幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

アン・ブリッグス  『ザ・コンプリート・トピック・レコーディングス』

アン・ブリッグス 
『ザ・コンプリート・トピック・レコーディングス』 
Classic Anne Briggs 
The Complete Topic Recordings 


CD: Fellside Recordings 
FECD78 (1990) 
Made in England 

輸入・配給元: Vivid Sound Corporation 
VSCD-1305 (I) (1995年) 
¥2,500(税抜)[直輸入盤・解説付] 

 

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ブックレット表紙。

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ファーストLPのジャケットを再現したカード。


帯裏文: 

「60年代英国フォーク・リバイバルの最高のヒロイン、アン・ブリッグス。
彼女は70年代前半に音楽シーンから引退してしまった為、その存在の大きさに比して残された録音は僅かであり、伝説的シンガーとされてきた。本CDは1971年発表のデビューLPを中心にEP、オムニバス・レコード等、1963~1971年にかけて彼女がトピック・レーベルに残した録音の集大成。
◆オリジナル・アナログ盤よりA.L. ロイドによる曲解説付。」


1. The Recruited Colliler  2:34 
2. The Doffing Mistress  1:22 
3. Lowlands Away  3:10 
4. My Bonny Boy  2:46 
5. Polly Vaughan  4:19 
6. Rosemary Lane  2:40 
7. Gathering Rushes  4:45 
8. The Whirly Whorl  1:10 
9. The Stonecutter Boy  1:46 
10. Martinmas Time  4:50 
11. Blackwater Side  3:48 
12. The Snow It Melts The Soonest  2:18 
13. Willie O' WInsbury  5:25 
14. Go Your Way (A. Briggs)  4:07 
15. Thorneymoor Woods  3:30 
16. The Cuckoo  3:05 
17. Reynardine  2:53 
18. Young Tambling  10:32 
19. Living By The Water (A. Briggs)  3:47 
20. My Bonny Lad  1:15 

All tracks traditional except where shown 


Original recordings issued by Topic Records Ltd., reissued under licence. 
Original recordings produced by A. L. Lloyd. 
Remastering and Digital Transfer by Paul Adams
Artwork by Mary Blood. 
Photograph by Brian Shuel (Singers Club, London 1962). 
Notes by Ken Hunt. 


The original recordings were made on portable analogue equipment using no noise reduction. As far as possible, without affecting the audio content, modern techniques have been employed to clean up the background noise and print through. 

Tracks 1 - 2 Originally issued on "The Iron Muse" Topic 12T86 (1963) 
Tracks 3 - 6 Originally issued on "The Hazards Of Love" Topic TOP94 (1964) 
Tracks 7 - 10 Originally issued on "The Bird In The Bush" Topic 12T135 (1966) 
Tracks 11 - 20 Originally issued on "Anne Briggs" Topic 12T207 (1971) 
Track 2 Add Ray Fisher (vocal) 
Tracks 11 - 20 Anne plays Guitar and Bouzouki and Johnny Moynihan plays Bouzouki 


◆本CD解説(白石和良)より◆ 

「アン・パトリシア・ブリッグスはイングランド中北部の大都市ノッティンガムの南の外れのトートンの村で1944年9月29日に生まれた。(中略)早くも59年には友達とヒッチハイクエジンバラのアーチー・フィッシャーの家を訪れ偶然滞在していたバート・ヤンシュとも出会って皆で一緒に演唱した事もあった。そして62年、『センター42』フェスティバルがノッティンガムを訪れる。これは労働組合会議の地方文化振興活動であり、フォーク・リバイバルの中心人物のA.L. ロイドやイワン・マッコール達が主宰したフォーク・コンサートも含まれていた。各地の歌手を積極的に起用するという方針からアンはマッコールの前でオーディションとして歌わされる。彼女は「彼が誰かなんて知らなかった」が見事に目に適って『42』のツアーへの同行を薦められた。当時彼女は高校卒業後で美術学校へ通い始めたところだったがそこを4日で中退してツアーに加わったのだった。
 アンの歌に惚れこんだロイドはこの時から彼女を親身になって指導し自分の企画したプロジェクトに参加させた。その最初の成果が63年の工業労働歌のオムニバスLP “THE IRON MUSE” であり、(中略)そして64年にはアンの単独EP “THE HAZARDS OF LOVE” が発表された。」
「66年にはロイドの次の企画LP “THE BIRD IN THE BUSH” にフランキー・アームストロング達と参加するが、こうした一方でアイルランドを放浪し今日のアイリッシュ・ミュージックの祖となったグループ、スウィニーズ・メンの面々、特に(恋人と噂された)ジョニー・モイニハンと行動を共にした。彼はギリシャの民族楽器ブズーキをアイルランド音楽に導入した張本人である。「君がまたアイルランドに消えない内にLPを作ろう」(ロイド)。こうして71年に発表されたファーストLP “ANNE BRIGGS” ではモイニハンとアン自身の(全く独学我流の)ブズーキ伴奏が聴ける。彼女はまた、バート・ヤンシュにトラッド曲を教え、バートからはギターを習い、二人で共作し、一緒にライヴ活動も行った。そしてペンタングルのマネージャー、ジョー・ラスティグの力で72年にはCBSからセカンドLP “THE TIME HAS COME” (中略)を発表。これまでのトラッド中心の選曲から一転して自作を中心に新しい歌を集めて彼女はバートばりのギターを聴かせた。しかしポップ化するフォーク界に馴染めなかった彼女は結局引退を決意する。(中略)その後のアンはごく一部の例外を除いて人前で歌う事は無かったが93年のヤンシュのドキュメンタリー番組 “ACOUSTIC ROUTES” に出演し(中略)ヤンシュをバックに久々に(中略)歌った。この頃彼女は再びライヴ活動も行ったがこれは短い夢に終わってしまった。」


◆本CDについて◆ 

輸入盤国内仕様。三つ折りブックレット(6頁)にトラックリスト&クレジット、Ken Hunt による解説(英文)。投げ込みに白石和良による解説、歌詞(英語原文のみ)、「Original Notes by A.L.Lloyd」(英語原文のみ)。ファーストアルバムのジャケットを再現したカード(ブックレットと同サイズ、裏はブランク)が付いていますが、これは日本側で付けたのだと思います。

★★★★★ 


Anne Briggs - Rosemary Lane 

 

 Anne Briggs & Bert Jansch - Blackwater Side (1993) 


Anne Briggs


Folk Britannia: The Watersons & Anne Briggs