Jacqui McShees Pentangle 『At the Little Theatre』
ペンタングル
アット・ザ・リトル・シアター
CD: Park Records
PRKCD53 (2000)
直輸入限定版:Vivid Sound Corporation
VSCD-2844 (I) (2001年)
帯文:
「90年代以降、ジャッキー・マクシーのソロ・プロジェクトの発展形として登場した「新生ペンタングル」。オリジナル・グループからさらに「ジャズ」へのアプローチを強めた最新ライヴ・アルバム。トラディショナル・バラッドからスタンダード・ジャズまで、ジャンルの狭間を軽やかに駆けぬける新たなペンタングル美学の誕生!」
1. She Moved Through the Fair 4:13
シー・ムーヴド・スルー・ザ・フェア
Trad. Arr. McShee, Conway, Patterson, Thomson
2. Jabalpur 7:07
ジャバルパー
McShee, Conway, Cozens
3. Once I Had a Sweetheart 4:21
ワンス・アイ・ハド・ア・スウィートハート
McShee, Conway, Patterson, Thomson, Underwood
The old band had a hit with this one in the 60's. It is very well known by this title and we can't call it anything else.
4. The Nightingale 5:12
ザ・ナイチンゲール
Trad. Arr. McShee, Conway, Cozens
5. That's the Way It Is 5:06
ザッツ・ザ・ウェイ・イット・イズ
McShee, Conway, Cozens, Thomson
6. The House Carpenter 6:11
ザ・ハウス・カーペンター
McShee, Conway, Cozens
7. I've Got a Feeling 6:25
アイブ・ガット・ア・フィーリング
Pentangle
8. The Bonnie Greenwood Side 3:34
ザ・ボニー・グリーンウッド・サイド
Trad. Arr. McShee, Conway
9. Cruel Sister 8:02
クルエル・シスター
Trad. Arr. McShee, Conway, Patterson, Thomson, Underwood
10. The Wife of Ushers Well 7:17
ザ・ワイフ・オブ・アッシャーズ・ウェル
Trad. Arr. McShee, Conway, Cozens
11. Lovely Joan 6:51
ラヴリー・ジョアン
Trad. Arr. McShee, Conway, Cozens
12. We'll Be Together Again 4:58
ウィル・ビー・トゥゲザー・アゲイン
Music: Carl Fischer
Lyrics: Frank Laine
Arr. Conway, Cozens, McShee
Jacqui McShee - Vocals;
Gerry Conway - Drums & Percussion;
Alan Thomson - Bass, Vocals & Guitar;
Jerry Underwood - Soprano & Tenor Sax;
Foss Patterson - Keyboards
Mixed & Produced by Jacqui McShee, Gerry Conway and Tony Poole.
Special thanks to all the staff at Chipping Norton Theatre; to Tony Poole for his expertise and enthusiasm during the mixing of the album;
Chris Jaeger and all at Park.
All reasonable efforts have been made to locate the origin of the cover picture without success.
◆本CD日本語解説(白石和良)より◆
「ジャッキー・マクシーは、67年の(オリジナル・)ペンタングルの結成に参加。(中略)ペンタングルは73年に惜しくも解散。その後彼女はジョン・レンボーンの古楽トラッド・グループJOHN RENBOURN GROUPに参加したり、バート・ヤンシュのアルバムにゲスト出演したり、更には83年に再編されたペンタングルに加わって歌い続けてきた。再編ペンタングルはメンバー交替を重ねながら10年以上も断続的にライヴやアルバム製作を続けたが、(中略)『LIVE 1994』を最後に活動を停止。これと前後してマクシーとジェリー・コンウェイ、スペンサー・コーゼンスの3人の名義でアルバム『ABOUT THYME』が発表された。(中略)コンウェイはかつてフォザリンゲイにも参加していた英国フォーク界の名ドラマーで最後期の再編ペンタングルに参加し、以来ジャッキーとは公私共々のパートナーとなっているようだ。コーゼンスはジャズとロック界で活躍してきたキーボード奏者である。JACQUI McSHEE'S PENTANGLEはこの3人に、サックス奏者ジェリー・アンダーウッド、ベースとギターのアラン・トムソンを加えて結成された。アンダーウッドはカーラ・ブレイのビッグバンドに参加していた事もあるジャズ畑のミュージシャン。トムソンの方はロバート・パーマーやリック・ウェイクマンからジョン・マーティンやジュリア・フォーダムまで様々な人達と共演してきた。98年にグループはアルバム『PASSE AVANT』を発表している。そしてそれに続いて発表されたのが本盤なのである。ここではキーボード奏者がホス・パターソンに交替している(中略)。」
◆本CDについて◆
輸入盤に日本語解説付。
原盤ブックレット(全20頁)に歌詞、トラックリスト&クレジット、写真図版(モノクロ)多数。投げ込み(十字折り)にトラックリスト、白石和良による解説。
ジャッキー・マクシーズ・ペンタングルのライヴ盤(2000年)。音の方はよくあるフュージョン系です。サックス、ピアノ、エレキベース、ドラムで、ベースの人がギターをかけもちしています。各曲冒頭にジャッキーさんのMCが入っています。
#1「She Moved Through the Fair」は伝承バラッドで、再編ペンタングルでの録音があります(『In the Round』1986年)。
#2「Jabalpur」は『About Thyme』(1995年)収録のオリジナル曲。
#3「Once I Had a Sweetheart」はオリジナル・ペンタングル『Basket of Light』(1969年)収録のバラッド曲。バート・ヤンシュ『Rosemary Lane』(1971年)収録「Sylvie」も同じ曲ですが、歌詞が一部異なります。
#4「The Nightingale」は「One Morning in May」「The Soldier and the Lady」などのタイトルでも知られるバラッドで、新生ペンタングル『Passe Avant』(1998年)に収録されていました。
#5「That's the Way It Is」は同じく『Passe Avant』収録のオリジナル曲。
#6「The House Carpenter」は『Basket of Light』、『Passe Avant』収録のバラッド。
#7「I've Got a Feeling」はオリジナル・ペンタングル『Sweet Child』(1968年)収録曲。
#8「The Bonny Greenwood Side」は「The Cruel Mother」のタイトルで知られるバラッドですが、そっちのタイトルにすると#9とかぶるし、#5が息子に捧げる歌だったりするので、あまりCruelなのもあれなのでこのタイトルにしたのではないでしょうか。
#9「Cruel Sister」はオリジナル・ペンタングル『Cruel Sister』(1970年)収録の長篇バラッドの短縮ヴァージョンです。
#10「The Wife of Ushers Well」は『About Thyme』収録のバラッド。
#11「Lovely Joan」も『About Thyme』収録バラッドで、元ペンタングルのダニー・トンプソンも『Whatever』(1987年)で取り上げています。特徴的なメロディはヴォーン・ウィリアムズ「グリーンスリーヴス幻想曲」でも使用されています。
#12(アンコール)「We'll Be Together Again」はジャズ・スタンダード(『Passe Avant』収録)。2005年リリースの次作『Feoffees' Lands』でもスタンダード曲「You've Changed」を、『About Thyme』でもパティ・ペイジの「Indiscretion」をカバーしています。トラッド・フォーク歌手によるジャズ・スタンダードのカバー・アルバムというと、ジューン・テイバーの『Some Other Time』(1989年)がありますが、ジャッキーさんも出すとよかったです。
★★★★☆
The Bonnie Greenwood Side
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