. 3,4,5)
producer: Job Zomer
opname-technicus: Jan Theelen
foto's hoes: Wim Vroemen
vormgeving hoes: Paul van Mil jr.
opgenomen in de 'Jan Theelen-studio' te Munstergeleen, winter 1976 - voorjaar 1977.
All the songs are TRADITIONAL
All arranged by Sycamore
Licensed by MUNCH RECORDS LTD. NETHERLAND
デザイン:美登英利/SSデザイン
イラスト:渋谷和良
「ヒス、ノイズ等若干おきき苦しい点がありますが、
これらはオリジナルによるものです。ご了承ください。」
◆本CD解説(白石和良)より◆
「ユーロ・トラッドという我が国には未知の音楽ジャンルを紹介する今回のシリーズの中でもこのシカモアのアルバムはひと際、異彩を放っている。」
「全員オランダ人によって結成され、オランダで活動したグループでありながら、そのレパートリーは殆ど全てブリテン諸島のものであり、特にアイリッシュが多い。つまりオランダのアイリッシュ・グループといった存在なのである。」
「女性ヴォーカルを中心にフィドル、フルート、エレキ・ベース、ギター、マンドリン等6人のこのグループは’76年頃に結成された。アルバムは本作と、先立つ“Sycamore”の2作がある。その1stでも“Farewell Nancy”や“raggle taggle gipsies”といった、殆どブリテン諸島の曲ばかりを取り上げていた。この様に他国のマティリアルを専門に演じるというのは確かに異色ではあるが他にも例がない訳ではない。一部で知られているものにオランダのエレクトリック・トラッドの草分け、Fangus。彼らは70年代前半から活動し、フェアポート・コンヴェンションのフォロワーとしてブリティッシュ・トラッドやリチャード・トンプソンの曲を英国のグループの様に演じていた。そしてまたしてもオランダのグループ、King's Galliard。彼らもオランダ人でありながら、アイリッシュのインスト曲ばかりを、しかし実に大陸的に優雅に演じていた。」
「1stアルバムではかなりシンプルにブリティッシュ・トラッドを手本通り演じていた彼らであるが、この’77年の2ndではアイルランドのジグなどかなり大陸的というか、古楽的な響きを聴かせてくれ、土臭さのない女性ヴォーカルとも相まって本場アイルランドにはない独特の表情を持っているのが興味深い。」
「[5]はトラッドではなく、ロバート・ヘリックという人の詩による曲。曲想はイングランドに多いフォーク~クラシックの中間的な世俗合唱曲といったところか。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全12頁)に白石和良による解説、歌詞対訳(染谷和美)。ブックレット裏表紙にオリジナルLPジャケット図版(カラー)。投げ込み(十字折り)に「オリジナルLPジャケットのバック・スリーブ」復刻(モノクロ)と「European Traditional Collection」CDリスト(モノクロ図版15点)。インレイにトラックリスト。
シカモアのややクラシカルな美声&バロック・ポップなアレンジは日本人好みかもしれないです。
1970年代ダッチ・フォークも日本の70年代フォークに劣らず肥沃なフィールドで、このSycamoreや、本シリーズにも入っているTail Toddle、本CD解説で言及されているFungusやKing's Galliard、男女デュオのSundownやバロック・ポップのMayflyなどを集成したコンピ盤『Dutch Rare Folk』(2007年)もリリースされています。
★★★★☆
Once I Had a True Love
Various - Dutch Rare Folk Cd 1
Various - Dutch Rare Folk Cd 2