Galley Beggar
『Heathen Hymns』
CD: Rise Above Records
RISECD208 (2017)
1. Salome
2. Four Birds
3. The Girl I Left Behind Me
4. The Lake
5. Lorelei
6. Moon and Tide
7. Le No Man Steal Your Thyme [Featuring Celia Drummond (Trees)]
8. My Return
Paul Dadswell: Drums, Percussion, Vocals
David Ellis: Guitars, Sitar
Mat Fowler: Guitars, Vocals
Bill Lynn: Bass
Celine Marshall: Violin
Maria O'Donnell: Vocals
All songs written and performed by Galley Beggar
except The Girl I Left Behind Me and Let No Man Steal Your Thyme (trad. arr.)
All cello parts on The Lake, Lorelei, and Moon and Tide played by Lisa Marshall
Viola on Moon and Tide played by Rachel Bowley
All tracks recorded at Toe Rag Studios and produced by Liam Watson
Published by Rise Above Music
Logo by Domonic Mahoney
Band Photography by Ester Segarra
Cover and Layout by Burning Moon
Original cover and insert photography by Clement Moran
◆本CDについて◆
ブックレット（全8頁）に歌詞＆クレジット、モノクロ写真図版1点、カラー写真図版1点。インレイにトラックリスト、カラー写真図版1点。
英国のサイケデリック・フォーク・ロック・バンド、ギャリー・ベガーの4作目（にして今のところ最新作）です。前作と本作は元ナパーム・デス／カテドラルのリー・ドリアンのレーベルからリリースされていますが、そういうことも含めて一筋縄ではいかない感じです。
大雑把にいうと1960年代のサイケデリック・ロック（ピンク・フロイド）、1970年代のフォーク・ロック（フェアポート・コンヴェンション、スティーライ・スパン、トゥリーズ）やハード・ロック（レッド・ツェッペリン）、1980年代のゴシック・ロック（オール・アバウト・イヴ）などの影響を感じさせつつ、1990年代以降の動向も取り入れて独自の音楽性を確立しています。
そもそもがレッド・ツェッペリンが元フェアポート・コンヴェンションのサンディ・デニーを迎えて録音したフェイク・トラッド曲「限りなき戦い」を聴いてフォーク・ロックに目覚めたということなので、アパラチア民謡がどうの「チャイルド」の何番がこうのといった「正統派」トラッド・フォークとも、アイリッシュ・トラッド系のジグやリールのテクニカル志向とも無縁な、いってみればトラッド・フォークのアーキタイプからの再創造です。
トゥリーズのセリア・ハンフリーズ（結婚してドラモンドに改姓）をゲスト・ヴォーカルに迎えた#7「Let No Man Steal Your Thyme」は、ペンタングルのヴァージョンに基づきながらも、クラウトロック風味のサイケデリックな演奏が展開されていて、声の衰えは否定できないものの、たいへん興味深いです。
クレメント・モランによる五月祭（May Day）のモリス・ダンス写真に月の満ち欠け（朔望）をあしらったネオ・ペイガニズムなジャケット・アートもすばらしいです。
★★★★★
Let No Man Steal Your Thyme
Four Birds
