幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

John Renbourn  『Lost Sessions』

John Renbourn 
『Lost Sessions』 

ジョン・レンボーン 
『ロスト・セッションズ』 


CD: Edsel Records / Demon Records Ltd 
EDCD 490 (1996) 
Manufactured in Germany 

MSI/TOKYO 
MSIF 3446 
¥2,500(税抜) 

 


帯文:

「ジョン・レンボーンがペンタングル解散後の70年代初頭にジャッキー・マクシー、テリー・コックスらの仲間と共に行った伝説のセッションが遂に発売!」


1. Just Like Me  3:46 
ジャスト・ライク・ミー 
2. Sleepy John  4:19 
スリーピー・ジョン 
3. Riverboat Song  3:55 
リヴァーボート・ソング 
4. Green Willow  4:20 
グリーン・ウィロー 
5. Seven Sleepers  5:17 
セヴン・スリーパーズ 
6. To Glastonbury  4:16 
グラストンベリーへ 
7. Floating Stone  4:19 
フローティング・ストーン 
8. O Death  3:08 
オー、デス 
9. The Young Man's Song  4:19 
ヤング・マンズ・ソング 


All songs written by John Renbourn 


◆ジョン・レンボーンによるライナーノーツより◆

「ここに収めた歌はいずれも70年代はじめ頃―正確な日付はどうもはっきりしない―一連のセッションで録音したものだ。このセッションはロンドン北部のなつかしいリヴィングストン・スタジオで行われ、(中略)ミュージシャンのほとんどは優れた演奏家であると同時に親しい友人でもあった。特にはっきりした計画を考えていたわけではなく、その後テープはどこかへ行ってしまった。」
「70年代の初めは、短期間ではあったがわたしにとって音楽的に荒涼とした時期だった。ペンタングルとして数年間長期にわたるツアーを続けた後だったので、バンドの解散がはっきりしてくると、物事が動くスピードがずいぶんゆっくりしたものになった。自分自身を励ますために何人かの友人たちを集め、ちょっとした音楽をやって楽しく時を過そうと試みたことは覚えている。」
「ロイ・バビントン(Roy Babbington)は六弦のエレクトリック・ベースを携えて現れた。テリー・コックス(Terry Cox)はドラム・キットを叩き、ケシャブ・サテ(Keshav Sathe)はタブラ、ジャッキー・マクシー(Jacqui McShee)がふらりと来てバックグラウンドですてきなスキャットを二つ三つ合わせてくれたし、クレア・デニス(Claire Denise)はチェロを弾き、リー・ニコルソン(Lea Nicholson)はコンセルティーナを持ってきて、ゴードン・ハントリィ(Gordon Huntley)はペダル・スティールで継ぎ目ひとつないコーラスを紡ぎ、スー・ドラハイム(Sue Draheim)がカントリー・フィドルを奏で、(中略)トニー・ロバーツ(Tony Roberts)がフルートとリコーダーを加えた。わたしにはその頃偶然手に入ることになった古い見事なストラトに電気を通すチャンスを得るという望外のおまけまでついた。音楽の幅はファンキーからフォーキー、汎音的なものから田園的なものまでカヴァーしていた。後になって、ジャッキー、スー、ケシュ、トニィそれにわたしはもう少しオフィシャルなベースで集まり、「ジョン・レンボーン・グループ」としてツアーや録音を行い、田園的要素をもう少し深く追いかけることになった。
 今聞きかえしてみると、歌は大体において自伝的なもので、テムズにつないだ古い屋形船から引っ越して街を出て―「リヴァーボート・ソング」―西部地方へ移る―「グラストンベリーへ」―というわたしの移動を反映している。」


◆本CDについて◆ 

輸入盤国内仕様。ブックレット(全12頁)にJohn Renbournによるライナーノーツ(April 1996)、歌詞、カット図版5点、ブックレット裏表紙に写真図版(モノクロ)1点。インレイにトラックリスト、写真図版(モノクロ)1点。投げ込み(十字折り)にトラックリスト、ジョン・レンボーンによるライナーノーツ日本語訳、訳詞(大島豊)。

全曲歌モノです。音の方はペンタングルふうだったりフォーク・ロックだったりして興味深いです。
#6「To Glastonbury」は1979年に日本で録音された『So Early in the Spring』と、1977年にリリースされたライブラリー音源集『The Guitar of John Renbourn』で再演されています。
#4「Green Willow」はペンタングルのコンピ盤『The Time Has Come』(2007年)に再録されています(「From the John Renbourn album *Just Like You* - recorded in 1972-73 but first issued, as *The Lost Sessions*, on Edsel Records in 1996. Features Terry Cox on drums.」)。

★★★★★