幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

北村昌士  『Songs Rare』 

Masashi Kitamura 
SONGS RARE 


CD: Trans Records/Fool's Mate 
FMTR034 (2022年)
税込価格3,300円(本体3,000円)

 


帯文:

「音源として完全未発表新曲も含む“歌”の魅力が際立つトラック集!
最後はもう泣くしかない!!」」


1. Long Lankin [5:35] 
2. 正常さを支えるもの/You Alternate Mix [3:41] 
3. 正常さを支えるもの/You 2022 Remaster [3:47] 
4. Lost Wing 2022 Reamster [4:45] 
5. Lost Wing Alternate Mix [4:42] 
6. Lost Wing (Live) [5:12] 
7. On My Mind [8:10] 
8. On My Mind (Live One) [8:14] 
9. On My Mind (Live Two) [6:21] 
10. On My Mind (Acoustic) [4:10] 


Masashi Kitamura: Bass, Voice, Guitars & other instruments. 
You Tachibana: Key. on M4,5 
Other players undecided. 

Mastering, Remastering: Soichiro Nakamura (Peace Music) 
Design: Masahiro Shibagaki 
Photo: Yosuke Komatsu (Odd Job) 
Notes: Takahiro Ishii 

「※作品中の音飛び、ノイズ等はすべてマスターに由来するものです。」


◆本CDについて◆

ジュエルケース(白トレイ)。二つ折りブックレット内側にトラックリスト&クレジット、石井孝浩によるライナーノーツ、ブックレット裏表紙にアーティスト写真(モノクロ)1点。

フールズ・メイトの通販サイトで「箕輪政博復帰記念トランスレコーズ2023/2024年末年始バーゲン」をやっていたので遅ればせながら本CDを購入してみました(1,650円均一)。

本作は三つのパートから成っていて、#1~3がDifferanceの1st『Night Crash』(SSE、1994年)収録曲「正常さを支えるもの/You」の諸相で、#1は原曲「Long Lankin」(スティーライ・スパンの1975年作『Commoners Crown』収録のトラディショナル・バラッド)の宅録弾き語りカバー(エレキギターを重ねています)、#3が『Night Crash』収録バージョンのリマスター、#2はその別ミックス。原曲は子供の血を絞って殺害する「Long Lankin」が主人公の陰惨な殺人バラッドですが、北村昌士による日本語詞は愛息(『Night Crash』ジャケット(ペラ)に顔写真、同ブックレットに親子2ショット写真が掲載されています)に捧げる切々たるメッセージになっています。
#4~6は立花優(キーボード/1987年にヤマジカズヒデとWalt Fallを、2002年にアサイラムのGazelleとQuillion Sleighを結成)と共作した讃美歌ふう(黒百合姉妹ふう)歌曲「Lost Wings」の諸相で、#4はコンピ盤『GALAX 3』(SSE、1991年)収録バージョンのリマスター、#5はその別ミックス、#6はライナーノーツによると「91年11月30日名古屋クアトロでの「北村UNIT」でのライヴ」で「『URAL EX』でのM5と同じソースとなる」もので、ドラムが入っています。#4、5のベースは北村昌士ですが、#6のベースはふつうに巧いので別の人だと思います。本CDには収録されていませんが、黒百合姉妹のJuriのヴォーカル&ヤマジカズヒデのギターをフィーチャーした、コンピ盤『Blank Tapes』(SSE、1993年)収録バージョンもあります。
そして#7~10は何故か「未発表新曲」扱いになっていますが、ピーター・ハミルの『Nadir's Big Chance』収録曲「Shingle Song」のカバーで、#10がアコギ弾き語り、#9がバンド形態でのライブ音源(これがかっこいいです)、#7はキーボードを加えた凝ったアレンジのスタジオバージョン、#8はそのライブバージョンです。

★★★★☆


On My Mind (Shingle Song)