ジュリー・ティペッツ
『サンセット・グロウ』
Julie Tippetts
Sunset Glow
CD:エアー・メイル・レコーディングス
シリーズ:ブリティッシュ・レジェンド・コレクション vol. 10
AIRAC-1115 (2005年)
定価:2,730円(税込価格)
帯文:
「元ブライアン・オーガー&ザ・トリニティのジュリー・ドリスコールが結婚後の75年に、ジョルジオ・ゴメルスキーが新たにスタートさせた新興レーベル、ユートピアよりリリースした2ndソロ。夫のキース・ティペットや、元ブロッサム・トゥズのメンバーで実弟(引用者注:義兄弟)のブライアン・ゴッディング、エルトン・ディーン、ニック・エヴァンス等がゲストで参加。日本初CD化。」
「完全限定盤
オリジナル
紙ジャケット仕様」
1.マインド・オブ・ア・チャイルド 5:08
Mind Of A Child (J. Tippetts)
Julie - voice & piano
Keith Tippett - harmonium
Brian Godding - guitar
Mark Charig - cornet
Elton Dean - alto saxophone
Nick Evans - tronbone
Arrangement by Keith Tippett
2.オーシャン・アンド・スカイ 5:16
Ocean And Sky (And Questions Why?) (J. Tippetts)
Julie - voice & acoustic guitars
Brian Godding - electric guitar
keith Tippett - piano
Louis Moholo - drums
Brian Belshaw - bass
Nick Evans - trombone
Mark Charig - cornet
Horn riff compiled by 'the lads' that played it
3.サンセット・グロウ 7:51
Sunset Glow (J. Tippetts)
Julie - voices & piano
Mark Charig - cornet & tenor horn
Harry Miller - bass
4.ナウ・イフ・ユー・リメンバー 1:55
Now If You Remember (J. Tippetts)
julie - voices & acoustic guitar
Brian Godding - electric guitar
5.リリーズ 5:43
Lilies (J. Tippetts)
Julie - voices, piano, acoustic guitars & clay drum
6.シフティング・スティル 4:21
Shifting Still (J. Tippetts)
Julie - acoustic guitar
Keith - piano
7.ホワット・イズ・リヴィング 2:28
What Is Living (J. Tippetts)
Julie - voices, acoustic guitar & tambourine
Brian Godding - electric guitars
Julie & Bri - hand-claps
8.ビハインド・ジ・アイズ 5:13
Behind The Eyes (J. Tippetts)
Julie - voice & two pianos
(P) & (C) Blueprint
REISSUE STAFF
Licensor:
The Voiceprint Group of Companies
Mastering Engineer:
Yoshiro Kuzumaki (CM Punch)
CD Artwork Coordinator:
Masashi Yamashita (sleepwalk)
Japanese Liner:
Noboru Fujisaki
Cover Printing:
Ichikudo Printing Co., Ltd.
24 Bit remaster 2005
◆藤崎登による解説より◆
「この作品は、75年にリリースされたジュリー・ティペッツの2作目のソロ・アルバムである。(中略)彼女は、70年代にジャズ・ピアニストのキース・ティペットと結婚してファースト・ネーム(原文ママ。ラスト・ネーム)をティペッツ(綴りの最後に s がついている)に替えているが、ジュリー・ドリスコール姓で60年代に活躍していた女性シンガーである。」
「ジュリーはトリニティの『ストリートノイズ』をリリース後、最初のソロ・アルバムになる『1969』を制作している。(中略)このジュリーのアルバムとキース・ティペット・グループのアルバム『アー・ユー・ヒア』(原文ママ。『ユー・アー・ヒア、アイ・アム・ゼア』)は、マーマレード(引用者注:プロデューサー、ジョルジオ・ゴメルスキーのレーベル)からリリース予定だったが、レーベルが閉鎖されたために発売が見送られている(2年後の71年にポリドールから発売)。」
「ティペットとの結婚後、しばらく音楽シーンから遠ざかっていたが、5年ぶり届けられた本作はそんなブランクをまったく感じさせない、むしろ一回りも二回りも大きくなったジュリーを実感できる傑作だった。リリース元はゴメルスキーが75年に米国で設立したユートピア・レーベル(中略)、そして、参加メンバーはティペットをはじめ、エルトン・ディーン、マーク・チャリグ、ニック・エヴァンスというティペット・ファミリーに、マーマレード時代の同胞であるブロッサム・トーズのブライアン・ゴディングとブライアン・ベルショーなど。というように前作と同じ気心の知れた仲間によるソロ作品である。その点では、前作の延長線上にあるソロ・アルバムといってもいいかもしれない。ただ、ひとつ異なるのは、ここには以前のジャズ・ロックの面影はなく、幽玄なフリー・ジャズのヴォーカル・アルバムになっていることである。」
◆本CDについて◆
紙ジャケット仕様(E式見開きジャケ/中ジャケに歌詞&クレジット)。投げ込み(十字折り/片面印刷)にトラックリスト&クレジット、藤崎登による解説「Notes」。
日本盤LPは『残照/ジュリー・ティペット』としてRVCからリリースされていました。
アビー・リンカーンやニーナ・シモンの影響から出発したとおぼしいジュリー・ティペッツ(ドリスコール)は、『ストリートノイズ』では社会問題をテーマにした自作の詩を説得力のある力強いヴォーカルで歌いあげていましたが、本作あたりから声量を抑えたスピリチュアルなヴォイス・パフォーマンスが目立つようになります。
#1「Mind Of A Child」はロバート・ワイアット&フレンズ名義のライヴ盤『Theatre Royal Drury Lane 8th September 1974』(2005年リリース)にもジュリーのソロ(キーボード弾き語り)ヴァージョンが収録されています。
★★★★★
Mind Of A Child
「Let me have the mind of a child again,
Innocence and open eyes again,
There's a wisdom surely lacking
In the heartache that I feel,
In the senseless turning circles
Of the thought confusing wheels inside my head
Wondering how to shed them.
Let the wind sing loudly as a choir.
Let the rain fall - shelter from the fire.
There are voices that are calling,
From a place held far inside,
And their songs are lulling gently,
No, there is no place to hide,
And we shall find them,
No need to mind them.
Let the light grow stronger in my heart.
Let it shine to drive away the darkness,
There is nothing without loving,
And our love must fill our lives,
To extend beyond enclosures
Of the cheating under-cover of our minds,
Wondering how to be kind - all the time.」