John Fahey
『The Legend of Blind Joe Death』
CD: Takoma Records / Fantasy, Inc
CDTAK 1002 (1996)
Made in The United Kingdom
1. ON DOING ALL EVIL DEED BLUES (Fahey) [1964] 5:07
2. ST LOUIS BLUES (Handy) [1959] 4:53
3. POOR BOY LONG WAYS FROM HOME (Trad/Arr Fahey) [1959] 3:12
4. UNCLOUDY DAY (Alwood, Kinsey, Arr Fahey) [1959] 3:23
5. JOHN HENRY (Trad/Arr Fahey) [1959] 3:20
6. IN CHRIST THERE IS NO EAST OR WEST (Barthelemon, Arr Fahey) [1964] 2:21
7. DESPERATE MAN BLUES (Fahey) [1964] 4:05
8. SUN GONNA SHINE IN MY BACK DOOR (Trad/Arr Fahey) [1959] 3:32
9. SLIGO RIVER BLUES (Fahey) [1959] 3:05
10. ON DOING ALL EVIL DEED BLUES (Fahey) [1967] 3:56
11. ST LOUIS BLUES (Handy) [1967] 3:15
12. POOR BOY LONG WAYS FROM HOME (Trad/Arr Fahey) [1967] 2:23
13. UNCLOUDY DAY (Alwood, Kinsey, Arr Fahey) [1967] 2:22
14. JOHN HENRY (Trad/Arr Fahey) [1967] 2:05
15. IN CHRIST THERE IS NO EAST OR WEST (Barthelemon, Arr Fahey) [1967] 2:43
16. DESPERATE MAN BLUES (Fahey) [1967] 3:58
17. SUN GONNA SHINE IN MY BACK DOOR (Trad/Arr Fahey) [1967] 4:36
18. SLIGO RIVER BLUES (Fahey) [1967] 2:33
19. I'M GONNA DO ALL I CAN FOR MY LORD? (Trad/Arr Fahey) [1967] 1:24
20. THE TRANSCENDENTAL WATERFALL (Fahey) [1964] 10:35
21. WEST COAST BLUES (Arr Fahey) [1964] 1:25
Front cover design by Tom Weller
◆本CDについて◆
ブックレット(全16頁)にGlenn JonesによるCDライナーノーツ(March 1996)、Ed Denson/Chester Patranick(John Faheyの偽名)/Barry Hansenによる1964年再発LPライナーノーツ、LPジャケット画像(モノクロ)3点、ブックレット裏表紙に1967年再々発LPジャケット図版(カラー)。インレイにトラックリスト&クレジット。
『ブラインド・ジョー・デスの伝説』。アメリカの特異なギタリスト、ジョン・フェイヒイの1st『Blind Joe Death』のCD化ですが、オリジナル盤(1959年)そのままではなく、一部を録音し直した再発盤(1964年)と、さらにほぼ全曲を録音し直した再々発盤(1967年)を収録しています。
1959年、古いブルースやヒルビリー、ゴスペルなどオールド・タイミー音楽のSP盤コレクターだった20歳のジョン・フェイヒイは、ソロ・ギターによるインスト・アルバムを自主制作します。ジャケットには表裏にそれぞれ「JOHN FAHEY」「BLIND JOE DEATH」とだけ記されていて、フェイヒイと、架空のブルース・ギタリスト「ブラインド・ジョー・デス」の演奏(実際にはフェイヒイが演奏しています)を片面づつ収録したスプリット盤という体裁でした。オープン・チューニングを使用したスティール弦ギターのフィンガー・ピッキングによるインスト・アルバムは当時としては珍しいものでした。
1963年には2nd『Death Chants, Breakdowns & Military Waltzes』をリリース、カルト的な支持を得るようになったので、1st『Blind Joe Death』のうち演奏に不満だった数曲(#1、6、7、20)を1964年に録音し直して再発したのが本CDの#1~9および20で、オリジナル盤では4分ほどだった「The Transcendental Waterfall」は再発盤では11分の長尺曲になる一方、オリジナル盤に収録されていた「West Coast Blues」は再録音はされたものの(#21)再発盤ではオミットされています。
1959年のオリジナル盤、1964年の再発盤はモノラルでしたが、1967年には(2nd共々)ステレオで録り直して再々発(『John Fahey Volume 1: Blind Joe Death』)、ただし「The Transcendental Waterfall」は1964年版を短縮したヴァージョンで、新たに「I'm Gonna Do All I Can for My Lord」が追加されています。
本CDは1964年の再発盤と1967年の再々発盤の全トラック(ただし「The Transcendental Waterfall」の短縮ヴァージョンはオミットされています)と、未発表だった1964年版「West Coast Blues」を収録しています。結果的に1959年のオリジナル盤のうち5トラックが未収録ということになりますが、フェイヒイ自身がそれらのCD化を望んでいないということなので致し方ないです。
ブックレットに再録されている再発LPライナーノーツはパロディ的(韜晦的)なもので、「ジョン・フェイヒイは1964年に発狂し、まもなく死んだ。死の床にあった彼は最後に私に言った、「俺のギターをぶっこわしてくれ、思い残すことなく死ねるように(Take down my old guitar and smash it against the wall so I can die easy)」。私がその通りにすると彼は満足げな笑みを浮かべて黄泉へと旅立っていった(I did so and he passed away with a chthonic smile on his face)」などと書かれています。
★★★★★
Uncloudy Day (1959)
Uncloudy Day (1967)