幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

ジョン・レンボーン  『ザ・ギター・オブ・ジョン・レンボーン』 

ジョン・レンボーン 
『ザ・ギター・オブ・ジョン・レンボーン』 
John Renbourn 
The Guitar of John Renbourn 


CD: Strange Days Records 
発行元:株式会社ストレンジ・デイズ・レコード 
発売元:株式会社ウェブクウ/SPINACH 
販売元:ユニバーサル ミュージック株式会社/IMS 
シリーズ:British Rock Masterpiece Part 5/ジョン・レンボーン・コレクション 
WAS-1062 (2005年) 
定価2,940円(税抜価格2,800円) 
Made in Japan 

「Original sound recordings owned by Sanctuary Records Group Ltd. Exclusive License to Strange Days Records in Japan」 

 

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帯文: 

「長い間その存在さえ知られていなかったインストゥルメンタル作品集。テレビ、ラジオの音楽を制作するライブラリー・レーベルに残された幻のレア・アイテム。」
「オリジナル・リリース:1977年 
解説:デヴィッド・サッフ 
2005年版リマスター使用」


The Guitar of John Renbourn 
A varied selection of compositions for solo and accompanied guitar. 


Title / Duration / Remarks 

1. SWALLOW FLIGHT / 2.50 / Gentle Pastoral. 
スワロー・フライト 
2. LIGHT TRAVELLER / 3.27 / Fast, fluid progression
ライト・トラヴェラー 
3. REFLECTIONS (1) / 1.55 / Reflective guitar duet. 
リフレクションズ(1) 
4. REFLECTIONS (2) / 1.55 / As above - solo guitar. 
リフレクションズ(2) 
5. FREEDOM ROAD / 3.00 / Relaxed, Carefree. 
フリーダム・ロード 
6. INTROSPECTION / 3.24 / Wistful, thought provoking. 
イントロスペクション 
7. PASSING TIME / 3.21 / Gentle, unhurried movement. 
パッシング・タイム 
8. PORTRAIT OF A VILLAGE / 3.26 / Lyrical, traditional folk idiom - features female voices. 
ポートレート・オブ・ア・ヴィレッジ 
9. SUMMER SONG / 3.38 / Cheerful, easy-going - features female voices. 
サマー・ソング 
10. GLASTONBURY / 3.49 / Rustic period dance. 
グラストンバリー 
11. LITTLE HANDS / 4.02 / Simple, childlike. 
リトル・ハンズ 
12. DESERTED STREETS / 3.35 / Lonely mood - duet for guitar and clarinet. 
デザーテッド・ストリーツ 

All composed by John Renbourn 


Original Release: KPM MUSIC RECORDED LIBRARY / KPM1203 / 1977 


◆本CD解説(デヴィッド・サッフ)より◆ 

「本作は、1976年にキース・プラウズ・ミュージックより依頼された、あまり知られていないライブラリー用の音楽からなるサウンドトラックのコレクションだが、(中略)このギタリストを魅了し続けた、示唆に富んだ楽曲が主体となった本作は、熟練したミュージシャンの仕事ぶりをこっそりと耳にする機会を我々に与えてくれる。」
「ライブラリー用の音楽は、特に映画、テレビ、そしてラジオ用にレコーディングされている。さまざまな長さ、テンポ、そしてムードのインストゥルメンタル曲がレコーディングされ、タイトルはムードやフィーリングを描写することがままある。映画制作者はそこから適切なサウンドを選んで場面の効果を上げる。キース・プラウズ・ミュージックはその手のサービスを行なっている会社としては世界のトップ・クラスで、実にさまざまなミュージシャンを使って膨大な量のライブラリー用の音楽を築いてきた。ノース・ロンドンにあるリヴィングストーン・スタジオでニック・キンゼイをエンジニアに迎えたレンボーンは、驚くべきギター・インストゥルメンタルのコレクションをレコーディングし、時おり昔仲間のトニー・ロバーツやジャッキー・マクシーの助けを借りた。このトリオはじきにジョン・レンボーン・グループの中核を形成することとなった。」
「『ザ・ギター・オブ・ジョン・レンボーン』のためにレコーディングされた珠玉の楽曲の中には、同時期に他のプロジェクト(引用者注:ジョン・レンボーン・グループ)のためにレコーディングされた楽曲の別のアレンジや初期ヴァージョン(引用者注:#8→「The Maid on the Shore」)も含まれていた。リスナーはこういったテーマがどう進化してきたかを確認することができるだろう。まずはレンボーン在籍時のペンタングルで追求されたものがあり(引用者注:#3、4「Reflections」)、それと並んでもともと70年代初めにレコーディングされた田園風の楽曲(引用者注:「To Glastonbury」)があるが、これは96年に発売されたCD『ロスト・セッションズ(Lost Sessions)』でやっと陽の目を見た。」

 

◆本CDについて◆ 

紙ジャケット(E式シングル/表のみコーティング)仕様。インサート(十字折り/片面印刷)にデヴィッド・サッフ(David Suff)によるSanctuary盤CD解説の川原真理子による日本語訳(原文は掲載されていません)。

本作は見過ごされがちだとおもいますが、クレジットは無いものの、ジョン・レンボーン・グループのトニー・ロバーツ Tony Roberts が#1、2、5、8、9、11にフルート、#10にリコーダー、#12にオーボエで、ケシャヴ・サテ Keshav Sathe が#9にタブラ、#11にフィンガー・シンバルで、ジャッキー・マクシー Jacqui McShee が#8、9にスキャットで参加しており、フルート&リコーダーは多重録音、レンボーンも#1、5、6、7でギターを重ね、#10ではパーカッション代りにギターの胴を叩く音を重ねるなど手が込んでいて、決してやっつけ仕事ではないです。元々が映画やテレビ、ラジオのBGMとして使用できるように作成されたイージーリスニングな音源集なので、これといった聞き所はないですが、それはそれで好ましいです。なお、「Glastonbury」と「Summer Song」はタイトルが入れ違っています。

★★★★★ 


Portrait of a Village


John Renbourn Group - The Maid on the Shore