Bert Jansch
『Nicola』
CD: Transatlantic Records / Castle Music
Sanctuary Records Group Ltd.
CMRCD333 (2002)
Made in England
1. Go Your Way My Love (Briggs, Jansch) 4:18
2. Woe Is Love My Dear (Jansch) 2:16
3. Nicola (Jansch) 2:47
4. Come Back Baby (Davis) 2:55
5. A Little Sweet Sunshine (Jansch) 2:14
6. Love Is Teasing (Trad. Arr. Jansch) 2:04
7. Rabbit Run (Jansch) 2:38
8. Life Depends On Love (Jansch) 1:44
9. Weeping Willow Blues (Trad. Arr. Jansch) 3:38
10. Box Of Love (Jansch) 2:01
11. Wish My Baby Was Here (Jansch) 1:39
12. If The World Isn't There (Jansch) 3:06
BONUS TRACKS
13. In This Game (Jansch) 4:05
14. Dissatisfied Blues (Trad. Arr. Jansch) 2:50
Originally released on Transatlantic TRA 157, 1967
Original cover design: Brian Shuel
Reissue design: Becky Stewart @ Hi-Hat
Project co-ordinators: Steve Hammonds & Antony Amos @ Sanctuary Records Group Ltd.
Sleeve notes: Colin Harper
Photos: Brian Shuel & Redferns
Mastering: Andy & Sean @ Masterpiece
◆本CDについて◆
スリーブケース(筒)、ジュエルケース(透明トレイ)、ブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット、Colin Harperによる英文解説、アーティスト写真(モノクロ)5点、CDリスト「Also available...」図版(カラー)15点。
バート・ヤンシュのソロ第4作『ニコラ』、1967年4月録音、8月リリース。前作『ジャック・オライオン』がトラッド曲を中心にした、モノクロのジャケットとも相俟ってダークで渋いアルバムだった反動からか、本作ではドラム&ベースが入ったり、12弦ギターやエレキ・ギターに手を出したり、あろうことかギターを弾かずにストリングス&ブラスをバックに歌だけを歌うというような、表面的な派手さを狙った、ヤンシュの弟分ともいえるドノヴァンの人気にあやかってポップ・スターとして売り出そうとしたレコード会社側の無謀な姿勢が窺われるものになっています(とはいえ、やや投げ槍なジャケット・デザインも含めて、会社側がどこまで本気だったかは疑わしいです)。当時のヤンシュは国内ツアーも盛況で、歌もギターも脂がのっていた時期であり、本人も好調ゆえに意欲的にいろんなことに挑戦してしまったのかもしれないです。本作と前後して、ヤンシュはペンタングルという唯一無比のバンドのメンバーとして(ペンタングルのコンサート・デビューは1967年5月)、別の意味でのスターの道を歩み出すことになります。
「ニコラ」は当時ヤンシュが同居していたジョン・レンボーンのパートナー、ジュディ(Judy Hill)の友人Judy Nicola Crossで、1966年11月のジョン&ジュディの結婚式をきっかけに付き合いはじめ、一緒にピンク・フロイドのコンサートに行ったりしたものの、本作レコーディングを経て1967年のクリスマスには破局してしまったということです。ちなみに本作でアレンジを担当しているデイヴィッド・パーマー(David Palmer、のちジェスロ・タルに加入、1998年に性転換してDee Palmerに改名)はこれが初仕事でした。
#1は12弦弾き語り、#2はフルート、トランペット、ウッドベース、ストリングスによる伴奏、#3はアコギ、チェロ、フルート、ウッドベース、ドラムによるバロックふうインスト、#4はアコギ弾き語り、#5はエレキ、ピアノ、フルート、ブラス、ベース、ドラム伴奏、#6は12弦弾き語り、#7はアコギ&一人三重唱(オーバーダブ)、#8はピアノ、ストリングス、ブラス、ベース、ドラム伴奏、#9は12弦弾き語り、#10はアコギ弾き語り、#11はエレキ、フルート、ブラス、ベース、ドラム伴奏、#12とボートラ#13、14(1972年リリースのベスト盤『Box of Love』収録曲)はアコギ弾き語り。
★★★★★