Julie Driscoll
『1969』
ジュリー・ドリスコール
1969
CD: One Way Records / PolyGram Records, Inc.
OW 30013 (1994)
Made in U.S.A.
MSI/TOKYO
MSIF2316 (1995年)
¥2,500(税込)/¥2,427(税抜)
帯文:
「60年代後期、ロンドンのポップ・シーンでファッション・リーダーだったジュリー・ドリスコールのソロ・アルバム。キース・ティペット、クリス・スペディング…等が参加。」
1. A New Awakening
ア・ニュー・アウェイクニング
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Electric guitar - Chris Spedding
Bass - Jeff Clyne
Cornet - Mark Charig
Alto - Elton Dean
Trombone - Nick Evans
Drums - Trevor Tompkins
Arranged by Keith Tippett
2. Those That We Love
ゾーズ・ザット・ウィ・ラヴ
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Piano and Celeste - Keith Tippett
Bass - Jeff Clyne
3. Leaving It All Behind
リーヴィング・イット・オール・ビハインド
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Oboe - Carl Jenkins
Trumpet - Bud Parkes
Alto - Stan Saltzman
Trombone - Derek Wadsworth
Bass guitar - Chris Spedding
Piano - Keith Tippett
Drums - Trevor Tompkins
Arranged by Keith Tippett
4. Break-Out
ブレイク・アウト
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Additional Voices - Brian Godding, Brian Belshaw and Julie Driscoll
Guitar Solos - Jim Creegan
Electric guitar - Jim Creegan
Electric guitar - Brian Godding
Bass guitar - Brian Belshaw
Drums - Barry Reeves
Arranged by Blossom Toes and Julie Driscoll
5. The Choice
ザ・チョイス
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Flute - Bob Downes
Arco Bass - Jeff Clyne
6. Lullaby
ララバイ
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Electric guitar - Brian Godding
7. Walk Down
ウォーク・ダウン
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Piano - Keith Tippett
Cornet - Mark Charig
Alto - Elton Dean
Trombone - Nick Evans
Bass - Jeff Clyne
Drums - Trevor Tompkins
Arranged by Keith Tippett
8. I Nearly Forgot - But I Went Back
アイ・ニアリィ・フォゲット
Vocal and acoustic guitar - Julie Driscoll
Electric guitar - Brian Godding
Producer: Georgio Gomelsky
All titles by Julie Driscoll
◆赤岩和美による解説より◆
「ブライアン・オーガー&ザ・トリニティとのジョイント・バンドで活動し、ブリティッシュ・ロック史に残る名盤『ストリートノイズ』(1969年5月発表)を発表したジュリー・ドリスコールは、(中略)69年のアメリカ・ツアー中にブライアン・オーガーらと音楽的対立を起こし、(中略)ソロとして独立、(中略)ソングライターとしての実力を発揮した初のソロ・アルバム『Julie Driscoll』(別名‟1969”)を、1971年11月に発表している。」
「ジュリー・ドリスコールは1947年6月8日ロンドンで誕生。(中略)10代の頃から歌い始め、1963年9月にEMI / コロムビアから「Take Me By The Hand / Stay Away From Me」でデビューしている。しかし、このシングルは不発に終わり、同レーベルからデビューしたヤードバーズのファン・クラブの仕事を行なうようになった時に、ヤードバーズのマネージャーだったジョルジオ・ゴメルスキーの秘書の仕事も始めている。ゴメルスキーはジュリーのシンガーとしての才能を認め、EMIパーロフォンにジュリーを売り込み、1965年6月に「Don't Do It No More / I Know You」で再デビューさせている。こうして、ソロ・シンガーとしての活動を始めるが、同年7月にブルース・シンガーのロング・ジョン・ボールドリーがバック・バンドのフーチー・クーチー・メン(ロッド・スチュワートも在籍)が解散したことから、ゴメルスキーのマネージメントしていたバンド、ブライアン・オーガー&ザ・トリニティをバック・バンドに起用したいと申し出てきたのである。」
「この話を受けたゴメルスキーは、ブライアン・オーガー&ザ・トリニティとロング・ジョン・ボールドリーに、ボールドリーの連れてきた若者ロッド・スチュワートとジュリー・ドリスコールも加えた3人のヴォーカリストをフロントに立てた大型バンドで活動してはと提案し、彼らはスティームパケットの名でライヴ活動を始めることになった。(中略)スティームパケットは1年強の活動ののちに解散を迎えるが、その間にもドリスコールは(中略)2枚のシングルを発表している。」
「ブライアン・オーガーもスティームパケットが解散すると、新たなザ・トリニティを結成、これにドリスコールがジョイントした形で、ゴメルスキーが新たに設立したレーベル、マーマレード(ポリドールが配給)からシングル「Save Me (part 1) / (part 2)」(67年11月)とアルバム『オープン』(67年11月)を発表。シングルはフランスでヒット、続いてボブ・ディランとリック・ダンコ作の「This Wheel's On Fire / A Kind Of Love In」(68年4月)が英5位のヒットを記録。更に「Road To Cairo / Shadows Of You」(68年10月)、「Take Me To The Water / Indian Rope Man」(69年9月)のシングルと、(中略)『ストリートノイズ』(69年5月)を(中略)発表。」
「ところが、前述のように(中略)、ドリスコールはオーガーとトリニティから離れ、ソロ・シンガーとして活動を始めることになったのである。この頃、ドリスコールのボーイフレンドだったのがジャズ・ピアニストとして頭角を表わしてしたキース・ティペットで、ロバート・フリップにキースを引き合わせている。」
本作『1969』(中略)は、夫であるキース・ティペットと彼のグループ、およびジュリーの義兄弟に当たり、同じマーマレード・レコードに所属していたブロッサム・トゥーズのブライアン・ゴディング(中略)とその仲間たちの参加を得て制作された作品で、(中略)ジュリー・ドリスコールが全曲の作詞・作曲を手掛けたものである。」
「[1][7]に参加しているマーク・チャリグ(cornet)、エルトン・ディーン(as)、ニック・エヴァンス(tb)の3人はキース・ティペット・グループのメンバーでキング・クリムゾンの『リザード』にも参加した面々。クリス・スペディング(g)、ジェフ・クライン(b)、トレヴァー・トンプキンス(ds)はこの当時か、のちにニュークリアスに参加していた面々で、クラインとトンプキンスはギルガメッシュでも活動したことがある。
[3]にはティペット / スペディング / トンプキンスに加え、ニュークリアスのカール・ジェンキンス(oboe、のちにソフト・マシーン)や(中略)セッション・ミュージシャンとしても知られる面々が参加している。
[4]はドリスコールのバックにブロッサム・トゥーズの4人が加わったもの。」
「[5]に参加しているボブ・ダウンズ(fl)は、リーダー・バンドのボブ・ダウンズ・オープン・ミュージック(中略)でも活動をするジャズのフルート奏者。
アルバムのプロデュースは、レーベル・オーナーでマネージャーのジョルジオ・ゴメルスキーである。」
◆本CDについて◆
輸入盤国内仕様。原盤ブックレット(二つ折り)内側にトラックリスト&クレジット、ブックレット裏表紙にLP裏ジャケ。投げ込み(巻き三つ折りクロス二つ折り)にトラックリスト、赤岩和美による解説、歌詞(英語)&対訳(石川千晶)。
リリースは1971年ですが、録音はタイトル通り1969年です。そういうわけで、本作はキース・ティペット・グループ『You Are Here, I Am There』、キング・クリムゾン『Lizard』と合わせて鑑賞されるとよいです。
★★★★★