バート・ヤンシュ(ウィズ・マーティン・ジェンキンス)
『ライヴ・アット・ラフォーレ』
Bert Jansch Live at La Foret with Martin Jenkins
CD: Vivid Sound
製作: 日本コロムビア株式会社
発売: ヴィヴィド・サウンド・コーポレーション
VSCD-703 (1996年)
税抜¥2,800
Made in Japan
帯文:
「80年3/22・3/23東京・原宿ラフォーレに於ける来日公演の模様を収録した、バート事実上初の公式ライヴ・アルバムの初CD化。日本のみのリリース。」
1. Poor Mouth
2. Blues Runs the Game
3. Bittern
4. Ask Your Daddy
5. Running from Home
6. Angie
7. Avocet
8. Let Me Sing About Love
9. Alimony
10. Una Linea di Dolcezza (A Line of Sweetness)
11. Mother Earth
Recorded at La Foret Plaza 22 and 23 March 1980
With special thanks to Towa Planning
◆本CDについて◆
オリジナルLPは1980年に日本コロムビアよりリリースされました。
二つ折りブックレット(内側はブランク)にLPジャケ&裏ジャケが縮小再現されています。
投げ込み(十字折り)に白石和良による解説(1996年)と歌詞(英語原文のみ)。
元ダンドゥ・シャフト(Dando Shaft)のマーティン・ジェンキンス(マンドセロ、フィドル、エレキ・ギター、ヴォーカル)とバート・ヤンシュ(アコースティック・ギター、ヴォーカル)が活動を共にするようになったのは1976年からで、その頃ヤンシュは元リンディスファーンのロッド・クレメンツ(Rod Clements)のベース、ピック・ウィザース(Pick Withers)のドラム、ヴマイク・ピゴット(Mike Piggott)のヴァオイオリンでバンドで活動していましたが、スカンディナヴィア・ツアーを前にピゴットが旅行嫌いを理由に抜けた穴を埋めるため、ジェンキンスに声がかかりました。ちなみにヤンシュは1978年頃、ダンドゥ・シャフトのヴォーカリストだったポリー・ボルトン(Polly Bolton)と同棲していました。それはそれとして、ツアー終了後にクレメンツはリンディスファーンのリユニオンに加わるため、ウィザースはのちダイアー・ストレイツになるバンドに加わるために抜けてしまい(1978年にはボブ・ディランに呼ばれて『スロー・トレイン・カミング』のレコーディングに参加しています)、バートとジェンキンスはデュオを中心に活動を続け(その間、1977年にはダンドゥ・シャフトが一時的に復活、ゲストとしてベースに元ペンタングルのダニー・トンプソン(Danny Thompson)、ロッド・クレメンツを迎えてアルバム『Kingdom』をリリースしています)、1978年にはヤンシュ、ジェンキンスにダニー・トンプソンを加えて名作インスト・アルバム『Avocet』を、その後ベースのナイジェル・ポートマン・スミス(Nigel Portman Smith)とドラムのルース・ラングリッジ(Luce Langridge)を加えたバート・ヤンシュ・コナンドラム(Bert Jansch Conundrum)を結成して1980年に『Thirteen Down』(元ペンタングルのジャッキー・マクシーが1曲にヴォーカルで参加)をリリースしています。本CD#3、#7は『Avocet』、#4、#8、#10、#11は『Thirteen Down』収録曲です。#1はヤンシュのソロ『A Rare Conundrum』(クレメンツ、ピゴット、ウィザース、ラルフ・マクテル。1977年リリース、録音は1976年)収録曲、#2(ジャクソン・C・フランクのカバー)は『Santa Barbara Honeymoon』(1975年)収録曲、#5、#6(デイヴィ・グレアム作のインスト曲)は『Bert Jansch』(1965年)収録曲、ライ・クーダーで有名な#9(トミー・タッカ―作)はヤンシュ&ジェンキンス/コナンドラムのライヴ・レパートリーで、ジェンキンスがリード・ヴォーカルを取っています。#1、#5、#8、#9はバート・ヤンシュ・コナンドラムの演奏が『BBC Radio 1 Live In Concert』(1993年リリース。録音は1980年)に収録されています。
それにしてもラフォーレ原宿という、おしゃれ最先端の「ファッショントレンドの発信地」にバート・ヤンシュとは。しかし当時は日本コロムビアからトランスアトランティック・レーベルのペンタングル関連LPが廉価盤シリーズで続々とリリースされていて(日本コロムビアからはブリジット・フォンテーヌも廉価盤で出ていました)、時代はまさに「ネオアコ」前夜、本国では「忘れられたヒーロー」であったヤンシュも日本ではカッコいいオシャレな存在だったのかもしれないです。
★★★★☆
Avocet